はじめに
アンガーマネジメントについて学ぶと、
よく聞かれる質問があります。
「怒ってはいけないのですか?」
「注意したい時はどうすれば良いのですか?」
「部下を叱ることもダメなのですか?」
答えは、
もちろん違います。
アンガーマネジメントは、
怒らないための技術ではありません。
必要なことを、
相手に伝わる形で伝えるための技術です。
今回は、
アンガーマネジメントと深く関係する
アサーティブコミュニケーション
について考えてみたいと思います。
この記事でわかること
この記事では、
・アサーティブコミュニケーションとは何か
・怒りを上手に伝える方法
・攻撃的な伝え方との違い
・医療現場での活用方法
について考えていきます。
怒りを伝えることは悪いことではない
まず大切なことがあります。
怒りを感じることは自然です。
例えば、
- 患者安全が脅かされた
- 約束が守られなかった
- ハラスメントがあった
- 不適切な行動があった
そんな時、
何も言わない方が良いわけではありません。
むしろ、
伝えるべき場面もあります。
問題は、
どう伝えるか
です。
3つのコミュニケーションスタイル
コミュニケーションには、
大きく3つのタイプがあります。
① 攻撃的(アグレッシブ)
自分を優先し、
相手を傷つける伝え方です。
例えば、
- 怒鳴る
- 威圧する
- 人格否定をする
などです。
② 受け身(ノンアサーティブ)
相手を優先しすぎて、
自分の気持ちを言えない状態です。
例えば、
本当は困っていても、
何も言えない。
我慢してしまう。
という状態です。
③ アサーティブ
自分も相手も大切にする伝え方です。
自分の意見を伝えながら、
相手の尊厳も守ります。
医療現場で考えてみる
例えば、
報告が遅れた場面。
攻撃的
「何回言ったら分かるの!」
受け身
何も言わない
アサーティブ
「患者安全にも関わるので、次回は早めに共有してもらえると助かります」
同じ内容でも、
受け取り方は大きく違います。
アサーティブな伝え方のポイント
① 事実を伝える
まずは事実。
例えば、
「報告が30分遅れていました」
です。
② 自分の気持ちを伝える
「少し心配になりました」
「患者さんへの影響が気になりました」
などです。
③ 期待を伝える
「次回は早めに相談してもらえると助かります」
と具体的に伝えます。
なぜアサーティブが重要なのか
医療現場では、
言わなければならないことがあります。
しかし、
攻撃的な伝え方は、
心理的安全性を下げます。
一方、
何も言わないと問題は改善しません。
だからこそ、
アサーティブな伝え方が必要なのです。
心理的安全性との関係
心理的安全性とは、
何でも好き勝手言える状態ではありません。
必要なことを、
安心して言える状態です。
そのためには、
受け取る側だけでなく、
伝える側の技術も重要です。
アサーティブコミュニケーションは、
心理的安全性を支える土台の一つと言えます。
現場で感じること
病院で働いていると、
本当に信頼されている人は、
言うべきことを言いながら、
相手を傷つけない人だと感じます。
厳しいことを言わない人ではありません。
必要なことを、
相手が受け取りやすい形で伝えられる人です。
それは、
管理職でも、
先輩でも、
後輩でも同じです。
まとめ
アンガーマネジメントは、
怒らないための技術ではありません。
怒りを上手に扱い、
必要なことを適切に伝える技術です。
そのために役立つのが、
アサーティブコミュニケーションです。
- 攻撃しない
- 我慢しすぎない
- 自分も相手も大切にする
これがアサーティブの考え方です。
病院薬剤師として私自身も、
怒りを抑え込むのではなく、
相手に伝わる形で表現できるよう心掛けていきたいと思っています。
皆さんは、「言い過ぎるタイプ」ですか? それとも「我慢し過ぎるタイプ」ですか?