ある菌に対して、同じ薬を使い続けていると、薬の効き目が落ちてくることがある。こうした状態を、薬に『耐性』ができたといい、耐性を持った菌のことを『耐性菌』と呼ぶ。
≪菌の薬剤に対する耐性の現れ方≫
①自然に存在していた少数の耐性菌が増殖する。
②今まで耐性のなかった菌が、突然変異によって耐性菌になる。
③細菌と薬剤の接触により、適応現象として耐性を獲得する。
などが考えられる。
≪耐性を起こすしくみ≫
①薬の構造を破壊することによって、耐性を起こす。
・耐性黄色ブドウ球菌や耐性大腸菌は、ペニシリン・セファロスポリンといった薬のβ-ラクタム環と呼ばれる構造を破壊する酵素を作り出すことによってこれらの薬剤の効果を減少させる。
・アミノグリコシド系と呼ばれる抗生物質カナマイシン・ゲンタマイシンなどを分解してしまう酵素をつくる細菌も、これによって薬の構造を破壊し、効き目を減少させる。
②自らの表面を変化させることによって、薬を細菌内に入りにくくする。
③薬が結合する場所の構造を変化させて結合の邪魔をし、薬の効果を減少させる。
≪相互リンク≫
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