2026年6月30日火曜日

コーチングとは何か?医療従事者が知っておくべき基本【コーチングシリーズ①】

 アンガーマネジメントシリーズに続いて、今回から「コーチングシリーズ」をお届けします。

「コーチングって怪しくない?」「スポーツや企業の話でしょ?」——そう思っている医療従事者の方もいるかもしれません。でも実は、コーチングは患者さんとの服薬指導や、スタッフとのコミュニケーションに今すぐ使える、非常に実践的なスキルです。


コーチングとは

コーチングとは、知識やスキルを一方的に教えるのではなく、相手の中にある「やる気・能力・アイディア・可能性・行動力」を引き出し、自分で考え行動する「自発性」を促すコミュニケーションスキルです。

相手が目指すゴール(目標達成)に向けてサポートするのがコーチの役割です。

コーチは「クライアントには無限の可能性があり、夢や目標達成に必要なものはすべて持っている」ということを100%信じて、相手の話を最後まで否定せずにとことん聴きます。


なぜ医療でコーチングが必要なのか

こんな患者さん、いませんか?

  • 「血圧が高いのに認めない」「病院でマスクを着けてくれない」
  • 「タバコやめるぐらいやったら、死んだ方がマシや」
  • 「一生懸命に説明しても、薬をきちんと飲んでくれない」

このような状況に医療従事者が陥りがちな対応があります。

医療従事者:「血糖値を良くするためには、
      食事はバランスよく!
      毎日運動してね!
      タバコはやめて!
      薬はきちんと飲んで!」

患者さん:(何も言わず、小さくなる…話聞いてくれよ)

知識を一方的に与える指示命令型の一方通行コミュニケーションでは、うまくいかないケースがあるのです。


双方向コミュニケーションの力

コーチングが提案するのは「双方向のコミュニケーション」です。

「行動を変えないのには、変えない理由がある」 「答えは相手の中にある」 「相手の中にある答えを引き出してあげる」

この発想に基づいて、患者さん自身に考えてもらいます。

例えば:

医療従事者:「血糖値を良くするために、
      これから気をつけていきたいと
      思っていることは何ですか?」

患者さん:「うーん、やっぱりまずは食べる量に
     気をつけないといけないんだよね。
     でも、なかなか上手くいかないんだよ。」

患者さん自身が言葉にした目標は、医療者から言われた目標よりはるかに行動に結びつきやすいのです。


自己決定感がやる気を変える

なぜ自分で決めたことの方が行動に結びつくのでしょうか。

それは「自己決定感」の力です。

何かを自分で選んだり、自分で決めたりすること——この自己決定できるかどうかは、やる気に深く関わっています。「自己決定感・自分で決めた感」が強いと内発的動機づけが高まり、自信が付くことが論文でも報告されています(『幸福感と自己決定―日本における実証研究』参照)。

指示され「やらされること」では、やる気はいまいち出ません。

自分で決めたことの方が、やる気が出る。だから成果も出やすく、仮に結果に繋がらなかったとしても自分で決めたことなので納得でき、それが「満足度・幸福度」に繋がります。


コーチングの3原則

コーチングには3つの原則があります。

① 双方向性 上から下にならないように、同じ立場で会話できる関係を作る。患者さんの話をしっかり聞き、受け取ったことを伝えたり、質問したりすることで双方向の関わりを持つ。

② 継続性 患者さんが行動を起こす・変わるまで継続的に関わる。ズレがある場合は軌道修正する。

③ 個別対応 その人に合わせたコミュニケーションを行うことで、スピードを高め、結果を出しやすくする。


コーチングの第一歩はスキルではなく「心の状態」

コーチングを学び始める時、多くの人がスキルを知りたがります。でも実は、**一番のベースになるのはコーチングをする「あなた自身のいい状態」**です。

元気のない医療者だったら、患者さんはがっかりします。

まずは自分が元気であること。これが土台です。

知識やスキルがどれだけあっても、あなたの状態がよくなかったら、相手の状態もつかめないし、何をしたらいいかも思いつかず、よい結果には結びつきません。

「患者さんを良くしてあげたい」という気持ち——この**Mind(心の状態)**が土台にあってこそ、Contents(内容)とDelivery(伝え方)が活きてくるのです。


まとめ

  • コーチングとは相手の中にある答えを引き出す双方向コミュニケーション
  • 指示命令では動かない患者さんも、自分で決めると動き出す
  • 「自己決定感」が内発的動機づけを高め、行動・成果につながる
  • コーチングの3原則:双方向性・継続性・個別対応
  • スキルより先に、自分自身の「心の状態」を整えることが大切

次回はコーチング・ティーチング・カウンセリングの違いを解説します。


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病院薬剤師の仕事ブログ(hosphar)

田浦マインドのパーソナルブログ

2026年6月29日月曜日

【総まとめ】病院薬剤師が考えるアンガーマネジメントと医療安全|全20記事まとめ

 

はじめに

ここまで、

「病院薬剤師が考えるアンガーマネジメントと医療安全」

というテーマで20本の記事を書いてきました。

アンガーマネジメントというと、

「怒らないための技術」

と思われることがあります。

しかし実際には、

怒りをなくすことではなく、

怒りを理解し、上手に付き合うための技術

です。

そして私は病院薬剤師として働く中で、

アンガーマネジメントは、

人間関係だけでなく、

医療安全にも深く関係していると感じています。

今回は、

これまでの記事を振り返りながら、

アンガーマネジメントと医療安全について改めて考えてみたいと思います。


第1章 怒りを知る

まずは、

怒りとは何かを理解することから始めました。

第1回

怒りは悪い感情ではない

第2回

なぜ人は怒ってしまうのか?
「べき」思考と怒りの正体

第3回

怒りの下に隠れている感情とは?
怒りは第二次感情

怒りの背景には、

不安や悲しみ、

期待や責任感があることを学びました。


第2章 怒りをコントロールする

怒りを理解した後は、

実践編です。

第4回

怒りのピークは6秒?

第5回

怒りの温度計

第6回

アンガーログのすすめ

怒りを客観視することで、

感情に振り回されにくくなることを学びました。


第3章 指導とハラスメントを考える

医療現場では、

指導が必要な場面があります。

しかし、

その伝え方を間違えると、

ハラスメントにつながることがあります。

第7回

指導とハラスメントの違いとは?

第8回

人前で叱るのはなぜ逆効果なのか?

感情をぶつけるのではなく、

相手の成長につながる関わり方が大切であることを考えました。


第4章 組織と怒り

怒りは個人だけの問題ではありません。

組織全体へ影響します。

第9回

怒りが伝染する職場、伝染しない職場

第10回

管理職こそアンガーマネジメントが必要な理由

第11回

怒りタイプ診断

職場文化やリーダーシップとの関係について考えました。


第5章 怒りとの上手な付き合い方

第12回

怒りを我慢するとどうなる?

第13回

心理的安全性とアンガーマネジメントの関係

第14回

アサーティブコミュニケーション

第15回

「まあ、いいか」が職場を救う

怒りを抑え込むのではなく、

適切に表現することの重要性を学びました。


第6章 人との関わり方

第16回

「聴く力」が怒りを減らす

第17回

なぜ「正しい人」ほど怒りやすいのか?

第18回

怒っている人にどう対応する?

怒りを理解するためには、

自分だけでなく、

相手を理解しようとする姿勢も重要であることを考えました。


第7章 医療安全とのつながり

第19回

アンガーマネジメントは医療安全につながるのか?

