ラベル 胃薬 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 胃薬 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2018年5月10日木曜日

■ネキシウムの作用と特性は!?

ネキシウム(エソメプラゾール)は、ラセミ体であるオメプラゾールの一方の光学異性体(S体)を含有するプロトンポンプ阻害薬(PPI)で、胃の壁細胞に存在するプロトンポンプH+, K+-ATPase を阻害し、胃酸の分泌を抑制します。
ネキシウムは薬物動態及び薬力学作用の個体間変動が小さく、優れた酸分泌抑制効果を発揮します。

ネキシウムの特性は以下の通りです。
●優れた酸分泌抑制効果
●成人に対する速やかな症状持続消失効果(逆流性食道炎)
●成人に対する優れた内視鏡的治癒効果(逆流性食道炎) 
●幼児及び小児に対する上部消化器症状持続消失効果
●副作用 
【成人】
-逆流性食道炎、非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制
総症例数756例中87例(11.5%)の副作用が報告されている。主な副作用は、下痢7例(0.93%)、CK(CPK)上昇7例(0.93%)、肝機能異常5例(0.66%)、ALT(GPT)上昇4例(0.53%)等であった。(カプセル剤の承認時)

-胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、非びらん性胃食道逆流症、Zollinger-Ellison症候群ならびに胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病、早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎におけるヘリコバクター・ピロリの除菌の補助
国内において臨床試験等の副作用発現頻度が明確となる試験を実施していない。(カプセル剤の承認時)

-低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制
アジア共同第Ⅲ相比較試験(日本人患者を含む)で総症例数214例中31例(14.5%)の副作用が報告されている。主な副作用は、下痢2例(0.9%)、びらん性胃炎2例(0.9%)、腹部膨満2例(0.9%)、胃ポリープ2例(0.9%)、貧血2例(0.9%)等であった。(カプセル剤の効能・効果追加承認時)

【幼児及び小児】
-胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎、非びらん性胃食道逆流症、Zollinger-Ellison症候群 国内で実施された臨床試験で総症例数50例中2例(4.0%)の副作用が報告されている。その内訳は、下痢及び腹痛、光線過敏性反応各1例(2.0%)であった。(小児に対する用法・用量追加承認時)

【重大な副作用(共通)】
-重大な副作用として、ショック、アナフィラキシー、汎血球減少症、無顆粒球症、血小板減少、劇症肝炎、肝機能障害、黄疸、肝不全、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、間質性肺炎、間質性腎炎、横紋筋融解症、低ナトリウム血症、錯乱状態が報告されている。また、類薬(オメプラゾール)の重大な副作用として、溶血性貧血、視力障害、急性腎障害が報告されている。(2018年1月現在)


引用資料:
・ネキシウムカプセル10mg20mgインタビューフォーム Ⅰ.概要に関する項目 2. 製品の治療学的・製剤学的特性
・ネキシウム懸濁用顆粒分包10mg20mgインタビューフォーム Ⅰ.概要に関する項目 2. 製品の治療学的・製剤学的特性
参考:第一三共医薬品情報提供


≪相互リンク≫
薬剤師の話
病院薬剤師日記
旧病院薬剤師日記
薬剤師の話:facebookページ

2015年7月25日土曜日

■ピロリ菌における尿素呼気試験で偽陰性を生じる可能性のある薬剤

ピロリ菌のウレアーゼ活性に影響を与える薬剤を服用していると、ピロリ菌が残っているにも関わらず、除菌されてしまったような『偽陰性』の判定が出る可能性がある。

▽偽陰性を生じる可能性がある薬剤
以下のような薬剤服用中または服用中止直後では、偽陰性になる可能性があるため注意すること。下記薬剤服用中止後2週以降(できれば4週以降)の時点で呼気試験を実施するのが望ましい。
・プロトンポンプ阻害薬:PPI
オメプラール(オメプラゾール)、タケプロン(ランソプラゾール)、パリエット(ラベプラゾール)、ネキシウム(エソメプラゾール)
・抗生物質全般
・胃粘膜保護剤
アルサルミン(スクラルファート)、ガストローム
・ビスマス製剤
次硝酸ビスマス

▽偽陰性を生じない胃粘膜保護剤
ムコスタ、セルベックス、アルロイドG

▽偽陰性を生じるかは不明だが、生じたという報告がない胃粘膜保護剤
マーズレン、ケルナック

▽除菌後に頻用されるHブロッカーに関しては、データはないが、偽陰性を生じることがないとも言えないとのこと(メーカーより)。上記の胃粘膜保護剤に関しても調査されていないため、データなし。




≪関連記事≫
■ランサップ400とランサップ800の使い分けは!?
■アルロイドGを服用した後、水などをすぐに飲んでもいいのか!?
■PPI(プロトンポンプ阻害薬)vsH2ブロッカー(H2受容体拮抗薬) 比較
■胃薬っていっぱいあるけど、何が違うの!?
■胃全摘患者にビスフォスホネート製剤って投与可能なの!?

