2026年7月2日木曜日

内発的動機づけとは?「やらされ感」をなくす医療コミュニケーション【コーチングシリーズ③】

 「どうすれば患者さんやスタッフが自分から動くようになるのか?」——これは多くの医療従事者が悩む問いです。答えの鍵は「内発的動機づけ」にあります。


やる気には2種類ある

外発的動機づけ(External Motivation)

金銭・報酬・評価・罰則など、外部からの刺激によって行動が引き出される状態です。

「ボーナスが上がるから頑張る」「怒られるから薬を飲む」——これが外発的動機づけです。

外発的動機づけには限界があります。報酬がなくなると行動もなくなる。罰則がなくなれば元に戻る。

内発的動機づけ(Internal Motivation)

興味・関心・向上心・達成感など、内面から湧き上がる力によって行動が引き出される状態です。

「健康でいたいから薬を飲む」「患者さんの役に立ちたいから勉強する」——これが内発的動機づけです。

内発的動機づけから生まれた行動は継続しやすく、質が高く、満足度も高いのが特徴です。


のび太くんのお母さんの事例

アニメ「ドラえもん」の有名なシーンを例に考えましょう。

外発的アプローチ(命令型)

お母さん:「のび太、勉強しなさい!」
のび太:「は、はい。」(やる気:小)

内発的アプローチ(コーチング型)

お母さん:「のび太は、将来どんな仕事がしたいの?」
のび太:「将来は、薬剤師になりたいの。」
お母さん:「どうしたら薬剤師になれるんだろう?」
のび太:「薬学部に行かなきゃなれないね。」
お母さん:「薬学部って、何を勉強したら入れるの?」
のび太:「数学と化学と英語だよ!」
お母さん:「薬学部に入るために、これからどのようなことができると思うの!?」
のび太:「あっ、勉強しなきゃ!」(やる気:大)

同じ「勉強する」という結果でも、自分で考えて決めた時の方がやる気が全く違うのです。


アンダーマイニング効果に注意

「褒美で釣ればいい」と思いがちですが、注意が必要です。

アンダーマイニング効果とは、達成感や満足感を得るために行っていた行動に報酬が加わることで、「報酬を受けること」そのものが目的になり、本来の内的な動機が失われてしまう心理現象です。

「患者さんが検査値を改善させたらお菓子をあげる」——これを続けると、お菓子がもらえなくなった途端にモチベーションが下がります。

ただし、ほめ言葉は例外です。言語的な称賛は内発的動機づけを高める効果があります(後述の「承認スキル」で詳しく解説します)。


内発的動機づけの本質:自律性と有能感

内発的動機づけを高めるためのカギは2つです。

① 自律性(Autonomy):「楽しいからやろう」という自己決定感

自分が主体的に選んでいるという感覚が、やる気の根本になります。

患者さんに「飲み忘れないようにどんな工夫ができそうですか?」と聞くと、患者さん自身が考えた解決策が生まれます。「薬を財布に入れておく」「スマホのアラームを設定する」——これらは患者さん自身のアイデアなので、実行率が全く違います。

② 有能感(Competence):「進んだ・ほめられた・ぼくもできる」という感覚

小さな成功体験と、それを認めてもらう承認が重要です。「先月よりHbA1cが0.3%改善しましたね!」という一言が、次の行動へのエネルギーになります。


医療での実践:「やらされ感」をなくす質問

外発的アプローチ(やらされ感あり): 「食事制限してください」「毎日運動してください」「必ず薬を飲んでください」

内発的アプローチ(自己決定感あり): 「血糖値を良くするために、何か一つしてみるとしたらどんなことができそうですか?」 「無理なくできそうなことから始めるとしたら、何が挑戦しやすいですか?」

自分で考えて、自分で選んだ目標——これが継続する力の源になります。


まとめ

  • 内発的動機づけ:内から湧き出るやる気。継続しやすく、質が高い
  • 外発的動機づけ:外からの刺激によるやる気。報酬がなくなると消える
  • アンダーマイニング効果:報酬が内発的動機を壊すことがある(ほめ言葉は例外)
  • 自律性と有能感を高めることが内発的動機づけのカギ
  • 「自分で決めた感」を生む質問が、患者さんのアドヒアランスを変える

次回は「心理的安全性とは何か——Google社が発見した最強チームのカギ」を解説します。


「コーチングを活用した患者・スタッフとの信頼関係の作り方」研修を病院・薬局向けに承っています。 

E-mail:toshiki.taura@gmail.com

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コーチング・ティーチング・カウンセリングの違い② 

病院薬剤師の仕事ブログ(hosphar)