第20回

アンガーマネジメントを学んで変わったこと

アンガーマネジメントは、

単なるコミュニケーション技術ではありません。

報告しやすい環境。

相談しやすい環境。

違和感を共有できる環境。

そうした心理的安全性を高め、

結果として医療安全につながる学びであると感じています。


私がアンガーマネジメントを学んで感じたこと

このシリーズを書きながら改めて感じたのは、

怒りは悪者ではないということです。

怒りの背景には、

  • 患者さんを守りたい
  • 仲間に成長してほしい
  • 良い医療を提供したい

という思いがあります。

だからこそ、

怒りを否定するのではなく、

上手に扱うことが大切なのだと思います。


次のシリーズについて

ここまで、

心理的安全性シリーズ、

そしてアンガーマネジメントシリーズを書いてきました。

次のテーマは、

私自身が学んできた

「コーチング」

について発信していきたいと思います。

医療現場では、

教える力だけでなく、

相手の力を引き出す力も重要です。

アンガーマネジメントが

「感情との付き合い方」

だとすると、

コーチングは

「人の成長を支援する関わり方」

です。

次回からは、

病院薬剤師の視点で考えるコーチングについてお届けしたいと思います。


おわりに

全20記事を読んでくださった皆さま、

本当にありがとうございました。

このシリーズが、

皆さま自身の感情との付き合い方や、

職場のコミュニケーション、

そして医療安全について考えるきっかけになれば幸いです。

これからも病院薬剤師の立場から、

医療安全、人材育成、コミュニケーションについて発信していきたいと思います。

2026年6月28日日曜日

アンガーマネジメントを学んで変わったこと|病院薬剤師として感じる成長と気づき

 

はじめに

私は病院薬剤師として働く中で、

医療安全、多職種連携、人材育成などに関わる機会が増えてきました。

その中で出会った学びの一つが、

アンガーマネジメント

です。

以前の私は、

「怒らないようにしよう」

「感情を抑えなければならない」

と考えていました。

しかし、

アンガーマネジメントを学んだことで、

怒りに対する考え方が大きく変わりました。

今回は、

病院薬剤師として私自身が感じた変化についてお話したいと思います。


この記事でわかること

この記事では、

・アンガーマネジメントを学ぶ前の考え方

・学んで変わったこと

・医療現場で感じた効果

・今後も大切にしたいこと

について考えていきます。


怒ることは悪いことだと思っていた

以前は、

怒りを感じること自体が良くないことだと思っていました。

  • イライラしてはいけない
  • 怒ってはいけない
  • 感情を出してはいけない

そんなふうに考えていた時期があります。

しかし、

現実には怒りを感じます。

人間ですから当然です。

そのたびに、

「自分は未熟だな」

と感じることもありました。


怒りには理由があると知った

アンガーマネジメントを学んで最も印象的だったのは、

怒りには理由がある

ということでした。

怒りの背景には、

  • 不安
  • 心配
  • 悲しみ
  • 期待

などがあります。

つまり、

怒りだけを見るのではなく、

その奥を見ることが大切だと知りました。


自分の「べき」に気づいた

もう一つ大きかったのは、

「べき」思考です。

私は薬剤師として、

  • 患者安全を守るべき
  • 報告は早くするべき
  • 約束は守るべき

という価値観を持っています。

それ自体は悪いことではありません。

しかし、

自分の当たり前が、

相手の当たり前とは限らないことにも気づきました。


相手を見る視点が変わった

以前なら、

「なんでそんなことをするのだろう」

と思っていた場面でも、

今は、

「何か理由があったのかもしれない」

と考えるようになりました。

もちろん、

すべてを許すわけではありません。

しかし、

相手を理解しようとする姿勢は増えたように感じます。


怒らなくなったわけではない

ここは誤解してほしくありません。

アンガーマネジメントを学んだからといって、

怒らなくなったわけではありません。

今でも怒ります。

イライラすることもあります。

しかし、

怒りに振り回されることは減ったように思います。


人材育成への考え方も変わった

教育や指導の場面でも変化がありました。

以前は、

「正しく伝えること」

を重視していました。

しかし今は、

「相手に伝わること」

を意識するようになりました。

正しいことを言っていても、

伝わらなければ意味がありません。

これはアンガーマネジメントから学んだ大切なことです。


医療安全とのつながり

病院では、

相談しやすい環境が重要です。

質問できる。

報告できる。

違和感を言える。

そのためには、

怒りをコントロールすることも大切です。

アンガーマネジメントは、

人間関係だけでなく、

医療安全にもつながる学びだと感じています。


現場で感じること

病院で働いていると、

知識や技術だけでは解決できない問題があります。

その多くは、

人と人との関わりです。

だからこそ、

感情を理解すること、

感情を扱うことは、

医療者にとって重要なスキルなのだと思います。


まとめ

アンガーマネジメントを学んで、

私は怒らなくなったわけではありません。

しかし、

怒りとの付き合い方は変わりました。

  • 怒りの背景を見る
  • 自分の価値観に気づく
  • 相手を理解しようとする
  • 感情に振り回されない

こうした考え方は、

日々の仕事や人間関係に役立っています。

病院薬剤師として私自身も、

これからも学び続けながら、

より良いコミュニケーションと医療安全につなげていきたいと思っています。

皆さんは、アンガーマネジメントを学んでみたいと思いますか?

あるいは、怒りとの付き合い方について、どんな工夫をされていますか?

2026年6月27日土曜日

アンガーマネジメントは医療安全につながるのか?|病院薬剤師の視点で考える感情とインシデント

 

はじめに

これまで、

アンガーマネジメントについて様々な視点から考えてきました。

  • 怒りの正体
  • べき思考
  • 6秒ルール
  • アンガーログ
  • 指導とハラスメント
  • 心理的安全性
  • 傾聴

などです。

では、

アンガーマネジメントは、

実際に医療安全につながるのでしょうか。

私は病院薬剤師として働く中で、

「感情の扱い方」と「医療安全」は深く関係している

と感じています。

今回は、

アンガーマネジメントと医療安全の関係について考えてみたいと思います。


この記事でわかること

この記事では、

・感情と医療安全の関係

・怒りがインシデントへ与える影響

・心理的安全性との関係

・病院薬剤師として意識したいこと

について考えていきます。


医療事故は知識不足だけで起こるわけではない

医療安全というと、

知識や技術の問題と思われがちです。

もちろんそれも重要です。

しかし実際には、

コミュニケーションエラーも大きな原因になります。

例えば、

  • 報告漏れ
  • 連絡不足
  • 確認不足
  • 思い込み

などです。

そして、

その背景に感情が関係していることがあります。


「怒られるから言えない」

医療現場では、

こんな経験があるかもしれません。

「聞いたら怒られそう」

「今さら報告しにくい」

「相談したら嫌な顔をされる」

すると、

人は発言を控えます。

しかし、

小さな違和感を共有できないことは、

医療安全上のリスクになります。


怒りがインシデントを生むこともある

例えば、

いつも怒っている上司がいる。

すると、

スタッフは相談を避けるようになります。

結果として、

  • 確認不足
  • 報告遅れ
  • 情報共有不足

が起こりやすくなります。

これは、

個人の問題ではなく、

組織の問題です。


心理的安全性が高い職場

一方で、

心理的安全性が高い職場では、

  • 質問できる
  • 報告できる
  • 違和感を言える
  • ミスを共有できる

という状態になります。

その結果、

事故の芽を早い段階で摘み取ることができます。


アンガーマネジメントが果たす役割

アンガーマネジメントは、

怒らないための技術ではありません。

怒りを適切に扱う技術です。

例えば、

  • 6秒待つ
  • 事実と感情を分ける
  • 相手を否定しない

こうした行動が、

職場の安心感につながります。


病院薬剤師として考えること

薬剤師は、

医師や看護師へ疑義照会を行います。

また、

処方提案や情報提供も行います。

そのため、

「言える環境」

が非常に重要です。

もし、

相談しにくい空気があると、

必要な情報共有が遅れる可能性があります。


インシデント報告との関係

インシデント報告も同じです。

報告件数が多い職場は、

必ずしも危険な職場ではありません。

むしろ、

報告できる文化がある職場かもしれません。

大切なのは、

報告された後の対応です。

責めるのではなく、

学びにつなげる。

その姿勢が重要です。


現場で感じること

病院で働いていると、

医療安全の本質は、

人と人とのコミュニケーションにあると感じます。

知識や技術はもちろん重要です。

しかし、

それだけでは十分ではありません。

安心して相談できる。

違和感を言える。

ミスを共有できる。

そんな職場文化が、

患者さんを守ることにつながるのだと思います。


まとめ

アンガーマネジメントは、

単なる感情コントロールではありません。

医療安全にも深く関係しています。

  • 怒りを適切に扱う
  • 心理的安全性を高める
  • 報告や相談を促進する
  • 学ぶ文化を作る

これらが結果として、

患者安全につながります。

病院薬剤師として私自身も、

アンガーマネジメントを人間関係のためだけでなく、

医療安全のためのスキルとして活用していきたいと思っています。

皆さんは、「感情」と「医療安全」の関係について、どのように考えていますか?

