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2021年1月26日火曜日

■保湿剤について【ワセリン!?ヒルドイド!?】【種類と使い方】

 1.ワセリン製剤:刺激が少なく安価で手に入りやすい。

ワセリンは石油から精製させる油脂性の物質です。皮膚に膜を張ることで水分の蒸発を防ぎます。刺激が少なく、安価で手に入るのが特徴です。ワセリン製剤は精製度の違いにより、「白色ワセリン」、「プロペト」、「サンホワイト」など種類が分かれています。

白色ワセリン>プロペト>サンホワイトの順で不純物が少なくなっており、不純物が少ない方がより低刺激になります。

 

2.ヘパリン製剤(ヒルドイド):副作用が少なく、水分保持作用がある。

「ヘパリン類似物質」という成分を含む商品のことをいいます。ヘパリン類似物質は水分保持作用、血行促進作用、抗炎症作用があるのが特徴です。副作用は少ないですが、血友病、血小板減少症、紫斑病等の出血性血液疾患がある人には使えません。

 

3.尿素製剤:古い角質を除去し、皮膚を柔らかくする。

尿素を含む商品のことをいいます。尿素は皮膚の角質層の水分を保持する作用や角質溶解作用があります。角質溶解作用とは簡単にいうと「皮膚を溶かす」ということですが、この作用によって古い角質を除去し皮膚が柔らかくなるのが特徴です。

 

4.その他:セラミド、ビタミンなど

13の他に保湿成分である「セラミド」や「ビタミン」等が配合された保湿剤もあります。

・セラミドを角層に浸透させることで不足しているセラミドを補い、肌内部の水分量を上げることができます。

・ビタミンEは皮膚から直接吸収され、皮膚の血行促進や皮膚温を上昇させるとともに、毛細血管の透過性を抑制します。また、皮膚の角質硬化防止、抗酸化作用、保湿効果、メラニンの沈着抑制、抗炎症作用、紫外線防御効果、化粧品の安定性向上等の多彩な作用・効果が認められています。特に保湿効果と抗酸化作用に優れ、乾燥肌や紫外線が気になる敏感肌の方には特にオススメできるビタミンです。

 

≪ワセリン製剤とヘパリン製剤の違いは!?≫

どちらも保湿剤という分類ですが、

・ワセリン製剤は、「膜を張ることで水分の蒸発を防ぎ、乾燥しないようにするもの」

・ヘパリン製剤は、「水分保持作用があるため、皮膚に潤いを与えるもの」

同じ保湿剤でも作用が異なるものです。

 

   こんなときはどの保湿剤を選べばいい!?ケース別保湿剤の選び方について

≪シチュエーションや部位別での分類≫

 

1.肌荒れが酷い方

低刺激なワセリン製剤がおすすめです。

具体的な商品でいうと、特に不純物の少ないワセリン製剤を使用しましょう。

 

2.水仕事で手が荒れがちな方(かさつきタイプ)

ヘパリン製剤や保湿成分であるセラミドやヒアルロン酸など成分が配合されたの保湿剤がおすすめです。

 

3.水仕事で手が荒れがちな方(ささくれ、あかぎれなどの肌荒れタイプ)

ヘパリン製剤や血行を良くするビタミンEなどが配合されたビタミン系の保湿剤を選びましょう。

 

4.肘・膝・踵、手のひら・足の裏が気になる方

硬くなった角質を柔らかくして保湿する尿素製剤がおすすめです。但し、炎症や傷がある場合は刺激になり、かえって良くない場合があるので注意しましょう。

 

   保湿剤を使用する際の注意点

1.保湿剤を使用するのに適した肌の状態とは?

