主な原因は、細胞崩壊によるK流出、腎臓のK排出障害などがある。さらに救急の現場では、クラッシュ症候群あるいは下肢の虚血再灌流による急性高カリウム血症があげられ、いずれも致死的で迅速な判断と対応が必要となる。
高カリウム血症に伴う症状として、もっとも緊急度の高いものは、循環系への影響である。血清K値の上昇に伴い心電図に変化が現れるため、重症度のよい指標となる。心電図変化としては、尖鋭性T波(テント状T波)、P波の平坦化、PR間隔延長(Ⅰ度房室ブロック)、QRS幅拡大、深いS波とSTの合併、固有心室調律、サインカーブ様波形、VF、心静止などがある。テント状T波は、初期の心電図変化としてもっとも捉えやすく、気づかれた段階で早急に血清K値を検査して治療すべきである。
≪軽症:〜6mEq/L≫
・ケイキサレート15〜30gを経口投与(約150〜300mlの水に懸濁)、あるいは腸注投与(約100mlの水または2%メチルセルロース溶液に懸濁)する。症状により適宜増減する。・フロセミド1mg/kgを緩徐に静脈内投与。
≪中等症:6〜7mEq/L≫
・50%ブドウ糖液50mlにレギュラーインスリン10単位を混合し、15〜30分で静脈内投与。
・軽症と同様の治療
・炭酸水素ナトリウム50mEq/Lを5分で静脈内投与(腎不全以外)。
・血液透析(腎不全)
≪重症:7mEq/L以上で心電図以上あり≫
・2%塩化カルシウム25〜50ml(あるいは0.5mol塩化カルシウム7〜14ml、もしくは8.5%グルコン酸カルシウム17〜35ml)を2〜5分で静脈内投与。・中等症と同様の治療。
≪心停止⇒通常のBSLとASLを実施≫
・2%塩化カルシウム50mlもしくは0.5mol塩化カルシウム14mlを急速静脈内投与。・炭酸水素ナトリウム50mEqを急速静脈内投与(重症アシドーシスまたは腎不全)。
・50%ブドウ糖液50mlにレギュラーインスリン10単位を混合し、急速静脈内投与。
・血液透析(薬物治療無効時)
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