2026年6月26日金曜日

怒っている人にどう対応する?|病院薬剤師が考えるアンガーマネジメント実践術

 

はじめに

これまでの記事では、

自分自身の怒りとの付き合い方について考えてきました。

しかし現実には、

自分が怒る場面だけではありません。

むしろ、

  • 怒っている患者さん
  • 怒っている家族
  • 怒っている同僚
  • 怒っている上司

に対応しなければならない場面も少なくありません。

病院で働いていると、

クレーム対応やトラブル対応など、

相手の怒りに向き合う機会があります。

そんな時、

こちらも感情的になってしまうと、

状況はさらに悪化してしまいます。

今回は、

怒っている人への対応方法

について考えてみたいと思います。


この記事でわかること

この記事では、

・なぜ人は怒るのか

・怒っている人への基本対応

・医療現場での活用方法

・感情的にならないコツ

について考えていきます。


怒りの奥には別の感情がある

これまでの記事でも紹介したように、

怒りは第二次感情です。

怒りの奥には、

  • 不安
  • 悲しみ
  • 焦り
  • 心配
  • 恐れ

などがあります。

つまり、

怒っている人は、

実は困っている人かもしれません。


まずは「怒り」ではなく「気持ち」を見る

例えば、

患者さんが強い口調で話している時。

表面だけを見ると、

「怒っている人」

です。

しかし、

その背景には、

「病気への不安」

「待ち時間への不満」

「説明不足への戸惑い」

があるかもしれません。


最初にやるべきこと

怒っている人に対して、

最初から説明や反論をすると、

うまくいかないことがあります。

まず必要なのは、

受け止めること

です。


例えばこんな対応

NG例

「それは違います」

「でも規則です」

「こちらにも事情があります」


OK例

「そのように感じられたのですね」

「ご不快な思いをさせてしまい申し訳ありません」

「詳しく教えていただけますか」


まずは話を聞く。

これが重要です。


相手の感情を認める

ここで大切なのは、

要求を認めることではありません。

感情を認めることです。

例えば、

「お怒りになるのも無理はないと思います」

「ご心配だったのですね」

という言葉です。

感情が落ち着くと、

話し合いがしやすくなります。


正論はタイミングが重要

怒りのピークにいる人へ、

正しい説明をしても届きません。

なぜなら、

感情が優位だからです。

まずは感情。

説明はその後です。

これは患者対応でも、

職場の人間関係でも同じです。


自分も感情的にならない

怒りは伝染します。

相手が怒っていると、

こちらもイライラすることがあります。

そんな時は、

これまで学んできた

  • 6秒ルール
  • 深呼吸
  • 怒りの温度計

を思い出します。


医療現場で感じること

病院で働いていると、

強い口調の患者さんやご家族に出会うことがあります。

しかし、

話を最後まで聞いてみると、

怒りではなく、

不安や心配だったことも少なくありません。

だからこそ、

まずは聴くことが大切なのだと思います。


心理的安全性との関係

職場でも同じです。

怒っている人を否定すると、

さらに感情が高まります。

一方で、

話を聞いてもらえると、

気持ちが落ち着くことがあります。

これは心理的安全性にもつながります。


まとめ

怒っている人への対応で大切なのは、

怒りそのものではなく、

その奥にある感情を見ることです。

  • まず話を聞く
  • 感情を受け止める
  • 正論を急がない
  • 自分も感情的にならない

これらを意識することで、

対立を減らすことができます。

病院薬剤師として私自身も、

怒りに反応するのではなく、

相手の背景や気持ちに目を向けられるようになりたいと思っています。

皆さんは、怒っている相手に対応する時、どんなことを意識していますか?

2026年6月25日木曜日

なぜ「正しい人」ほど怒りやすいのか?|病院薬剤師が考える責任感とアンガーマネジメント

 

はじめに

皆さんは、

「真面目な人ほど怒りやすい」

という話を聞いたことはないでしょうか。

一見すると、

穏やかな人の方が怒らないように思えます。

しかし実際には、

責任感が強く、

真面目で、

頑張り屋の人ほど、

怒りを感じやすいことがあります。

病院で働いていると、

医師、看護師、薬剤師をはじめ、

責任感の強い人がたくさんいます。

そしてその責任感が、

時に怒りにつながることがあります。

今回は、

「正しい人ほど怒りやすい理由」

について考えてみたいと思います。


この記事でわかること

この記事では、

・真面目な人が怒りやすい理由

・責任感と怒りの関係

・医療現場で起こりやすい場面

・アンガーマネジメントの考え方

について考えていきます。


怒りの背景には「大切にしているもの」がある

アンガーマネジメントでは、

怒りは悪い感情ではないと考えます。

怒りの背景には、

その人が大切にしている価値観があります。

例えば、

  • 患者安全
  • 誠実さ
  • 約束
  • 責任感
  • 公平性

などです。

つまり、

怒りが強い人ほど、

何かを大切にしているとも言えます。


真面目な人ほど「べき」が多い

これまでの記事でも紹介したように、

怒りの背景には

「べき」

があります。

例えば、

  • 報告は早くするべき
  • 約束は守るべき
  • ミスは減らすべき
  • 患者さんを優先するべき

真面目な人ほど、

この「べき」が明確です。

そして、

その基準から外れる出来事に怒りを感じやすくなります。


医療現場でよくある場面

例えば、

患者さんに関する重要な報告が遅れた。

すると、

責任感の強い人ほど、

強く反応します。

それは、

相手を嫌っているからではありません。

むしろ、

患者さんを守りたいからです。


怒りの裏には期待がある

後輩に対して怒る時も同じです。

本当に関心がなければ、

怒ることすらありません。

怒りの裏には、

「成長してほしい」

「安全に働いてほしい」

「期待している」

という思いがあることがあります。


「正しさ」が強くなり過ぎると苦しくなる

ここで注意が必要です。

自分の正しさを強く持ち過ぎると、

周囲との衝突が増えます。

例えば、

「普通はこうする」

「当たり前でしょ」

「なんでできないの?」

という考えです。

すると、

自分自身も疲れてしまいます。


アンガーマネジメントの視点

アンガーマネジメントでは、

正しさを捨てる必要はありません。

大切なのは、

「自分の正しさは一つの価値観」

と理解することです。

相手には相手の背景があります。

価値観があります。

それを知ろうとする姿勢が重要です。


責任感は強みでもある

ここで忘れてはいけないのは、

責任感は素晴らしい強みだということです。

だからこそ、

患者安全が守られます。

だからこそ、

医療の質が保たれます。

問題は、

責任感ではなく、

怒りの扱い方です。


現場で感じること

病院で働いていると、

本当に怒りやすい人は、

実は真面目で責任感の強い人であることが多いと感じます。

患者さんを守りたい。

チームを良くしたい。

だからこそ怒る。

その気持ちはとても大切です。

しかし、

その思いをどう伝えるかによって、

相手との関係は大きく変わります。


まとめ

真面目な人ほど、

責任感の強い人ほど、

怒りを感じやすいことがあります。

それは、

患者安全や誠実さを大切にしているからです。

だからこそ、

怒りを否定する必要はありません。

大切なのは、

怒りに振り回されるのではなく、

上手に扱うことです。

病院薬剤師として私自身も、

責任感を大切にしながら、

相手の価値観にも目を向けられるようになりたいと思っています。

皆さんの怒りの背景には、どんな「大切にしているもの」がありますか?

2026年6月24日水曜日

「聴く力」が怒りを減らす|アンガーマネジメントと傾聴の関係

 

はじめに

皆さんは、

「ちゃんと話を聞いてほしい」

と思ったことはないでしょうか。

例えば、

  • 相談したのに否定された
  • 最後まで話を聞いてもらえなかった
  • 自分の気持ちを理解してもらえなかった

そんな経験があるかもしれません。

実は、

怒りの背景には

「分かってほしい」

という気持ちが隠れていることがあります。

アンガーマネジメントというと、

怒りをコントロールする技術というイメージがあります。

しかし、

怒りを減らすためには、

聴く力(傾聴)