2026年7月1日水曜日

コーチング・ティーチング・カウンセリングの違い【医療従事者向け解説】【コーチングシリーズ②】

 「コーチングって結局カウンセリングと何が違うの?」という質問をよく受けます。この3つは似ているようで、使いどころが全く異なります。使い分けを知ることで、患者さんへの関わり方が劇的に変わります。


3つのアプローチの根本的な違い

ティーチング(Teaching)

「私が持っている答えを、相手に伝える」

指示・命令・指導によって知識や技術を教えます。問題解決に迅速につながりますが、相手は受動的になり「指示待ち」になりやすい側面があります。

医療での例:「この薬は朝食後に1錠飲んでください」「HbA1cを7.0未満にしましょう」

コーチング(Coaching)

「相手が持っている答えを、質問によって引き出す」

こちらが思ってもみなかった答えを引き出せる可能性があり、相手も主体的に考えることで自主性が芽生えます。

医療での例:「血糖値を良くするために、あなたが一番取り組みやすいことは何だと思いますか?」

カウンセリング(Counseling)

「相手のマイナスの心の状態を、0付近まで引き上げる」

不安や悲しみなど、心の状態がマイナスの状態にある人に対して、その感情を受け止め、心理的な安定を取り戻すための支援をします。

医療での例:「糖尿病になって、何か不安なことはありませんか?」


医療での具体的な使い分け

糖尿病患者さんに「コーチング」か「カウンセリング」か

新たに糖尿病と診断された患者さんを想像してください。

「インスリンを打たないといけないと言われた」「ネットで調べたら一生打ち続けないといけないかも」「足が切断になることもある」「目が悪くなる」「腎臓も悪くなる」——そんな不安を抱えた状態で来た患者さんに、いきなり「血糖値を良くするために何ができますか?」とコーチングをしても響きません。

× 「糖尿病治療にあなたは何ができますか?」→ コーチング(この段階では不適切) ○ 「糖尿病になって、何か不安なことはありませんか?」→ カウンセリング(まずこちらから)

まずはカウンセリングで不安を取り除き、心の状態を±0付近まで引き上げてから、治療に前向きになるようにコーチングで促していく——この順番が大切です。


コーチングとティーチングは組み合わせると効果的

医療では特に、コーチングとティーチングを組み合わせることが重要です。

患者さんからいくら引き出そうとしても、患者さんに医療に関する知識がなければ引き出せません。

まずティーチングで医療知識を教え、目的地に連れて行ってあげる。そしてコーチングで信頼バロメーターを上げながら、患者さん自身の言葉で目標を語ってもらう。

コーチング(信頼構築)→ ティーチング(知識提供)→ コーチング(行動引き出し)

このサイクルが機能することで、患者さんのアドヒアランスが大きく改善します。


「コーチングはみんなに必要?」という誤解

コーチングは万能ではありません。必要とする人に、必要なタイミングで提供することが大切です。

例えば、定期的に薬をもらうだけで急いでいる患者さんに「血糖値を良くするために何かしていることがありますか?」と突然聞いたら、怒られることもあります(笑)。

患者さんの状態・ニーズ・タイミングに合わせて、ティーチング・コーチング・カウンセリングを使い分ける——これが真のコミュニケーション力です。


緊急度・重要度との関係

コーチングとティーチングの使い分けは、緊急度と重要度にも関係します。

  • 緊急度が高い場面(副作用発現・緊急の処置など)→ ティーチング(即座に正しい情報を伝える)
  • 重要度が高く、継続的な行動変容が必要な場面(生活習慣・慢性疾患管理)→ コーチング
  • 心理的サポートが必要な場面(診断直後・治療への抵抗感)→ カウンセリング

山本五十六の名言に学ぶ

連合艦隊司令長官・山本五十六の名言は、コーチング・ティーチング・エンパワーメントの本質を表しています。

「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ。」 → ティーチング(指示・命令)

「話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。」 → コーチング(支持・支援)

「やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。」 → エンパワーメント(権限移譲)

人を動かし、育て、実らせる——この3段階の成長を、コーチング・ティーチング・エンパワーメントが支えているのです。


まとめ

  • ティーチング:「私の答えを相手に伝える」→ 知識提供・指示命令に有効
  • コーチング:「相手の答えを引き出す」→ 行動変容・自主性促進に有効
  • カウンセリング:「マイナスの心を±0に引き上げる」→ 心理的支援に有効
  • 診断直後などマイナス状態の患者さんには、まずカウンセリングから
  • コーチングとティーチングを組み合わせることで効果が最大化する

