・正式名は、『ヘリコバクター・ピロリ』と言います。
・ピロリ菌は、胃の中に好んで住みつき、胃の壁を傷つける細菌で、1982年オーストラリアで発見されました。
・胃の中は強い酸性、細菌は住むことができないと思われていましたが、ピロリ菌は自ら住みやすい環境を作り出して生息しています。
■どの位の人がピロリ菌をもっているの!?...
・ピロリ菌の感染率は衛生環境と相関すると指摘され、50代以上の日本人の70~80%がピロリ菌に感染しているといわれています。
・経口感染が主な経路と考えられています。上下水道が整備されていないような地域や国では感染率が高く、先進国の中では日本は際立って高い感染率です(50歳以上)。しかし、衛生環境が改善された今日、若い世代の感染率は急速に低下しています。
■ピロリ菌は、胃・十二指腸で、 どんなワルさをするの!?
・胃の壁を傷つけ、胃を守っている粘液を減らし、酸の攻撃を受けやすくしてしまうので、胃炎や消化性潰瘍を発症させる要因になります。
・ピロリ菌が胃壁に取り付くと細胞を弱めてしまう毒素を出し始めます。すると菌をやっつけようと血液中の白血球が付近に集まります。両者の戦いが大きくなると、胃粘膜の消耗を早め、粘膜が炎症を起こして胃炎になったり、胃や十二指腸の粘膜が深くえぐられて消化性潰瘍になったりすると考えられます。
■ピロリ菌に感染すると、どうして胃潰瘍や胃がんになるの!?
・感染したからといって、潰瘍や胃がんが必ず発症するわけではありません。しかし、感染した人はほとんどの人に胃炎が起こります。除菌しない限り、ピロリ菌は胃の中に住み続け、慢性的に炎症が続きます(慢性胃炎)。
・慢性胃炎では、胃の粘膜を防御する力が弱まり、ストレスや塩分の多い食事、発がん物質などの攻撃を受けやすい無防備な状態となります。つまり、ピロリ菌は胃・十二指腸潰瘍、胃がんを起こしやすい下地をつくってしまうわけです。
・胃の中は強い酸性、細菌は住むことができないと思われていましたが、ピロリ菌は自ら住みやすい環境を作り出して生息しています。
■どの位の人がピロリ菌をもっているの!?...
・ピロリ菌の感染率は衛生環境と相関すると指摘され、50代以上の日本人の70~80%がピロリ菌に感染しているといわれています。
・経口感染が主な経路と考えられています。上下水道が整備されていないような地域や国では感染率が高く、先進国の中では日本は際立って高い感染率です(50歳以上)。しかし、衛生環境が改善された今日、若い世代の感染率は急速に低下しています。
■ピロリ菌は、胃・十二指腸で、 どんなワルさをするの!?
・胃の壁を傷つけ、胃を守っている粘液を減らし、酸の攻撃を受けやすくしてしまうので、胃炎や消化性潰瘍を発症させる要因になります。
・ピロリ菌が胃壁に取り付くと細胞を弱めてしまう毒素を出し始めます。すると菌をやっつけようと血液中の白血球が付近に集まります。両者の戦いが大きくなると、胃粘膜の消耗を早め、粘膜が炎症を起こして胃炎になったり、胃や十二指腸の粘膜が深くえぐられて消化性潰瘍になったりすると考えられます。
■ピロリ菌に感染すると、どうして胃潰瘍や胃がんになるの!?
・感染したからといって、潰瘍や胃がんが必ず発症するわけではありません。しかし、感染した人はほとんどの人に胃炎が起こります。除菌しない限り、ピロリ菌は胃の中に住み続け、慢性的に炎症が続きます(慢性胃炎)。
・慢性胃炎では、胃の粘膜を防御する力が弱まり、ストレスや塩分の多い食事、発がん物質などの攻撃を受けやすい無防備な状態となります。つまり、ピロリ菌は胃・十二指腸潰瘍、胃がんを起こしやすい下地をつくってしまうわけです。
■ピロリ菌がなくなれば、胃炎や消化性潰瘍にならないの!?
除菌によって今まで潰瘍が治りにくかった人が治ったという報告があり、潰瘍の再発予防に有効です。
消化性潰瘍がやっかいなのは、いったん治っても何度も再発を繰り返すことです。
胃潰瘍患者の65~80%程度、十二指腸潰瘍患者の90%程度に胃の中にピロリ菌がいることがわかっています。
ピロリ菌の除菌によって、再発を繰りかえす潰瘍が治ったという例が多くあります。
■1年間に胃・十二指腸潰瘍を再発する人の割合
▽なにも治療をしない場合⇒72%
▽再発を予防するために潰瘍が治った後も、薬をやめずにある期間飲み続ける治療をした場合⇒25%
▽ピロリ菌除菌に成功した場合⇒2%
■ピロリ菌は胃がんにも関係あるの!?
最近、ピロリ菌と胃がんの関係について解明されつつあります。
ピロリ菌が陽性であると、胃がんのリスクが高まります。ピロリ菌、陽性例および陰性例に対して10年間の追跡調査を行った結果、ピロリ菌陽性例では2.9%(1246例中36例)に胃がんが発見され、陰性例では胃がんが認められなかったという研究発表もされています。
除菌によって今まで潰瘍が治りにくかった人が治ったという報告があり、潰瘍の再発予防に有効です。
消化性潰瘍がやっかいなのは、いったん治っても何度も再発を繰り返すことです。
胃潰瘍患者の65~80%程度、十二指腸潰瘍患者の90%程度に胃の中にピロリ菌がいることがわかっています。
ピロリ菌の除菌によって、再発を繰りかえす潰瘍が治ったという例が多くあります。
■1年間に胃・十二指腸潰瘍を再発する人の割合
▽なにも治療をしない場合⇒72%
▽再発を予防するために潰瘍が治った後も、薬をやめずにある期間飲み続ける治療をした場合⇒25%
▽ピロリ菌除菌に成功した場合⇒2%
■ピロリ菌は胃がんにも関係あるの!?