も非常に重要です。

今回は、

アンガーマネジメントと傾聴の関係について考えてみたいと思います。


この記事でわかること

この記事では、

・なぜ人は怒るのか

・傾聴が怒りを和らげる理由

・医療現場で活かせる聴き方

・心理的安全性との関係

について考えていきます。


怒りの裏にある「分かってほしい」

これまでの記事で、

怒りは第二次感情であることを紹介しました。

怒りの下には、

  • 不安
  • 悲しみ
  • 焦り
  • 心配

などがあります。

そしてもう一つ、

多くの場合に存在するのが、

「分かってほしい」

という気持ちです。


人は理解されると落ち着く

例えば、

仕事で大きなミスをした時。

相手から、

「そんなことも分からないの?」

と言われるのと、

「大変だったね。まず状況を教えて」

と言われるのでは、

気持ちが大きく違います。

後者では、

安心感が生まれます。


傾聴とは何か

傾聴とは、

ただ黙って聞くことではありません。

相手に関心を持ち、

理解しようとする姿勢です。

例えば、

  • 相づちを打つ
  • 途中で遮らない
  • 相手の気持ちを確認する

などです。


医療現場でよくある場面

例えば、

後輩が相談に来た時。


聞いていない例

「それは前にも言ったよね」


傾聴している例

「そう感じたんだね」

「詳しく教えて」


同じ時間でも、

相手の安心感は大きく変わります。


患者対応でも同じ

患者さんからのクレームも、

実は

「話を聞いてほしい」

という思いが含まれていることがあります。

もちろん、

すべての問題が解決するわけではありません。

しかし、

しっかり話を聞いてもらえたことで、

怒りが和らぐケースもあります。


心理的安全性との関係

心理的安全性とは、

安心して発言できる状態です。

そして、

人は

「聞いてもらえる」

と感じた時に発言しやすくなります。

つまり、

傾聴は心理的安全性を高める重要な要素なのです。


「聴く」は「話す」より難しい

私たちは、

ついアドバイスしたくなります。

答えを教えたくなります。

しかし、

相手が本当に求めているのは、

解決策ではなく、

理解されることかもしれません。

だからこそ、

まず聴くことが大切です。


現場で感じること

病院で働いていると、

信頼されている人ほど、

話し上手というより

聴き上手

であることが多いと感じます。

相手の話を最後まで聞く。

否定せず受け止める。

その姿勢が、

相談しやすさにつながっています。


まとめ

アンガーマネジメントは、

怒りを抑える技術だけではありません。

怒りを生みにくくする関わり方も重要です。

その一つが、

傾聴です。

  • 相手の話を最後まで聞く
  • 気持ちを受け止める
  • 理解しようとする

こうした姿勢が、

怒りを和らげ、

心理的安全性を高めます。

病院薬剤師として私自身も、

伝える力だけでなく、

聴く力も磨いていきたいと思っています。

皆さんは最近、「しっかり話を聞いてもらえた」と感じた経験はありますか?

2026年6月23日火曜日

「まあ、いいか」が職場を救う|アンガーマネジメントで学ぶ“許す力”

 

はじめに

皆さんは、

日常の中で

「なんでこんなことをするのだろう」

と思うことはないでしょうか。

例えば、

  • 返事が遅い
  • 報告が少し遅れた
  • 書類の置き場所が違う
  • 約束の時間に数分遅れた

こうした出来事に、

ついイライラしてしまうことがあります。

もちろん、

医療安全上、譲れないこともあります。

しかし、

すべてに100点を求めていると、

私たちはとても疲れてしまいます。

今回は、

アンガーマネジメントで大切な考え方のひとつである

「許す力」

について考えてみたいと思います。


この記事でわかること

この記事では、

・なぜ人はイライラするのか

・許すことと甘やかすことの違い

・許容範囲を広げる考え方

・医療現場で活かせるアンガーマネジメント

について考えていきます。


イライラの正体は「期待」

私たちは、

相手に期待しています。

例えば、

  • 報告はすぐしてくれるはず
  • 時間は守るはず
  • 同じミスはしないはず

という期待です。

そして、

その期待が裏切られると怒りになります。


期待と現実のギャップ

例えば、

自分は10分前行動をするタイプ。

しかし、

相手は時間ちょうどに来るタイプ。

すると、

「遅い」

と感じるかもしれません。

でも相手は、

「時間通り」

と思っています。

つまり、

問題は出来事そのものではなく、

期待とのギャップなのです。


「許す」とは何か

ここで言う

許す

とは、

何でも受け入れることではありません。

また、

ルール違反を見逃すことでもありません。

アンガーマネジメントでいう許すとは、

「まあ、その程度なら大丈夫」

と考えられる範囲を広げることです。


医療安全で譲れないこと

もちろん、

病院では譲れないことがあります。

例えば、

  • 患者誤認
  • 投薬ミス
  • 重大な報告漏れ

などです。

こうしたことは、

厳しく対応しなければなりません。

しかし、

それ以外のすべてを同じ熱量で怒る必要はありません。


「重要」と「好み」を分ける

アンガーマネジメントでは、

この考え方が重要です。

例えば、

重要

患者安全

法令遵守

医療倫理


好み

資料の並べ方

ペンの置き方

話し方

仕事の進め方


実は、

私たちは好みの部分でも怒ってしまうことがあります。


「まあ、いいか」が持つ力

例えば、

「まあ、今回はいいか」

「人によって考え方は違うよね」

「そういうやり方もあるか」

こう考えられると、

怒りは大きく減ります。

そして、

自分自身も楽になります。


許容範囲が広い人は強い

誤解されやすいですが、

許容範囲が広い人は弱い人ではありません。

むしろ、

感情に振り回されない強さがあります。

小さなことに反応しない。

必要なことだけにエネルギーを使う。

これは大きな強みです。


現場で感じること

病院で働いていると、

仕事ができる人ほど、

「まあ、いいか」

を上手に使っている印象があります。

もちろん、

患者安全では妥協しません。

しかし、

人のクセや価値観には寛容です。

だからこそ、

周囲から相談され、

信頼されているのだと思います。


まとめ

怒りの多くは、

期待と現実のギャップから生まれます。

だからこそ、

  • 譲れないこと
  • そこまで重要ではないこと

を分けて考えることが大切です。

アンガーマネジメントは、

怒りをなくす技術ではありません。

必要なことにエネルギーを使うための技術です。

病院薬剤師として私自身も、

患者安全で譲れない部分は大切にしながら、

「まあ、いいか」と思える心の余裕も持ち続けたいと思っています。

皆さんは最近、「まあ、いいか」と思えた出来事はありましたか?

2026年6月22日月曜日

上手に怒ることはできるのか?|アンガーマネジメントとアサーティブコミュニケーション

 

はじめに

アンガーマネジメントについて学ぶと、

よく聞かれる質問があります。

「怒ってはいけないのですか?」

「注意したい時はどうすれば良いのですか?」

「部下を叱ることもダメなのですか?」

答えは、

もちろん違います。

アンガーマネジメントは、

怒らないための技術ではありません。

必要なことを、

相手に伝わる形で伝えるための技術です。

今回は、

アンガーマネジメントと深く関係する

アサーティブコミュニケーション

について考えてみたいと思います。


この記事でわかること

この記事では、

・アサーティブコミュニケーションとは何か

・怒りを上手に伝える方法

・攻撃的な伝え方との違い

・医療現場での活用方法

について考えていきます。


怒りを伝えることは悪いことではない

まず大切なことがあります。

怒りを感じることは自然です。

例えば、

  • 患者安全が脅かされた
  • 約束が守られなかった
  • ハラスメントがあった
  • 不適切な行動があった

そんな時、

何も言わない方が良いわけではありません。

むしろ、

伝えるべき場面もあります。

問題は、

どう伝えるか

です。


3つのコミュニケーションスタイル

コミュニケーションには、

大きく3つのタイプがあります。


① 攻撃的(アグレッシブ)

自分を優先し、

相手を傷つける伝え方です。

例えば、

  • 怒鳴る
  • 威圧する
  • 人格否定をする

などです。


② 受け身(ノンアサーティブ)

相手を優先しすぎて、

自分の気持ちを言えない状態です。

例えば、

本当は困っていても、

何も言えない。

我慢してしまう。

という状態です。


③ アサーティブ

自分も相手も大切にする伝え方です。

自分の意見を伝えながら、

相手の尊厳も守ります。


医療現場で考えてみる

例えば、

報告が遅れた場面。


攻撃的

「何回言ったら分かるの!」


受け身

何も言わない


アサーティブ

「患者安全にも関わるので、次回は早めに共有してもらえると助かります」


同じ内容でも、

受け取り方は大きく違います。


アサーティブな伝え方のポイント

① 事実を伝える

まずは事実。

例えば、

「報告が30分遅れていました」

です。


② 自分の気持ちを伝える

「少し心配になりました」

「患者さんへの影響が気になりました」

などです。


③ 期待を伝える

「次回は早めに相談してもらえると助かります」

と具体的に伝えます。


なぜアサーティブが重要なのか

医療現場では、

言わなければならないことがあります。

しかし、

攻撃的な伝え方は、

心理的安全性を下げます。

一方、

何も言わないと問題は改善しません。

だからこそ、

アサーティブな伝え方が必要なのです。


心理的安全性との関係

心理的安全性とは、

何でも好き勝手言える状態ではありません。

必要なことを、

安心して言える状態です。

そのためには、

受け取る側だけでなく、

伝える側の技術も重要です。

アサーティブコミュニケーションは、

心理的安全性を支える土台の一つと言えます。


現場で感じること

病院で働いていると、

本当に信頼されている人は、

言うべきことを言いながら、

相手を傷つけない人だと感じます。

厳しいことを言わない人ではありません。

必要なことを、

相手が受け取りやすい形で伝えられる人です。

それは、

管理職でも、

先輩でも、

後輩でも同じです。


まとめ

アンガーマネジメントは、

怒らないための技術ではありません。

怒りを上手に扱い、

必要なことを適切に伝える技術です。

そのために役立つのが、

アサーティブコミュニケーションです。

  • 攻撃しない
  • 我慢しすぎない
  • 自分も相手も大切にする

これがアサーティブの考え方です。

病院薬剤師として私自身も、

怒りを抑え込むのではなく、

相手に伝わる形で表現できるよう心掛けていきたいと思っています。

皆さんは、「言い過ぎるタイプ」ですか? それとも「我慢し過ぎるタイプ」ですか?