次回は「自己決定理論と内発的動機づけ——なぜ人は自分で決めた時に動くのか」を解説します。


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コーチングとは何か① 

病院薬剤師の仕事ブログ(hosphar)

2026年6月30日火曜日

コーチングとは何か?医療従事者が知っておくべき基本【コーチングシリーズ①】

 アンガーマネジメントシリーズに続いて、今回から「コーチングシリーズ」をお届けします。

「コーチングって怪しくない?」「スポーツや企業の話でしょ?」——そう思っている医療従事者の方もいるかもしれません。でも実は、コーチングは患者さんとの服薬指導や、スタッフとのコミュニケーションに今すぐ使える、非常に実践的なスキルです。


コーチングとは

コーチングとは、知識やスキルを一方的に教えるのではなく、相手の中にある「やる気・能力・アイディア・可能性・行動力」を引き出し、自分で考え行動する「自発性」を促すコミュニケーションスキルです。

相手が目指すゴール(目標達成)に向けてサポートするのがコーチの役割です。

コーチは「クライアントには無限の可能性があり、夢や目標達成に必要なものはすべて持っている」ということを100%信じて、相手の話を最後まで否定せずにとことん聴きます。


なぜ医療でコーチングが必要なのか

こんな患者さん、いませんか?

  • 「血圧が高いのに認めない」「病院でマスクを着けてくれない」
  • 「タバコやめるぐらいやったら、死んだ方がマシや」
  • 「一生懸命に説明しても、薬をきちんと飲んでくれない」

このような状況に医療従事者が陥りがちな対応があります。

医療従事者:「血糖値を良くするためには、
      食事はバランスよく!
      毎日運動してね!
      タバコはやめて!
      薬はきちんと飲んで!」

患者さん:(何も言わず、小さくなる…話聞いてくれよ)

知識を一方的に与える指示命令型の一方通行コミュニケーションでは、うまくいかないケースがあるのです。


双方向コミュニケーションの力

コーチングが提案するのは「双方向のコミュニケーション」です。

「行動を変えないのには、変えない理由がある」 「答えは相手の中にある」 「相手の中にある答えを引き出してあげる」

この発想に基づいて、患者さん自身に考えてもらいます。

例えば:

医療従事者:「血糖値を良くするために、
      これから気をつけていきたいと
      思っていることは何ですか?」

患者さん:「うーん、やっぱりまずは食べる量に
     気をつけないといけないんだよね。
     でも、なかなか上手くいかないんだよ。」

患者さん自身が言葉にした目標は、医療者から言われた目標よりはるかに行動に結びつきやすいのです。


自己決定感がやる気を変える

なぜ自分で決めたことの方が行動に結びつくのでしょうか。

それは「自己決定感」の力です。

何かを自分で選んだり、自分で決めたりすること——この自己決定できるかどうかは、やる気に深く関わっています。「自己決定感・自分で決めた感」が強いと内発的動機づけが高まり、自信が付くことが論文でも報告されています(『幸福感と自己決定―日本における実証研究』参照)。

指示され「やらされること」では、やる気はいまいち出ません。

自分で決めたことの方が、やる気が出る。だから成果も出やすく、仮に結果に繋がらなかったとしても自分で決めたことなので納得でき、それが「満足度・幸福度」に繋がります。


コーチングの3原則

コーチングには3つの原則があります。

① 双方向性 上から下にならないように、同じ立場で会話できる関係を作る。患者さんの話をしっかり聞き、受け取ったことを伝えたり、質問したりすることで双方向の関わりを持つ。

② 継続性 患者さんが行動を起こす・変わるまで継続的に関わる。ズレがある場合は軌道修正する。

③ 個別対応 その人に合わせたコミュニケーションを行うことで、スピードを高め、結果を出しやすくする。


コーチングの第一歩はスキルではなく「心の状態」

コーチングを学び始める時、多くの人がスキルを知りたがります。でも実は、**一番のベースになるのはコーチングをする「あなた自身のいい状態」**です。

元気のない医療者だったら、患者さんはがっかりします。

まずは自分が元気であること。これが土台です。

知識やスキルがどれだけあっても、あなたの状態がよくなかったら、相手の状態もつかめないし、何をしたらいいかも思いつかず、よい結果には結びつきません。

「患者さんを良くしてあげたい」という気持ち——この**Mind(心の状態)**が土台にあってこそ、Contents(内容)とDelivery(伝え方)が活きてくるのです。


