抗てんかん薬はチトクロムP450を誘導し、併用他剤の代謝を促進して血中濃度を低下させる場合と、代謝過程が他剤の代謝と拮抗するなどして抑制され血中濃度が上昇する場合がある。
≪抗てんかん薬の血中濃度の変化≫
併用薬
濃度
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酵素誘導
フェニトイン、フェノバルビタール、カルバマゼピン
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酵素誘導
バルプロ酸
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フェニトイン
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↑↓
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初期↑、長期↓
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カルマゼピン
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↓
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↑
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フェノバルビタール
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↓
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↑
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バルプロ酸Na
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↓
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―
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ガバペンチン
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変化なし
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変化なし
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ラモトリジン
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↓
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↑
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ゾニサミド
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↓
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変化なし
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▽抗てんかん薬以外の薬物との相互作用
・抗ヒスタミン薬:抗ヒスタミン作用(H1受容体拮抗作用)には、てんかん発作の閾値を下げる傾向がある。ケトチフェンでは中枢性の抗ヒスタミン作用が強く、プロメタジンやクロルフェニラミンは比較的影響が少ないとされている。
・テオフィリン:抗てんかん薬血中濃度を低下させる。痙攣閾値を下げるため少量から使用していく。
・抗結核薬とフェニトイン:イソニアジドはフェニトインの濃度を上昇させ、リファンピシンはフェニトインの濃度を低下させる。イソニアジド併用例では併用前よりもフェニトイン服用量を1/10まで減量することで有効血中濃度に至った例もあるため、併用時には血中濃度の測定が必要である。
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