2026年6月21日日曜日

心理的安全性とアンガーマネジメントの関係|安心して意見を言える職場をつくるために

 

はじめに

これまで、

このブログでは

  • 心理的安全性
  • ハラスメント
  • 医療安全
  • アンガーマネジメント

について考えてきました。

一見すると、

心理的安全性とアンガーマネジメントは別のテーマに見えるかもしれません。

しかし実際には、

この二つは非常に深く関係しています。

病院薬剤師として働いていると、

「怒りの扱い方」

が職場の雰囲気を大きく左右していると感じることがあります。

今回は、

心理的安全性とアンガーマネジメントの関係

について考えてみたいと思います。


この記事でわかること

この記事では、

・心理的安全性とは何か

・アンガーマネジメントとの関係

・怒りが職場へ与える影響

・安心して意見を言える職場づくり

について考えていきます。


心理的安全性とは?

心理的安全性とは、

「この職場では安心して発言できる」

という感覚です。

例えば、

  • 分からないことを質問できる
  • ミスを報告できる
  • 違和感を共有できる
  • 意見を言える

こうした状態です。

医療現場では、

患者安全を守るためにも重要な考え方です。


なぜ発言できなくなるのか

人は、

否定される経験をすると発言を控えるようになります。

例えば、

質問した時に

「そんなことも分からないの?」

と言われた。


報告した時に

「何で今頃言うの?」

と怒られた。


すると、

次から言わなくなります。

これは自然な反応です。


怒りは心理的安全性を下げる

もちろん、

怒りそのものが悪いわけではありません。

しかし、

怒りを感情のままぶつけると、

周囲は萎縮します。

例えば、

  • 怒鳴る
  • 人前で叱責する
  • 嫌味を言う
  • 強い口調になる

こうした行動が続くと、

人は安心して発言できなくなります。


アンガーマネジメントが必要な理由

ここでアンガーマネジメントが重要になります。

アンガーマネジメントは、

怒らない技術ではありません。

怒りを上手に扱う技術です。

例えば、

怒りを感じた時に、

  • 6秒待つ
  • 深呼吸する
  • 事実と感情を分ける

ことで、

感情的な反応を減らすことができます。


管理職の影響は特に大きい

病院では、

管理職や先輩の言動が職場文化を作ります。

例えば、

主任や師長が感情的だと、

周囲は発言を控えるようになります。

一方で、

相談を歓迎する管理職の周りには、

自然と情報が集まります。

つまり、

アンガーマネジメントは、

個人の問題ではなく組織の問題でもあるのです。


医療安全との関係

心理的安全性が低いと、

人はミスを隠します。

相談しません。

質問もしません。

その結果、

インシデントや医療事故のリスクが高まります。

一方で、

心理的安全性が高い職場では、

小さな違和感が共有されます。

これが医療安全につながります。


心理的安全性を高める言葉

例えば、

こんな言葉があります。

「確認ありがとう」

「相談してくれて助かる」

「気づいてくれてありがとう」

こうした言葉は、

安心感を生みます。

そして、

次の相談につながります。


現場で感じること

病院で働いていると、

相談しやすい人の周りには、

自然と情報が集まると感じます。

逆に、

怒りっぽい人の周りでは、

必要な情報まで止まってしまうことがあります。

患者安全を守るためには、

知識や技術だけでなく、

安心して話せる関係性も必要です。

その土台になるのが、

心理的安全性とアンガーマネジメントなのだと思います。


まとめ

心理的安全性とアンガーマネジメントは、

別々のものではありません。

アンガーマネジメントによって、

感情的な反応を減らす。

すると、

心理的安全性が高まる。

その結果、

相談や報告が増え、

医療安全につながる。

この良い循環が生まれます。

病院薬剤師として私自身も、

怒りを上手に扱いながら、

安心して意見を言える職場づくりに貢献していきたいと思っています。

皆さんの職場では、安心して「それは違うと思います」と言える雰囲気がありますか?

2026年6月20日土曜日

怒りを我慢するとどうなる?|アンガーマネジメントは怒らない技術ではない

 

はじめに

皆さんは、

怒りを感じた時にどうしていますか?

  • 我慢する
  • 飲み込む
  • なかったことにする
  • とりあえず耐える

という人も多いのではないでしょうか。

特に医療従事者は、

患者さんや同僚との関係を考え、

感情を抑える場面が少なくありません。

しかし、

アンガーマネジメントを学ぶと、

怒りを我慢し続けることが必ずしも良いわけではない

ことが分かります。

今回は、

怒りを我慢するとどうなるのか

について考えてみたいと思います。


この記事でわかること

この記事では、

・怒りを我慢し続けるリスク

・アンガーマネジメントの本当の目的

・上手な怒りの伝え方

・医療現場で活かせる考え方

について考えていきます。


アンガーマネジメントは怒らない技術ではない

まず、

大切なことがあります。

アンガーマネジメントは、

怒らない技術ではありません。

怒りをなくすことも目的ではありません。

怒りは自然な感情です。

例えば、

  • 患者安全を守りたい
  • 約束を守ってほしい
  • チームを良くしたい

という思いから怒りが生まれることがあります。

怒りそのものは悪いものではありません。


我慢し続けると何が起こるのか

怒りを抑え込むと、

一見落ち着いているように見えます。

しかし、

感情は消えたわけではありません。

心の中に残っています。

そして、

少しずつ蓄積されていきます。


ある日突然爆発する

例えば、

普段は何も言わない人が、

ある日突然強く怒ることがあります。

周囲から見ると、

「そんなことで?」

と思うかもしれません。

しかし本人の中では、

過去の怒りが積み重なっています。

つまり、

今回の出来事だけではなく、

過去の不満も一緒に爆発しているのです。


不機嫌として表れることもある

怒りは、

必ずしも言葉で表現されるとは限りません。

例えば、

  • 無口になる
  • 表情が険しくなる
  • 冷たい態度になる
  • 返事が短くなる

などです。

本人は怒りを我慢しているつもりでも、

周囲には伝わっていることがあります。


心身への影響

怒りをため込み続けると、

心にも身体にも負担がかかります。

例えば、

  • ストレスが増える
  • 疲れやすくなる
  • 睡眠の質が下がる
  • 気持ちが落ち込む

ことがあります。

医療従事者は責任感が強い人が多いため、

知らないうちに抱え込んでしまうことがあります。


怒りは適切に表現することが大切

では、

どうすれば良いのでしょうか。

ポイントは、

我慢するか爆発するかの二択ではない

ということです。

アンガーマネジメントでは、

適切に伝えることを目指します。


例えばこんな違い

爆発型

「何回言ったら分かるの!」


我慢型

何も言わない


アサーティブ型

「この件は患者安全にも関わるので、次回から早めに相談してもらえると助かります」


この3つでは、

相手への伝わり方が大きく異なります。


医療現場で考えてみる

病院では、

多職種が関わります。

そのため、

不満や違和感を全く持たないことはありません。

しかし、

何も言わずに我慢し続けると、

コミュニケーションが減ります。

一方で、

感情的にぶつけると、

心理的安全性が下がります。

だからこそ、

冷静に伝える力が重要になります。


現場で感じること

病院で働いていると、

本当に優しい人ほど我慢していることがあります。

そして、

ある日突然疲れ切ってしまう。

そんな場面も見てきました。

アンガーマネジメントは、

怒りを抑え込む技術ではなく、

自分を守る技術でもあるのだと思います。


まとめ

怒りを我慢し続けることは、

必ずしも良いことではありません。

怒りは自然な感情です。

大切なのは、

  • 爆発しない
  • 抑え込みすぎない
  • 適切に伝える

ことです。

アンガーマネジメントは、

怒らないための技術ではなく、

怒りと上手に付き合うための技術です。

病院薬剤師として私自身も、

怒りを我慢し続けるのではなく、

適切に伝えながら、

より良い人間関係や職場づくりにつなげていきたいと思っています。

皆さんは、怒りを「我慢するタイプ」ですか? それとも「表に出すタイプ」ですか?