保湿剤を塗る際のポイントは「皮膚に水分が含まれた状態で保湿剤を塗る」ことです。入浴後5分以内に保湿剤を塗る、手洗い後肌がしっとりしているうちに保湿剤を塗るなど、皮膚に水分が含まれた状態で保湿剤を塗りましょう。

 

2.保湿剤はこまめに塗ろう

医師に塗る回数を指定されている場合は別ですが、保湿剤はこまめに塗ることが大切です。特に水仕事による手荒れの場合は、水仕事後は毎回保湿剤を塗るなど、こまめに塗るようにしましょう。

 

3.肌状態や使用箇所によって使い分けよう

保湿剤には種類があります。そのため、肌の状態や使用する箇所によって保湿剤を使い分けることが大切です。

 

   まとめ

保湿剤は医療用医薬品だけでなく、医薬部外品・市販薬・化粧品など様々なものがあります。肌荒れが軽度の場合や乾燥予防のために保湿剤を使用する場合はドラッグストア等で症状に合った種類の保湿剤を購入しましょう。また、肌荒れが深刻な場合は治療が必要な場合があります。その場合は医師の診察を受け、治療方法や保湿剤の使用は医師の指示に従うようにしましょう。




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2018年4月20日金曜日

■ロキソニン外用剤を妊婦に投与できますか!?

妊娠中の使用に関する安全性は確立していない為、妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用してください。
なお、他の非ステロイド性消炎鎮痛剤の外皮用剤を妊娠後期の女性に使用し、胎児動脈管収縮が起きたとの報告があります。

参考:第一三共医薬品情報提供


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2015年8月14日金曜日

■外用剤の上から化粧をしてもいいですか!?

大丈夫だと思いますが、以下の点に注意してください。

▽朝の外用剤
ステロイド外用剤またはプロトピック軟膏を塗った上からお化粧をすると、1日ファンデーションで密封されますので外用剤の吸収率が高くなります。
その分、副作用も強くなります。
逆にお化粧の上から外用剤を塗布すると、ファンデーションで邪魔されて外用剤が十分患部に届きません。
ステロイドまたはプロトピックを化粧前に塗るのは控えた方がいいでしょう。
保湿クリーム、にきび薬は化粧の前に塗布してもかまいません。
いずれにしても大きな問題はありませんが、朝に塗布の指示がでている時は、念のため主治医に確認した方がいいと思います。

▽夜の外用剤
夜は、化粧水またはクリームをつける女性が多いと思います。
外用剤を先につける方が患部に直接届くので理想的です。
しかし、外用剤の種類によっては、先につけると化粧水・クリームの伸びが悪くなるかもしれません。
その場合は、化粧水・クリームをつけたあとから外用剤を塗布してもかまいません。
いずれにしても、大きな差はありませんので、やりやすい方法でよいと思います。

 

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2015年8月13日木曜日

■ステロイド外用剤を塗ってから日に当たると皮膚が黒くなるのは誤解!?

ステロイド外用剤を塗って日に当たると黒くなるのは誤解です。

湿疹・皮膚炎の治った後が黒くなる(色がつく)のは、湿疹の炎症がおさまったあとの色素沈着(炎症後色素沈着)です。

日光に当たると、紫外線による日焼け(色素増強作用)が加味されて炎症後色素沈着が一層強くなります。

ステロイドを塗ったからではありません。



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■保湿剤とステロイド外用剤を同じ部位に塗るように指示された時の塗布する順序は!?

ステロイド外用剤を先に塗るのが一般的です。

皮脂欠乏性湿疹に対して保湿剤とステロイド外用剤が処方されるケースがあります。

保湿剤とステロイドを塗る順序は、まずステロイドを湿疹部に塗り、次に保湿剤を湿疹部を含め乾燥肌全体に塗布するのが一般的です。

理由は、一番効いてほしいのはステロイドだからです。

しかし、順序が逆になっても大きな差はありません。

保湿剤を先に塗ると皮膚がなめらかになり、ステロイドの伸びがよくなるという利点があります。



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■ステロイド外用剤を塗ると皮膚が黒くなるのは誤解!?

