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2018年2月22日木曜日

■ステロイドを中止する際に減量しながら中止にするのはなぜ!?

ステロイド剤を多量投与すると副腎皮質からのホルモン分泌機能が低下します。
また、長期投与すると徐々に副腎が委縮することがあります。
そのため、ステロイド剤の急激な中止や減量は体内の副腎皮質ホルモンを枯渇させ、強い倦怠感、吐き気、嘔吐、頭痛、血圧低下などのステロイド離脱症候群と称される症状が出現します。
さらにもともと治療すべきであった疾患を悪化し、リバウンドさせることもあります。
このためステロイド剤の離脱に際しては、急激な中止・減量をせずに症状を考慮しながら少量ずつ段階的に減量するなどの治療計画が必要です。


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2017年12月6日水曜日

■コムクロシャンプー0.05%

【商品名】
コムクロシャンプー

【成分名】
クロベタゾールプロピオン酸エステル

【製造販売】
マルホ

【用法・用量】
通常、11回、乾燥した頭部に患部を中心に適量を塗布し、15分後に水または湯で泡立て、洗い流す。

【特徴】
・通常、11回、乾燥した頭部に患部を中心に適量を塗布し、約5分後に水または湯で泡立て、洗い流すというShort contact therapyにより、ステロイドの接触時間を短縮し、副作用の発現を抑えながら治療効果を発揮するクロベタゾールプロピオン酸エステルを含有するシャンプー様外用液剤である。

・頭部に尋常性乾癬を有する患者において、投与4週後のPSSI75の達成率は29.5%、PSSI50の達成率は57.7%であった。

・投与4週後の各皮膚所見(紅斑、浸潤/肥厚および鱗屑)の重症度および頭部面積に対する頭部の尋常性乾癬の病変面積()の重症スコアは、プラセボと比べ有意な差をもち、スコアを低下させた。



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2017年11月26日日曜日

■各種ステロイドの種類・違い・比較・特徴

ステロイドの種類・違い・比較・特徴 

一般名


商品名


コルチゾール

作用


アルドステロン

作用


半減期


ヒドロコルチゾン類
(コルチゾール) 


ソル・コーテフ


1


1


1.2時間


プレドニゾロン類


プレドニン


4


0.8


2.5時間


メチルプレドニゾロン類


ソル・メドロール


5


ほぼ0


3時間


デキサメタゾン類


デカドロン


30


0


6時間


ベタメタゾン類


リンデロン

ヒドロコルチゾン=コルチゾールの力価を1としている


①コルチゾン・ヒドロコルチゾン類
・リン酸ヒドロコルチゾンNa : 水溶性ハイドロコートン

・コハク酸ヒドロコルチゾンNa : サクシゾン、ソル・コーテフ
血中半減期が90分と短い。
塩類蓄積作用が強い。
抗炎症作用は弱い。

②プレドニゾン・プレドニゾロン類
・プレドニゾロン:プレドニゾロン、プレドニン
血中半減期が150分前後であり、使用しやすい。
ヒドロコルチゾンに比べ、塩類蓄積作用が弱い。

③メチルプレドニゾロン類
・コハク酸メチルプレドニゾロンNa : ソル・メドロール
血中半減期が180分前後であり、使用しやすい。
ヒドロコルチゾンに比べ塩類蓄積作用が弱い。
プレドニゾロンの約1.2倍の抗炎症作用。

④トリアムシノロン類

⑤デキサメタゾン類
・デキサメタゾン : デカドロン
プレドニゾロンの約10倍の抗炎症作用。
血中半減期が300分前後であり、ステロイド薬の中では最長である。
⇒局所投与でよく用いられる、長期投与で副腎萎縮する。

⑥ベタメタゾン類
・ベタメタゾン : リンデロン
デキサメタゾンとほぼ同様の特徴である。


【作用の比較】
▽糖質コルチコイド作用
ヒドロコルチゾン(サクシゾン,ソル・コーテフ) :1
プレドニゾロン(プレドニゾロン,プレドニン) :4
メチルプレドニゾロン(ソル・メドロール) :6
デキサメタゾン(デカドロン) :30
ベタメタゾン(リンデロン) :30

▽鉱質コルチコイド作用
ヒドロコルチゾン(サクシゾン,ソル・コーテフ) :1
プレドニゾロン(プレドニゾロン,プレドニン) :0.8
メチルプレドニゾロン(ソル・メドロール) :0.5
デキサメタゾン(デカドロン) :0
ベタメタゾン(リンデロン) :0

▽血中半減期
ヒドロコルチゾン(サクシゾン,ソル・コーテフ) :1.2~1.5時間
プレドニゾロン(プレドニゾロン,プレドニン) :3時間
メチルプレドニゾロン(ソル・メドロール) :3時間
デキサメタゾン(デカドロン) :4時間
ベタメタゾン(リンデロン) :4時間

▽等価投与量
ヒドロコルチゾン(サクシゾン,ソル・コーテフ) :20 mg
プレドニゾロン(プレドニゾロン,プレドニン) :5 mg
メチルプレドニゾロン(ソル・メドロール) :4mg
デキサメタゾン(デカドロン) :0.5-0.7 mg
ベタメタゾン(リンデロン) :0.5-0.7 mg


【選び方】
①プレドニゾロン・メチルプレドニゾロンが第1選択薬である。
②ヒドロコルチゾンは塩類蓄積作用があり通常用いられないが、即効性があるゆえショックの治療に最適である。
③デキサメタゾン、ベタメタゾンは局所投与が基本である。


【使い方】
①少量投与のときは、朝1回投与。大量投与のときも、分割にするが朝を多めにする。
②離脱症候群はプレドニゾロン換算で総量1000mgを越えたときに起こる可能性がある。
③漸減方法
・短期投与→速やかに
・長期投与→緩徐に


■プレドニン・ソルコーテフ・ソルメドロールの違いは!?
どれも副腎ステロイドホルモンですが、効能や強さなど違いはあるのでしょうか?
糖質コルチコイド作用の強さは、ソルコーテフを1とするとプレドニンは4、ソルメドロールは5です。
コルチゾール作用。アルドステロン作用の力価が違う.