2026年6月19日金曜日

怒りタイプ診断|あなたはどのタイプ?アンガーマネジメントで知る自分のクセ

 

はじめに

皆さんは、

「なぜ自分はこんなことでイライラするのだろう」

と思ったことはないでしょうか。

実は、

怒りのポイントは人によって異なります。

例えば、

  • 時間に遅れることが許せない人
  • ルール違反に敏感な人
  • 無責任な言動に怒る人
  • 思いやりのない行動に怒る人

など様々です。

アンガーマネジメントでは、

怒りの背景にある価値観を知ることが重要とされています。

今回は、

自分の怒りのクセを知るために、

怒りタイプ

について考えてみたいと思います。


この記事でわかること

この記事では、

・怒りタイプとは何か

・自分の怒りの特徴

・タイプごとの注意点

・医療現場での活かし方

について考えていきます。


なぜ怒りタイプを知るのか

前回までの記事で、

怒りの背景には

「べき」

があることを紹介しました。

例えば、

  • 約束は守るべき
  • 時間は守るべき
  • 責任を持つべき

などです。

しかし、

何を重視するかは人によって異なります。

だからこそ、

自分の怒りの傾向を知ることが大切なのです。


タイプ① 完璧主義タイプ

特徴

  • ミスが気になる
  • ルールを重視する
  • 妥協が苦手

怒りポイント

  • 確認不足
  • 手順違反
  • 中途半端な仕事

強み

医療安全意識が高い


注意点

相手にも完璧を求めやすい


タイプ② 責任感タイプ

特徴

  • 任された仕事はやり遂げたい
  • 真面目
  • 信頼を大切にする

怒りポイント

  • 無責任な行動
  • 約束違反
  • 報告不足

強み

組織を支える力がある


注意点

一人で抱え込みやすい


タイプ③ 正義感タイプ

特徴

  • 公平性を重視する
  • 不正が嫌い
  • 曲がったことが嫌い

怒りポイント

  • 不公平な対応
  • えこひいき
  • ルール違反

強み

組織の健全性を守る


注意点

白黒思考になりやすい


タイプ④ 思いやりタイプ

特徴

  • 人間関係を大切にする
  • 相手の気持ちを考える

怒りポイント

  • 冷たい言動
  • 配慮不足
  • ハラスメント

強み

チームワークを高める


注意点

傷つきやすい


タイプ⑤ 自由重視タイプ

特徴

  • 柔軟性を大切にする
  • 自分らしさを重視する

怒りポイント

  • 過度な管理
  • 細かすぎる指示

強み

発想力がある


注意点

ルールを軽視しやすい


医療現場で考えてみる

例えば、

同じ「報告遅れ」でも、

怒る理由は違います。

責任感タイプ

「患者安全が心配」


完璧主義タイプ

「手順通りにできていない」


正義感タイプ

「ルール違反だ」


つまり、

同じ怒りでも背景が異なるのです。


タイプが違うと衝突が起こる

職場では、

様々な価値観の人が働いています。

だからこそ、

自分にとっての当たり前が、

相手にとっての当たり前ではないことがあります。

これを理解するだけで、

怒りは少し和らぎます。


現場で感じること

病院で働いていると、

同じ出来事に対する反応が人によって違うことがあります。

それは、

誰かが間違っているのではなく、

大切にしている価値観が違うからかもしれません。

アンガーマネジメントを学んでから、

私は

「なぜこの人は怒っているのだろう」

と考えるようになりました。

すると、

相手への理解が少し深まったように感じています。


まとめ

怒りには、

その人の価値観が表れます。

  • 完璧主義タイプ
  • 責任感タイプ
  • 正義感タイプ
  • 思いやりタイプ
  • 自由重視タイプ

どれが良い悪いではありません。

大切なのは、

自分の特徴を知ることです。

そして、

相手にも違う価値観があることを理解することです。

病院薬剤師として私自身も、

自分の怒りのクセを理解しながら、

より良いコミュニケーションにつなげていきたいと思っています。

皆さんは、どのタイプに近いと感じましたか?

2026年6月18日木曜日

管理職こそアンガーマネジメントが必要な理由|部下育成と心理的安全性

 

はじめに

皆さんは、

「管理職になると怒りっぽくなる」

と思ったことはないでしょうか。

実際、

主任、係長、師長、管理職など、

責任ある立場になるほど、

ストレスやプレッシャーは大きくなります。

  • 人材育成
  • 業務改善
  • 医療安全
  • クレーム対応
  • 組織運営

など、

考えなければならないことが増えるからです。

しかし、

そのストレスを感情として周囲へぶつけてしまうと、

職場の雰囲気や人材育成に大きな影響を与えることがあります。

今回は、

なぜ管理職こそアンガーマネジメントが必要なのか

について考えてみたいと思います。


この記事でわかること

この記事では、

・管理職が怒りやすくなる理由

・怒りが組織へ与える影響

・部下育成との関係

・心理的安全性との関係

について考えていきます。


管理職は怒る理由が増える

一般スタッフの頃は、

自分の業務が中心です。

しかし管理職になると、

自分以外のことにも責任を持つようになります。

例えば、

  • 部下のミス
  • 部署全体の業務
  • 人間関係の問題
  • 離職
  • 医療安全

などです。

すると、

「なぜできないんだ」

「何度言えば伝わるんだ」

と感じる場面も増えてきます。


怒りの背景には責任感がある

実は、

管理職の怒りの多くは、

責任感から生まれています。

例えば、

患者安全を守りたい

部下に成長してほしい

チームを良くしたい

同じミスを防ぎたい

こうした思いです。

つまり、

怒りの根本には、

組織や部下への期待があることが少なくありません。


しかし怒りの伝え方を間違えると逆効果

問題は、

その怒りをどう表現するかです。

例えば、

「何回言わせるの!」

「なんでできないの?」

「やる気あるの?」

こうした言葉は、

相手を萎縮させます。

すると、

部下は

  • 報告しない
  • 相談しない
  • 質問しない

ようになることがあります。


管理職の感情は組織全体へ影響する

前回の記事でも触れましたが、

怒りは伝染します。

特に、

管理職の感情は影響力が大きいです。

例えば、

朝から不機嫌な上司がいる。

すると、

職場全体が緊張します。

逆に、

落ち着いている上司がいる。

すると、

周囲も落ち着きます。

つまり、

管理職は組織の空気を作る存在なのです。


心理的安全性との関係

心理的安全性とは、

安心して発言できる環境のことです。

しかし、

上司が感情的だと、

人は発言しなくなります。

例えば、

  • ミスを隠す
  • 違和感を言わない
  • 質問を控える

ようになります。

これは医療安全上も大きなリスクです。

だからこそ、

管理職にはアンガーマネジメントが求められます。


管理職が実践したい3つのこと

① 6秒待つ

怒りを感じた時、

すぐ反応しない。

まず一呼吸置く。


② 事実と感情を分ける

例えば、

「報告が遅れた」

は事実です。

「やる気がない」

は解釈です。

事実に基づいて話すことが重要です。


③ 目的を忘れない

本当に伝えたいことは何か。

  • 患者安全
  • 成長支援
  • 業務改善

を意識する。

怒ることが目的ではありません。


良い管理職とは怒らない人ではない

ここは誤解されやすい部分です。

アンガーマネジメントは、

怒らないための技術ではありません。

必要なことは、

きちんと伝える。

注意するべきことは、

注意する。

その上で、

感情に振り回されないことが大切です。


現場で感じること

病院で働いていると、

「話しかけやすい管理職」

の周りには、

自然と相談が集まるように感じます。

逆に、

いつも怒っている管理職の周りでは、

情報が集まりにくくなります。

医療安全の観点からも、

相談しやすさは非常に重要です。

その土台になるのが、

管理職自身のアンガーマネジメントなのだと思います。


まとめ

管理職になると、

責任やプレッシャーが増えます。

その結果、

怒りを感じる場面も増えます。

しかし、

管理職の感情は、

職場全体へ大きな影響を与えます。

だからこそ、

  • 6秒待つ
  • 事実と感情を分ける
  • 目的を意識する

ことが大切です。

アンガーマネジメントは、

部下を甘やかすためのものではありません。

部下を育て、

組織を強くするための技術です。

病院薬剤師として私自身も、

周囲が安心して相談できる雰囲気を作れるよう、

感情との付き合い方を学び続けたいと思っています。

皆さんが考える「良い管理職」とは、どのような人でしょうか?