ステロイド外用剤を塗ったせいではありません。

ステロイド外用剤を塗ると治った後も黒くなるのは誤解です。

湿疹・皮膚炎の治ったあとが黒くなる(色がつく)のは、湿疹の炎症がおさまったあとの色素沈着(炎症後色素沈着)がです。

湿疹の程度が強いほど、長く放っておくほど色素沈着も濃く残ります。

ステロイドを塗ったからではありません。

逆にステロイドでしっかりしっかり初期の湿疹病変(炎症)を治すことにより、炎症後の色素沈着を最小限にできます。



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2015年7月29日水曜日

■褥瘡治療マニュアル

【褥瘡マニュアル】
■ステージⅠ:不可逆的な発赤
▽発赤
・サージット
・アズノール

■ステージⅡ:真皮に至る部分損傷
▽水泡
↓・サージット
↓・デュオアクティブET
↓・アズノール
▽びらん
・デュオアクティブET
・アズノール
▽浸出液が多い時
・ハイドロサイト(浸出液が少ないときは、ハイドロサイト薄型)
▽白色期(上皮形成期)
・アクトシン軟膏
・ハイドロサイト
・アズノール
▽赤色期(肉芽増殖期)
・フィブラストスプレー(深い)
・ハイドロサイト(浸出液中)
・アズノール

■ステージⅢ・Ⅳ:脂肪層、筋、骨までに至る損傷
▽黄色期(壊死期)
【壊死組織除去・感染なし】
・ブロメライン軟膏

▽黒色期(炎症期)
・外科的デブリードマン
・浸出液少→ゲーベン
・浸出液多→ユーパスタ・カデックス

▽感染あり
・ゲーベンクリーム
・ユーパスタ



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2015年7月26日日曜日

■褥瘡治療テスト

問1.滲出液の多い褥瘡には適さないドレッシング剤はどれですか?
①デュオアクティブ ②ティエール ③ハイドロサイト

問2.びらん面に適した外用剤はどれですか?
①ユーパスタ ②アズノール ③ブロメライン

問3.皮膚の上皮化を促進する外用剤はどれですか?
①カデックス ②ユーパスタ ③プロスタンディン

問4.黒色壊死細胞を伴った褥瘡に適さない外用剤はどれですか?
①ユーパスタ ②ブロメライン ③ゲーベン

問5.ユーパスタを使用していたら創面に赤い肉芽が形成され滲出液が減ってきた。効果があったので使い続けた。
(○ ×)

問6.カデックス軟膏は吸水性が優れているため、滲出液の多い創の抗菌薬として有効である。
(○ ×)

問7.止血効果のあるドレッシング剤はどれか?
①アクアセル ②カルトスタット ③アダプティック

問8.黒色の硬い壊死組織をカットしたら、ドロドロの膿が出てきた。創面は、熱・発赤・痛みを伴っていた。適した外用剤はどれですか?
①ゲンタシン軟膏 ②ゲーベンクリーム ③アズノール
問9.滲出液が多い時の処置として適切なものはどれか?
①処置を1回から2回に増やす。
②当てるガーゼを増やしガーゼの上に紙オムツを敷いた。

問10.ガーゼに血液の付着があったので圧迫止血の目的でガーゼをいつもより多くつめた。
(○ ×)



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2015年6月17日水曜日

■皮膚潰瘍治療の基本的な考え方

褥瘡治療には、処置だけでなく、
・薬剤
・創傷被覆剤
・体位交換
・マットレス
・栄養状態
・血流
などいろいろな要素が必要になってきます。

【皮膚潰瘍治療の基本的な考え方】
①壊死があれば除去を図る(外科的切除・外用剤主体)
・特に浸出液の多い壊死は積極的に!!
・乾燥している壊死は少し待ってもいい場合もあります。
・血流障害による潰瘍は、触らないほうがいい場合もあります。
②感染があれば対策を図る(外用剤主体)
③1,2が軽快したら肉芽形成促進を図る(創傷被覆剤・外用剤)

全ての時期において創の清浄化に努めることが、重要なんです!!

創傷治療の基本コンセプトは、
■傷を乾かしすぎないこと。
■傷を湿らせすぎないこと。
■消毒しないこと。


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