まとめ

  • コーチングとは相手の中にある答えを引き出す双方向コミュニケーション
  • 指示命令では動かない患者さんも、自分で決めると動き出す
  • 「自己決定感」が内発的動機づけを高め、行動・成果につながる
  • コーチングの3原則:双方向性・継続性・個別対応
  • スキルより先に、自分自身の「心の状態」を整えることが大切

次回はコーチング・ティーチング・カウンセリングの違いを解説します。


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病院薬剤師の仕事ブログ(hosphar)

田浦マインドのパーソナルブログ

2026年6月29日月曜日

【総まとめ】病院薬剤師が考えるアンガーマネジメントと医療安全|全20記事まとめ

 

はじめに

ここまで、

「病院薬剤師が考えるアンガーマネジメントと医療安全」

というテーマで20本の記事を書いてきました。

アンガーマネジメントというと、

「怒らないための技術」

と思われることがあります。

しかし実際には、

怒りをなくすことではなく、

怒りを理解し、上手に付き合うための技術

です。

そして私は病院薬剤師として働く中で、

アンガーマネジメントは、

人間関係だけでなく、

医療安全にも深く関係していると感じています。

今回は、

これまでの記事を振り返りながら、

アンガーマネジメントと医療安全について改めて考えてみたいと思います。


第1章 怒りを知る

まずは、

怒りとは何かを理解することから始めました。

第1回

怒りは悪い感情ではない

第2回

なぜ人は怒ってしまうのか?
「べき」思考と怒りの正体

第3回

怒りの下に隠れている感情とは?
怒りは第二次感情

怒りの背景には、

不安や悲しみ、

期待や責任感があることを学びました。


第2章 怒りをコントロールする

怒りを理解した後は、

実践編です。

第4回

怒りのピークは6秒?

第5回

怒りの温度計

第6回

アンガーログのすすめ

怒りを客観視することで、

感情に振り回されにくくなることを学びました。


第3章 指導とハラスメントを考える

医療現場では、

指導が必要な場面があります。

しかし、

その伝え方を間違えると、

ハラスメントにつながることがあります。

第7回

指導とハラスメントの違いとは?

第8回

人前で叱るのはなぜ逆効果なのか?

感情をぶつけるのではなく、

相手の成長につながる関わり方が大切であることを考えました。


第4章 組織と怒り

怒りは個人だけの問題ではありません。

組織全体へ影響します。

第9回

怒りが伝染する職場、伝染しない職場

第10回

管理職こそアンガーマネジメントが必要な理由

第11回

怒りタイプ診断

職場文化やリーダーシップとの関係について考えました。


第5章 怒りとの上手な付き合い方

第12回

怒りを我慢するとどうなる?

第13回

心理的安全性とアンガーマネジメントの関係

第14回

アサーティブコミュニケーション

第15回

「まあ、いいか」が職場を救う

怒りを抑え込むのではなく、

適切に表現することの重要性を学びました。


第6章 人との関わり方

第16回

「聴く力」が怒りを減らす

第17回

なぜ「正しい人」ほど怒りやすいのか?

第18回

怒っている人にどう対応する?

怒りを理解するためには、

自分だけでなく、

相手を理解しようとする姿勢も重要であることを考えました。


第7章 医療安全とのつながり

第19回

アンガーマネジメントは医療安全につながるのか?