2026年6月17日水曜日

怒りが伝染する職場、伝染しない職場|アンガーマネジメントと組織文化

 

はじめに

皆さんは、

職場の雰囲気が良い日と悪い日を感じたことはないでしょうか。

例えば、

朝から誰かがイライラしていると、

なぜか職場全体がピリピリする。

逆に、

明るい挨拶や穏やかな会話があると、

職場全体が落ち着いている。

そんな経験はありませんか。

実は、

感情は人から人へ伝わります。

特に「怒り」は伝染しやすい感情と言われています。

今回は、

アンガーマネジメントの視点から、

怒りが伝染する職場と伝染しない職場の違い

について考えてみたいと思います。


この記事でわかること

この記事では、

・怒りが伝染する理由

・職場全体へ与える影響

・怒りが伝染しにくい組織の特徴

・病院薬剤師として意識したいこと

について考えていきます。


怒りは人に伝わる

怒りは、

自分だけの問題ではありません。

例えば、

主任が強く怒っている。

係長がピリピリする。

スタッフが萎縮する。

新人が相談しなくなる。

ということがあります。

つまり、

一人の怒りが、

職場全体へ波及することがあります。


医療現場は怒りが生まれやすい

病院は、

怒りが生まれやすい環境です。

例えば、

  • 人手不足
  • 業務過多
  • 緊急対応
  • クレーム対応
  • インシデント対応
  • 多職種連携

などです。

さらに、

患者さんの命に関わる責任もあります。

そのため、

怒りやストレスが生じること自体は自然なことです。


怒りが伝染する職場の特徴

① ミスを責める文化

ミスが起こるたびに、

誰が悪いかを追及する。

すると、

職場は緊張状態になります。


② 感情的な指導が多い

大きな声で叱責する。

人前で注意する。

嫌味を言う。

こうした行動は、

周囲にも影響します。


③ 不満ばかりが共有される

「忙しい」

「人が足りない」

「また○○か」

といった言葉ばかりになると、

組織全体の空気が重くなります。


④ 感謝が少ない

怒りは共有されるのに、

感謝は共有されない。

これも職場の雰囲気を悪くします。


怒りが伝染しにくい職場の特徴

では、

どのような職場なら良いのでしょうか。


① 感謝が多い

「ありがとう」

「助かった」

「確認してくれてありがとう」

こうした言葉が自然に出てくる。


② 問題より改善を考える

ミスが起きた時に、

責任追及ではなく、

再発防止を考える。


③ 相談しやすい

困った時に相談できる。

質問できる。

違和感を言える。

これは心理的安全性にもつながります。


④ 管理職が冷静

職場の空気は、

管理職やリーダーの影響を受けます。

だからこそ、

上に立つ人ほどアンガーマネジメントが重要になります。


組織文化はリーダーが作る

職場文化は、

自然にできるものではありません。

多くの場合、

リーダーの言動が文化になります。

例えば、

主任が感謝を伝える職場。

感謝が増える。


主任が怒鳴る職場。

怒鳴る文化が広がる。


良くも悪くも、

リーダーの影響は大きいのです。


病院薬剤師として感じること

病院で働いていると、

同じ忙しさでも、

雰囲気が良い部署と悪い部署があります。

その違いは、

業務量だけではありません。

「困った時に相談できるか」

「失敗を共有できるか」

「ありがとうが言えるか」

そうした文化の違いが大きいと感じます。


怒りの連鎖を止める方法

怒りを感じた時、

まず自分で止める。

それが最初の一歩です。

例えば、

  • 深呼吸する
  • 6秒待つ
  • 一度席を離れる
  • 怒りの点数を考える

これまでの記事で紹介した方法も有効です。

職場文化は、

一人ひとりの行動から作られます。


まとめ

怒りは伝染します。

そして、

職場の空気にも影響します。

だからこそ、

アンガーマネジメントは個人だけでなく、

組織全体に必要です。

  • 感謝を伝える
  • 冷静に対話する
  • 問題より改善を考える
  • 相談しやすい環境を作る

こうした積み重ねが、

心理的安全性の高い職場につながります。

病院薬剤師として私自身も、

怒りを広げる人ではなく、

安心感を広げる人でありたいと思っています。

皆さんの職場では、どんな感情が伝染していますか?

2026年6月16日火曜日

人前で叱るのはなぜ逆効果なのか?|心理的安全性とアンガーマネジメント

 

はじめに

皆さんは、

人前で叱られた経験はあるでしょうか。

  • 朝礼で注意された
  • 会議中に指摘された
  • 多くのスタッフの前で叱責された

内容そのものよりも、

「みんなの前で言われたこと」

の方が強く記憶に残っている人も多いかもしれません。

もちろん、

指導が必要な場面はあります。

しかし、

アンガーマネジメントや心理的安全性の視点から考えると、

人前で叱ることは期待した効果を生まないことが少なくありません。

今回は、

なぜ人前で叱ることが逆効果になりやすいのかについて考えてみたいと思います。


この記事でわかること

この記事では、

・人前で叱ることの問題点

・心理的安全性への影響

・指導効果が下がる理由

・医療現場で意識したい対応

について考えていきます。


人前で叱ると何が起こるのか

叱られた本人は、

内容よりも感情が先に動きます。

例えば、

  • 恥ずかしい
  • 情けない
  • 悔しい
  • 傷ついた

こうした感情が強くなります。

すると、

本来伝えたい内容よりも、

「人前で恥をかかされた」

という記憶が残りやすくなります。


人は防御モードに入る

人前で叱られると、

人は防御的になります。

例えば、

「自分は悪くない」

「でも○○だった」

「そんな言い方をしなくても」

と考えるようになります。

すると、

改善よりも自己防衛が優先されます。

結果として、

指導効果が下がってしまいます。


心理的安全性が低下する

人前で叱責される経験をすると、

人は次から発言を控えるようになります。

例えば、

  • 質問しなくなる
  • 報告しなくなる
  • 相談しなくなる
  • ミスを隠すようになる

これは医療安全上も大きなリスクです。

心理的安全性とは、

安心して発言できる環境です。

人前での叱責は、

その土台を崩してしまうことがあります。


周囲にも影響する

実は、

影響を受けるのは本人だけではありません。

周囲のスタッフも見ています。

例えば、

「あんなふうに言われるなら発言しない方がいい」

「相談するのが怖い」

と感じることがあります。

つまり、

一人への叱責が、

職場全体の空気を変えてしまうことがあります。


なぜ人前で叱ってしまうのか

では、

なぜ人前で叱ってしまうのでしょうか。

その背景には、

怒りや焦りがあります。

例えば、

  • 同じミスが続いた
  • 忙しかった
  • 安全上の問題があった

そうした状況では、

ついその場で言いたくなります。

しかし、

アンガーマネジメントでは、

感情のまま反応しないことが大切です。


指導は個別、称賛は公開が基本

よく言われる考え方に、

「褒める時はみんなの前で」

「叱る時は個別に」

があります。

個別に伝えることで、

相手の尊厳を守りながら指導できます。

また、

落ち着いて対話することもできます。


医療現場での具体例

例えば、

インシデントが発生した場合。

人前で叱る

「何でこんなミスをしたの!」

相手は萎縮する


個別に話す

「今回の経緯を一緒に振り返ろう」

改善につながる


同じ内容でも、

結果は大きく異なります。


本当に伝えたいことは何か

怒りを感じた時、

一度考えてみます。

「私は何を伝えたいのだろう」

多くの場合、

本当に伝えたいのは、

  • 患者安全を守りたい
  • 成長してほしい
  • 同じことを繰り返してほしくない

ということです。

その目的を達成するためには、

感情的な叱責よりも、

冷静な対話の方が効果的です。


現場で感じること

病院で働いていると、

人前で強く叱責されたことを長く覚えている人がいます。

一方で、

個別に丁寧に話してもらった経験を、

感謝とともに覚えている人もいます。

指導とは、

相手を追い詰めることではなく、

成長を支援することです。

そのためには、

相手の尊厳を守ることも大切なのだと思います。


まとめ

人前で叱ることは、

必ずしも指導効果を高めるわけではありません。

むしろ、

  • 防御的になる
  • 心理的安全性が下がる
  • 相談しにくくなる
  • 職場全体に影響する

といったリスクがあります。

大切なのは、

感情をぶつけることではなく、

成長につながる対話を行うことです。

病院薬剤師として私自身も、

相手の尊厳を大切にしながら、

より良い指導を心掛けていきたいと思っています。

皆さんは、「叱る」と「育てる」の違いについて、どのように考えていますか?

