2015年7月18日土曜日

■高血圧患者に塩分制限をする理由は!?

生理食塩液は体液と等張であり、その組成は水1リットルに対し、食塩9gである。つまり、食塩1gから生理食塩液を作るには、水を111ml必要とする。食塩1gを摂取した場合、食塩だけが吸収されたとすれば、細胞外液のNa濃度が高くなる。生体では細胞外液の浸透圧を正常に保つようなホメオスタシスが働いており、細胞外液においてはNa濃度を140mEq/Lぐらいに保つ機構が働いている。したがって、摂取した食塩1gを等張化するのに必要な水分111mlを吸収しなければ細胞外液のナトリウム濃度を正常に保つことができない。
細胞外液は浸透圧を正常に保つため、食塩1gに対して水111mlを吸収する。したがって、毎日食塩20gを摂取している人では2222mlの水分を吸収していることになる。血圧を決定する因子は細胞外液量・心臓の駆出力・末梢血管抵抗である。例えば体重50kgの人では正常時の細胞外液量は10(体重の20)である。この人が食塩20gを摂取すれば細胞外液量は12Lになる。細胞外液量が20%も増えたことにより、血圧が高くなっていく。



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