最近、ピロリ菌と胃がんの関係について解明されつつあります。
ピロリ菌が陽性であると、胃がんのリスクが高まります。ピロリ菌、陽性例および陰性例に対して10年間の追跡調査を行った結果、ピロリ菌陽性例では2.9%(1246例中36例)に胃がんが発見され、陰性例では胃がんが認められなかったという研究発表もされています。
■ピロリ菌がいるかどうか どうやって調べるの!?
検査方法は内視鏡(胃カメラ)を必要とする方法と必要としない方法に大きく分けられます。現在もっとも使用されている内視鏡を必要としない検査法は尿素呼気試験法です。
検査方法は内視鏡(胃カメラ)を必要とする方法と必要としない方法に大きく分けられます。現在もっとも使用されている内視鏡を必要としない検査法は尿素呼気試験法です。
■内視鏡を使わない方法
▼尿素呼気試験
呼気(吐き出した息)を採取して調べる方法です。ピロリ菌が分泌するウレアーゼの働きで作られる二酸化炭素(CO2)の量を調べます。
▼尿素呼気試験
呼気(吐き出した息)を採取して調べる方法です。ピロリ菌が分泌するウレアーゼの働きで作られる二酸化炭素(CO2)の量を調べます。
▼抗体、抗原測定法
尿や血液や糞便中のピロリ菌に対する抗体や抗原の有無を調べる方法です。
尿や血液や糞便中のピロリ菌に対する抗体や抗原の有無を調べる方法です。
■内視鏡を使う方法
内視鏡で胃の組織の一部を取って、次のいずれかの方法で検査します。
▼培養法
ピロリ菌を培養する。
▼迅速ウレアーゼ法
ピロリ菌が分泌するウレアーゼの
働きで作られるアンモニア(NH3)
の有無を調べる。
▼組織鏡検法
顕微鏡でピロリ菌がいるかどうか調べる。
内視鏡で胃の組織の一部を取って、次のいずれかの方法で検査します。
▼培養法
ピロリ菌を培養する。
▼迅速ウレアーゼ法
ピロリ菌が分泌するウレアーゼの
働きで作られるアンモニア(NH3)
の有無を調べる。
▼組織鏡検法
顕微鏡でピロリ菌がいるかどうか調べる。
【尿素呼気試験法ってどんな試験!?】
ピロリ菌は、胃の中の尿素を二酸化炭素(CO2)とアンモニア(NH3)に分解します。この性質を利用した試験法です。簡便で20分程度で済み、患者さんの苦痛もなく、精度が高いため、検査法の主流となっています。
■尿素呼気試験の実施手順
▼標準的な13C-尿素呼気試験法(20分程度)
①検査薬服用前に呼気(口から吐く息)を採取します。
②検査薬をつぶしたりせず、空腹時に水100mlとともに噛まずに速やかに(5秒以内に)飲みこみます。
③5分間、左向きに寝た姿勢を保ちます。
④その後、15分間座った姿勢を保ちます(椅子に座ります)。
⑤検査薬服用20分後の呼気(口から吐く息)を採取します。
▼呼気中13CO2の測定(2,3分程度)
①呼気中13CO2の測定は、質量分析法または、それに準ずる性能を有する分析法で実施します。
②判定は、△13C:2.5 0/00以上をピロリ菌陽性と判定します。
ピロリ菌は、胃の中の尿素を二酸化炭素(CO2)とアンモニア(NH3)に分解します。この性質を利用した試験法です。簡便で20分程度で済み、患者さんの苦痛もなく、精度が高いため、検査法の主流となっています。
■尿素呼気試験の実施手順
▼標準的な13C-尿素呼気試験法(20分程度)
①検査薬服用前に呼気(口から吐く息)を採取します。
②検査薬をつぶしたりせず、空腹時に水100mlとともに噛まずに速やかに(5秒以内に)飲みこみます。
③5分間、左向きに寝た姿勢を保ちます。
④その後、15分間座った姿勢を保ちます(椅子に座ります)。
⑤検査薬服用20分後の呼気(口から吐く息)を採取します。
▼呼気中13CO2の測定(2,3分程度)
①呼気中13CO2の測定は、質量分析法または、それに準ずる性能を有する分析法で実施します。
②判定は、△13C:2.5 0/00以上をピロリ菌陽性と判定します。
■ピロリ菌の除菌治療はどうやって行うのですか!?
2種類の抗生物質と胃酸の分泌を抑える薬を1週間飲むだけです(一次除菌療法)。これだけで約80%の方は除菌に成功する、つまり胃の中からピロリ菌は完全に消えていなくなります。
残り20%の除菌不成功の方には、抗生物質の1種類を変更して、同様に3種類のお薬を1週間飲む二次除菌療法があります。これにより、一次除菌に失敗した方の約90%の方が除菌に成功します。
10%程度の人に下痢や味覚異常などの副作用が起こることがありますが、それよりも除菌治療によって、再発を繰り返していた潰瘍が治る(ピロリ菌が除菌できる)ということの方が有用性は高いと思われます。
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