2026年6月15日月曜日

指導とハラスメントの違いとは?|アンガーマネジメントの視点で考える上手な叱り方

 

はじめに

医療現場では、

患者さんの安全を守るために、

時には厳しく指導しなければならない場面があります。

しかし近年、

「どこまでが指導で、どこからがハラスメントなのか分からない」

という声を聞くことがあります。

実際、

指導する側も、

「強く言い過ぎていないだろうか」

と悩むことがあります。

病院薬剤師として働いていると、

新人教育や後輩指導において、

この問題は避けて通れないと感じます。

今回は、

アンガーマネジメントの視点から、

指導とハラスメントの違い

について考えてみたいと思います。


この記事でわかること

この記事では、

・指導とハラスメントの違い

・なぜ感情的な指導が起こるのか

・上手な叱り方のポイント

・心理的安全性との関係

について考えていきます。


指導とハラスメントの違いとは?

まず大切なのは、

指導そのものは悪いことではないということです。

医療現場では、

患者安全を守るために、

間違いを指摘しなければならない場面があります。

問題なのは、

何を伝えるかではなく、どう伝えるか

です。


指導の目的は「成長支援」

指導の目的は、

相手を成長させることです。

例えば、

指導

「この確認が抜けると患者さんに影響する可能性があるので、次回からここを確認してみよう」

この言葉は、

行動改善に向いています。


ハラスメントの目的は?

一方、

感情に任せた言動は、

相手を萎縮させることがあります。

例えば、

ハラスメントにつながる例

「何年目なの?」

「向いてないんじゃない?」

「そんなことも分からないの?」

こうした言葉は、

問題行動ではなく、

人格へ向かっています。


「行動」を叱るのか、「人格」を否定するのか

ここが大きな違いです。

指導

「確認が漏れていた」

「報告が遅れていた」

「手順が違っていた」

行動に焦点


ハラスメント

「あなたはダメだ」

「向いていない」

「能力がない」

人格に焦点


医療安全のために必要なのは、

行動改善です。

人格否定ではありません。


なぜ感情的になってしまうのか

指導者も人間です。

  • 忙しい
  • 疲れている
  • 同じことが続く
  • 責任が重い

そんな状況では、

怒りが強くなりやすくなります。

しかし、

アンガーマネジメントでは、

怒りをそのまま相手へぶつけることは推奨されません。


アンガーマネジメントの視点

例えば、

後輩が同じミスを繰り返した時。

怒りの裏には、

「患者安全が心配」

「成長してほしい」

「期待している」

という感情があります。

本来伝えたいのは、

こちらです。


上手な叱り方① 事実を伝える

まずは事実。

「確認が漏れていました」

「報告が遅れていました」

感情ではなく事実を伝える。


上手な叱り方② 影響を伝える

「患者さんへ影響する可能性があります」

「チーム全体に影響します」

なぜ重要なのかを説明する。


上手な叱り方③ 次の行動を伝える

「次回はここを確認してみましょう」

「迷ったら相談してください」

改善策を共有する。


心理的安全性との関係

感情的な叱責が続くと、

人は相談しなくなります。

すると、

  • 質問しない
  • 報告しない
  • ミスを隠す

という状態になります。

これは、

医療安全上も大きなリスクです。

だからこそ、

心理的安全性が重要になります。


現場で感じること

病院で働いていると、

厳しく指導しなければならない場面はあります。

しかし、

本当に伝えたいのは、

「怒り」ではなく、

「患者さんを守りたい」

という思いであることが多いと感じます。

だからこそ、

感情ではなく、

目的を伝えることが大切なのだと思います。


まとめ

指導とハラスメントの違いは、

相手を成長させるための関わりなのか、

感情をぶつけるだけなのかにあります。

大切なのは、

  • 行動に焦点を当てる
  • 人格を否定しない
  • 事実を伝える
  • 改善策を共有する

ことです。

アンガーマネジメントは、

怒らないための技術ではありません。

怒りを上手に扱い、

相手の成長につなげるための技術です。

病院薬剤師として私自身も、

感情ではなく目的を伝えられる指導者でありたいと思っています。

皆さんは、「指導」と「ハラスメント」の境界について、どのように考えていますか?

2026年6月14日日曜日

怒りを書き出すと見えてくるもの|アンガーログのすすめ|病院薬剤師が考えるアンガーマネジメント

 

はじめに

皆さんは、

「最近イライラすることが増えたな」

と思うことはないでしょうか。

しかし、

何に怒っているのかを正確に説明しようとすると、

意外と難しいものです。

  • なぜイライラしたのか
  • 何が引き金だったのか
  • 本当は何を求めていたのか

を整理できていないことも少なくありません。

そこでアンガーマネジメントでは、

アンガーログ

という方法があります。

怒りを書き出して記録することで、

自分の怒りのパターンが見えてきます。

今回は、

医療現場でも活用できる

アンガーログ

について考えてみたいと思います。


この記事でわかること

この記事では、

・アンガーログとは何か

・怒りを記録する意味

・医療現場での活用方法

・自分の怒りのクセを知る方法

について考えていきます。


アンガーログとは?

アンガーログとは、

怒りを感じた出来事を記録する方法です。

難しいものではありません。

例えば、

  • いつ
  • どこで
  • 誰に
  • 何があった
  • 怒りは何点だったか

を書くだけです。


記録の例

例えば、

日時

6月15日 14時

出来事

依頼していた業務の報告がなかった

怒りの点数

7点

その時の気持ち

イライラした

本当の感情

心配だった

患者さんへの影響が不安だった


このように整理します。


書いてみると意外なことが分かる

実際に続けると、

あることに気づきます。

自分は報告が遅いと怒りやすい

約束を守らないことが苦手

時間にルーズな人に反応する

忙しい時ほど怒りやすい

などです。

つまり、

自分の「怒りのクセ」が見えてきます。


怒りの裏には価値観がある

前回の記事でも紹介したように、

怒りの背景には

「べき」

があります。

例えば、

  • 報告は早くするべき
  • 約束は守るべき
  • 時間は守るべき

などです。

アンガーログを書くことで、

自分が何を大切にしているのかも分かってきます。


医療現場で役立つ理由

病院では、

日々さまざまなストレスがあります。

  • 急な処方変更
  • 業務の集中
  • 多職種との調整
  • 患者対応
  • クレーム対応

その都度、

感情的に反応していると疲れてしまいます。

しかし、

アンガーログを書くことで、

客観的に振り返ることができます。


「怒るな」ではなく「知る」

アンガーマネジメントは、

怒りをなくすためのものではありません。

むしろ、

自分の怒りを理解することが目的です。

例えば、

「私は報告の遅れに敏感なんだな」

「忙しい時に怒りやすいな」

と分かるだけでも大きな進歩です。


続けるコツ

完璧に書く必要はありません。

スマートフォンのメモでも十分です。

おすすめは、

怒りを感じたその日に、

1〜2分だけ振り返ることです。

続けるうちに、

自分の傾向が見えてきます。


現場で感じること

病院で働いていると、

怒りは突然生まれているように見えます。

しかし振り返ると、

実は同じような場面で繰り返し怒っていることがあります。

私自身も、

アンガーマネジメントを学ぶ中で、

怒りの背景には自分の価値観や期待があることに気づきました。

アンガーログは、

自分自身を知るためのツールなのだと思います。


まとめ

アンガーログは、

怒りを記録し、

自分の感情を理解する方法です。

  • 怒りを書き出す
  • 点数化する
  • 本当の感情を考える
  • 怒りのパターンを知る

これを続けることで、

怒りに振り回されにくくなります。

アンガーマネジメントは、

怒りを抑え込む技術ではありません。

自分自身を理解し、

怒りとうまく付き合うための技術です。

病院薬剤師として私自身も、

怒りを記録しながら、

より良いコミュニケーションにつなげていきたいと思っています。

皆さんは最近、どんなことで怒りを感じましたか?

その怒りを書き出してみると、どんな発見があるでしょうか。