≪インフルエンザ脳症とCPT2の関係とは!?≫
インフルエンザ脳症と診断され重症化した患者の多くでは、高熱時に酵素活性が急速に低下するCPT2の熱不安定性遺伝子多型が高頻度に見られている。
CPT2は、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ2の略で、脂肪酸の一部である長鎖脂肪酸のエネルギー代謝を担う重要な酵素である。CPT2の熱不安定性遺伝子多型は、高熱時の重症化のリスク因子と考えられている。
インフルエンザウィルス増殖、サイトカイン増加に伴い糖代謝の低下、ATP産生量の低下傾向を示すが、これを補うために脂肪酸代謝が更新する体内動態が起きると一般的に言われている。
長鎖脂肪酸を担うCPT2の機能低下を起こしやすい遺伝子多型を持つ人では、インフルエンザ感染による代謝変動に対応することができず、エネルギー不足となり、エネルギーを多く必要としている細胞・臓器から破綻症状が現れる。
これが脳の血管内皮細胞で起こり重症化した結果がインフルエンザ脳症であると考えられている。
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