2015年5月24日日曜日

2013年11月13日水曜日

■プロトンポンプ阻害薬(PPI)比較

■PPI比較
すべて腸溶性製剤である。タケプロンのみ経管投与できる。嚥下困難な患者、経管投与の症例においてタケプロンが有用である。パリエットは薬物相互作用が少ない。

▼酸分泌抑制効果
オメプラール<タケプロン<パリエット

▼薬物相互作用
オメプラール、タケプロンは、CYP2C19・CYP3A4により代謝されるが、パリエットは非酵素的に代謝される。
代謝がCYP2C19に依存度:オメプラール>タケプロン>パリエット
パリエットは、オメプラール・タケプロンに比べ、薬物相互作用は少ない。


にほんブログ村:薬・薬剤師ブログ

2013年11月12日火曜日

■H2受容体拮抗薬(H2ブロッカー)比較

■H2ブロッカー比較
タガメットは世界初のH2ブロッカーである。

▼相互作用
タガメットは、CYP阻害作用を有し、多くの薬剤との相互作用あり。ザンタックは一部のCYPに対し弱い阻害作用あり。ガスター・アシノンは、代謝にCYPの関与なし。

▼ストガー・プロテカジンは、肝代謝型の薬剤であり、防御因子増強作用も兼ね備えている。

▼H2受容体拮抗作用
タガメット<アシノン<ガスター≦ストガー・プロテカジン

2013年11月11日月曜日

■PPI(プロトンポンプ阻害薬)vsH2ブロッカー(H2受容体拮抗薬) 比較

■PPI(プロトンポンプ阻害薬)vsH2ブロッカー(H2受容体拮抗薬)

≪作用発現≫
PPI<H2ブロッカー
PPI(6時間~)、H2ブロッカー(2~3時間)

≪作用持続性≫
PPI>H2ブロッカー
PPI(24時間以上)、H2ブロッカー(数時間)

≪作用時間帯≫
PPI⇒日中に作用が強い
2ブロッカー⇒夜間に作用が強い

≪代謝・排泄≫
PPI⇒肝代謝
2ブロッカー⇒腎排泄(ストガー・プロテカジンは、肝代謝型の薬剤)

≪消化性潰瘍治療選択≫
PPI⇒主に初期治療として使用。胃潰瘍治療第1選択薬。
2ブロッカー⇒主に維持療法として使用。維持療法第1選択薬。

≪薬代≫
PPI>H2ブロッカー




≪関連記事≫
■ランサップ400とランサップ800の使い分けは!?
■アルロイドGを服用した後、水などをすぐに飲んでもいいのか!?
■PPI(プロトンポンプ阻害薬)vsH2ブロッカー(H2受容体拮抗薬) 比較
■胃薬っていっぱいあるけど、何が違うの!?
■胃全摘患者にビスフォスホネート製剤って投与可能なの!?

2013年11月10日日曜日

■胃薬っていっぱいあるけど、何が違うの!?

≪胃薬について≫
▼攻撃因子抑制薬
・プロトンポンプ阻害薬(PPI)⇒最も強力な酸分泌抑制作用を有する。
オメプラール、オメプラゾン、タケプロン、パリエット、ネキシウム

・H2受容体拮抗薬(2ブロッカー)
タガメット、ザンタック、ガスター、アシノン、プロテカジン、ストガー

・選択的M受容体拮抗薬
ガストロピゼン⇒酸分泌抑制作用は、H2ブロッカーと同等。

・抗ガストリン薬⇒酸分泌抑制作用弱い。
プロミド

・抗コリン薬⇒酸分泌抑制作用弱い。主に鎮痙薬として使用される。
ブスコパン、コランチル

・酸中和薬⇒速効性あるが、作用持続時間が短い。
マーロックス、酸化マグネシウム

※酸分泌抑制効果
PPI>H2ブロッカー≒選択的ムスカリン受容体拮抗薬>その他の酸分泌抑制薬

▼防御因子増強薬
・潰瘍病巣保護薬⇒アルサルミンは単独投与でH2ブロッカーと同等の潰瘍治癒効果が認められている。
アルサルミン(スクラルファート)、プロマック

・組織修復促進薬
イサロン、ゲファニール、ガストローム

・粘液産生、分泌促進薬
セルベックス、ムコスタ

・プロスタグランジン製剤(PG製剤)⇒NSAIDs起因による潰瘍の予防や治癒促進に効果的。
サイトテック

・胃粘膜微小循環改善薬
ノイエル、ドグマチール、ミラドール

※胃潰瘍治癒効果
酸分泌抑制薬>防御因子増強薬(一部除く)
2ブロッカー≒スクラルファート・プロスタグランジン製剤




≪関連記事≫
■ランサップ400とランサップ800の使い分けは!?
■アルロイドGを服用した後、水などをすぐに飲んでもいいのか!?
■PPI(プロトンポンプ阻害薬)vsH2ブロッカー(H2受容体拮抗薬) 比較
■胃薬っていっぱいあるけど、何が違うの!?
■胃全摘患者にビスフォスホネート製剤って投与可能なの!?