 
内服ステロイドの使い方
▽プレドニゾロン換算で、投与量を決定する。
・大量=40mg/day以上
・中等量=20-39mg/day
・少量=19mg/day以下
コルチゾール分泌
正常時は,プレドニゾロン換算で3-5mg/day
ストレス下では,プレドニゾロン換算で80mg程度 手術時などに考慮する。

投与法
・分けた方が効くが,副作用が多くなる。
副腎抑制する時間が長くなるためである。
抗炎症効果狙い:分3-4(血管炎など)
  自己免疫是正狙い:分1(重症筋無力症など)


注射ステロイドの使い方

▽半減期の短い、ソルコーテフが使いやすい。

▽ステロイドは水に溶けないので,コハク酸エステルとしている。
ソルコーテフ,水溶性プレドニン
アスピリン喘息の患者は,コハク酸塩で悪化することがある。
リンデロン4~8mg静注で対応。

▽パルス療法
・メチルプレドニンが生成され,アルドステロン作用がほぼないことから,実施できるようになった。
1000mg/day3日間
副作用多く,また大量ステロイド療法と比べ優れているというエビデンスに乏しい。


参考:ステロイドの使い方のコツ



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2016年8月14日日曜日

■髭剃り後のステロイド外用剤の使用は、ありorなし!?

基本的にステロイドは、炎症を抑えるけど、免疫力も抑えられます。
髭反り負けに炎症抑える目的でステロイドを使うのは、『あり』やと思います。
それは清潔な状態での治療目的ということでです。
髭反りしたすぐ後の不衛生な場所にアフターシェービング的な感じでステロイドを使ったら、汚い菌がたくさんいる中で、免疫力が落ちてしまったら菌が広がって感染症起こしやすくなります(ニキビなどはアクネ菌など原因)。
だからアフターシェービング的な使い方は、『なし』やと思います。




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2015年8月13日木曜日

■ステロイド外用剤を塗ってから日に当たると皮膚が黒くなるのは誤解!?

ステロイド外用剤を塗って日に当たると黒くなるのは誤解です。

湿疹・皮膚炎の治った後が黒くなる(色がつく)のは、湿疹の炎症がおさまったあとの色素沈着(炎症後色素沈着)です。

日光に当たると、紫外線による日焼け(色素増強作用)が加味されて炎症後色素沈着が一層強くなります。

ステロイドを塗ったからではありません。



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■保湿剤とステロイド外用剤を同じ部位に塗るように指示された時の塗布する順序は!?

ステロイド外用剤を先に塗るのが一般的です。

皮脂欠乏性湿疹に対して保湿剤とステロイド外用剤が処方されるケースがあります。

保湿剤とステロイドを塗る順序は、まずステロイドを湿疹部に塗り、次に保湿剤を湿疹部を含め乾燥肌全体に塗布するのが一般的です。

理由は、一番効いてほしいのはステロイドだからです。

しかし、順序が逆になっても大きな差はありません。

保湿剤を先に塗ると皮膚がなめらかになり、ステロイドの伸びがよくなるという利点があります。



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■ステロイド外用剤を塗ると皮膚が黒くなるのは誤解!?

ステロイド外用剤を塗ったせいではありません。

ステロイド外用剤を塗ると治った後も黒くなるのは誤解です。

湿疹・皮膚炎の治ったあとが黒くなる(色がつく)のは、湿疹の炎症がおさまったあとの色素沈着(炎症後色素沈着)がです。

湿疹の程度が強いほど、長く放っておくほど色素沈着も濃く残ります。

ステロイドを塗ったからではありません。

逆にステロイドでしっかりしっかり初期の湿疹病変(炎症)を治すことにより、炎症後の色素沈着を最小限にできます。



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2015年7月30日木曜日

■褥瘡の創部へステロイドを使用することはありますか!?

≪リンデロンV軟膏とカデックス軟膏をブレンドすることはありますか!?≫
まず褥創の創部へのステロイドの使用ですが、褥創っていうのは基本的に炎症を起こしている状態なのでステロイドを使用することはあります。
特にアクトシン軟膏を使用した後などで、過剰肉芽になっている時に使用すると奏功すると言われています。
リンデロンとカデックスのブレンドの例はあまり聞かないですね。
ただカデックスは水溶性基材であり、油脂性基材のリンデロンと混合するとカデックスの吸収メカニズムを抑制してしまうために混合はしない方がいいかと思います。カデックスの浸出液吸収能力が落ちてしまいますね。

※あくまで一つの考え方として見ていただけるとありがたいです。


 

2015年5月18日月曜日

■ステロイドを中止する際なぜ減量しながら中止するのか!?

ステロイド剤を多量に投与すると副腎皮質からのホルモン分泌機能が低下します。
また、長期投与すると徐々に副腎が委縮することがあります。
そのため、ステロイド剤の急激な中止や減量は体内の副腎皮質を枯渇させ、強い倦怠感・吐き気・嘔吐・頭痛・血圧低下などのステロイド離脱症候群と称される症状が出現します。
さらに、もともと治療すべきであった疾患を悪化(リバウンド)させることもあります。
このためステロイド剤の離脱に際しては、急激な中止・減量をせずに症状を考慮しながら少量ずつ段階的に減量するなどの治療計画を立てて減量していくことが必要です。



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