第20回

アンガーマネジメントを学んで変わったこと

アンガーマネジメントは、

単なるコミュニケーション技術ではありません。

報告しやすい環境。

相談しやすい環境。

違和感を共有できる環境。

そうした心理的安全性を高め、

結果として医療安全につながる学びであると感じています。


私がアンガーマネジメントを学んで感じたこと

このシリーズを書きながら改めて感じたのは、

怒りは悪者ではないということです。

怒りの背景には、

  • 患者さんを守りたい
  • 仲間に成長してほしい
  • 良い医療を提供したい

という思いがあります。

だからこそ、

怒りを否定するのではなく、

上手に扱うことが大切なのだと思います。


次のシリーズについて

ここまで、

心理的安全性シリーズ、

そしてアンガーマネジメントシリーズを書いてきました。

次のテーマは、

私自身が学んできた

「コーチング」

について発信していきたいと思います。

医療現場では、

教える力だけでなく、

相手の力を引き出す力も重要です。

アンガーマネジメントが

「感情との付き合い方」

だとすると、

コーチングは

「人の成長を支援する関わり方」

です。

次回からは、

病院薬剤師の視点で考えるコーチングについてお届けしたいと思います。


おわりに

全20記事を読んでくださった皆さま、

本当にありがとうございました。

このシリーズが、

皆さま自身の感情との付き合い方や、

職場のコミュニケーション、

そして医療安全について考えるきっかけになれば幸いです。

これからも病院薬剤師の立場から、

医療安全、人材育成、コミュニケーションについて発信していきたいと思います。

2026年6月28日日曜日

アンガーマネジメントを学んで変わったこと|病院薬剤師として感じる成長と気づき

 

はじめに

私は病院薬剤師として働く中で、

医療安全、多職種連携、人材育成などに関わる機会が増えてきました。

その中で出会った学びの一つが、

アンガーマネジメント

です。

以前の私は、

「怒らないようにしよう」

「感情を抑えなければならない」

と考えていました。

しかし、

アンガーマネジメントを学んだことで、

怒りに対する考え方が大きく変わりました。

今回は、

病院薬剤師として私自身が感じた変化についてお話したいと思います。


この記事でわかること

この記事では、

・アンガーマネジメントを学ぶ前の考え方

・学んで変わったこと

・医療現場で感じた効果

・今後も大切にしたいこと

について考えていきます。


怒ることは悪いことだと思っていた

以前は、

怒りを感じること自体が良くないことだと思っていました。

  • イライラしてはいけない
  • 怒ってはいけない
  • 感情を出してはいけない

そんなふうに考えていた時期があります。

しかし、

現実には怒りを感じます。

人間ですから当然です。

そのたびに、

「自分は未熟だな」

と感じることもありました。


怒りには理由があると知った

アンガーマネジメントを学んで最も印象的だったのは、

怒りには理由がある

ということでした。

怒りの背景には、

  • 不安
  • 心配
  • 悲しみ
  • 期待

などがあります。

つまり、

怒りだけを見るのではなく、

その奥を見ることが大切だと知りました。


自分の「べき」に気づいた

もう一つ大きかったのは、

「べき」思考です。

私は薬剤師として、

  • 患者安全を守るべき
  • 報告は早くするべき
  • 約束は守るべき

という価値観を持っています。

それ自体は悪いことではありません。

しかし、

自分の当たり前が、

相手の当たり前とは限らないことにも気づきました。


相手を見る視点が変わった

以前なら、

「なんでそんなことをするのだろう」

と思っていた場面でも、

今は、

「何か理由があったのかもしれない」

と考えるようになりました。

もちろん、

すべてを許すわけではありません。

しかし、

相手を理解しようとする姿勢は増えたように感じます。


怒らなくなったわけではない

ここは誤解してほしくありません。

アンガーマネジメントを学んだからといって、

怒らなくなったわけではありません。

今でも怒ります。

イライラすることもあります。

しかし、

怒りに振り回されることは減ったように思います。


人材育成への考え方も変わった

教育や指導の場面でも変化がありました。

以前は、

「正しく伝えること」

を重視していました。

しかし今は、

「相手に伝わること」

を意識するようになりました。

正しいことを言っていても、

伝わらなければ意味がありません。

これはアンガーマネジメントから学んだ大切なことです。


医療安全とのつながり

病院では、

相談しやすい環境が重要です。

質問できる。

報告できる。

違和感を言える。

そのためには、

怒りをコントロールすることも大切です。

アンガーマネジメントは、

人間関係だけでなく、

医療安全にもつながる学びだと感じています。


現場で感じること

病院で働いていると、

知識や技術だけでは解決できない問題があります。

その多くは、

人と人との関わりです。

だからこそ、

感情を理解すること、

感情を扱うことは、

医療者にとって重要なスキルなのだと思います。


まとめ

アンガーマネジメントを学んで、

私は怒らなくなったわけではありません。

しかし、

怒りとの付き合い方は変わりました。

  • 怒りの背景を見る
  • 自分の価値観に気づく
  • 相手を理解しようとする
  • 感情に振り回されない

こうした考え方は、

日々の仕事や人間関係に役立っています。

病院薬剤師として私自身も、

これからも学び続けながら、

より良いコミュニケーションと医療安全につなげていきたいと思っています。

皆さんは、アンガーマネジメントを学んでみたいと思いますか?

あるいは、怒りとの付き合い方について、どんな工夫をされていますか?