全25回のコーチングシリーズ、最終回です。長い旅にお付き合いいただきありがとうございました。今回は全シリーズの核心をまとめ、「明日からすぐにできる10の行動」としてお届けします。
コーチングシリーズ全25回の旅
①コーチングとは何か ②ティーチング・カウンセリングとの違い ③内発的動機づけ ④心理的安全性 ⑤信頼関係の作り方 ⑥傾聴スキル ⑦承認スキル ⑧質問スキル ⑨Iメッセージ・YOUメッセージ ⑩GROWモデル ⑪アドラー心理学 ⑫共感的理解 ⑬内発的気づき ⑭ABC理論 ⑮コーチングマインドチェックリスト ⑯糖尿病患者への質問例 ⑰心理的安全性7つの質問 ⑱タイプ別コミュニケーション ⑲コーチングの本質 ⑳コーチングが機能する5つの条件 ㉑2:6:2の法則 ㉒経験学習サイクル ㉓服薬指導実例集 ㉔講演研修ご案内 ㉕総まとめ(本記事)
コーチングの本質を3つに凝縮する
25回分の内容を、最終的には3つに凝縮できます。
① 「正そうとするな、わかろうとせよ」
患者さんを正しい方向に変えようとする前に、まず「この人はどう感じているのか、何を望んでいるのか」をわかろうとすること。この姿勢が信頼関係の基盤になります。
② 「答えは相手の中にある」
患者さんもスタッフも、問題を解決する答えを自分の中に持っています。コーチは答えを与えるのではなく、相手が自分で答えを見つけられるよう支援する役割です。
③ 「まずは自分が元気であること」
元気のない医療従事者からは、何も始まりません。土台は「医療従事者としての自分の心の状態(Mind)」です。
明日からできる行動10選
コーチングシリーズで学んだことを、明日から実践できる10の行動に凝縮しました。
① 患者さんの話を最後まで遮らずに聴く(傾聴) 一回の服薬指導で一度だけでも、最後まで聴く。これだけで信頼が変わります。
② 「なぜ?」より「どうすれば?」を使う(質問スキル) 「なんで飲まないの?」→「どうしたら飲めそうですか?」
③ 「ありがとう」「嬉しい」「助かった」を一日一回言う(勇気づけ3兄弟) 難しいスキルより、この3つの言葉が最強の承認です。
④ 薬を飲めた部分を先に承認してから課題を話す(プロセス承認) 「この1ヶ月、ほぼ毎日飲んでくれていましたね(承認)。一週間に1〜2回飲み忘れがあるようなので(課題)…」
⑤ スタッフに名前を呼んで挨拶する(存在承認) 「〇〇さん、おはようございます」——名前を呼ぶだけで「あなたの存在を認識している」というメッセージになります。
⑥ D言葉(だから・だけど・でも…)を意識して減らす(傾聴の妨げ除去) 全部なくすのは難しい。一日1回減らすことから始めましょう。
⑦ 「どんな状態を目指しますか?」をゴール設定に使う(GROWモデルG) 患者さんと一緒に「目指す状態」を言語化する習慣を作る。
⑧ 「一つだけ試してみることは何ですか?」を加える(自己決定感) 一つに絞ることで患者さんが考えやすくなり、実行率が上がります。
⑨ 「ミスをした人を責めない、状況を聴く」を実践する(心理的安全性) ミスをした瞬間の最初の反応が、組織の文化を作ります。
⑩ 自分自身が元気でいること(Mindの土台) 朝の挨拶を笑顔で。自分のエネルギーを整えることが、すべての出発点。
コーチングは「やってみたらできた」
コーチングスクールで出会ったある言葉が忘れられません。
「やってみたらできた」
完璧に準備してから始めようとすると、永遠に始まりません。一つでいい、今日から試してみる。上手くいかなくて当然。また試す。その繰り返しがいつか「できる」になります。
私自身も、まだまだ実践しきれていないことが多くあります。でも意識し続けることで、少しずつ変わっています。一緒に成長していきましょう。
最後に:コーチングは「自分と周りの人が幸せになるツール」
コーチングを学び、実践してきて、最終的にたどり着いた感覚があります。
コーチングは自分と周りの人々が幸せになる、魅力的なツールのひとつです。
患者さんの「扉が開く瞬間」——自分で答えを見つけ、目が輝く瞬間——を一度体験すると、コーチングの虜になります。
スタッフが「自分で考えて動き始める」瞬間を見る喜びも、コーチングが教えてくれた宝物です。
皆さんの医療現場に、コーチングの光が差し込むことを願っています。
25回、最後までお読みいただきありがとうございました。
講演・研修のご依頼
「コーチングを活用した患者・スタッフとの信頼関係の作り方」研修を病院・薬局向けに承っています。アンガーマネジメント研修・コミュニケーション研修・災害医療研修なども対応可能です。
ご要望に合わせてカスタマイズしますので、まずはお気軽にご連絡ください。
E-mail:toshiki.taura@gmail.com
コーチングシリーズ 全25記事一覧
① コーチングとは何か? ② コーチング・ティーチング・カウンセリングの違い ③ 内発的動機づけとは? ④ 心理的安全性とは? ⑤ 信頼関係の作り方:尊敬・安心感・味方 ⑥ 傾聴スキル:心で聴く3つのレベル ⑦ 承認スキル:5種類の承認 ⑧ 質問スキル:WHY→WHAT・HOWへ ⑨ Iメッセージ・YOUメッセージ ⑩ GROWモデル:面談の4ステップ ⑪ アドラー心理学の5つの要素 ⑫ 共感的理解:同じ目・耳・心で聴く ⑬ 内発的気づきを引き出す ⑭ ABC理論:受け止め方が感情を決める ⑮ コーチングマインドチェックリスト ⑯ 糖尿病患者さんへの6つの質問例 ⑰ 心理的安全性を高める7つの質問 ⑱ タイプ別コミュニケーション実践 ⑲ 「正そうとするな、わかろうとせよ」 ⑳ コーチングが機能する5つの条件 ㉑ 2:6:2の法則 ㉒ 経験学習サイクル ㉓ 服薬指導実例集 ㉔ 研修・講演のご案内 ㉕ 総まとめ:明日からできる行動10選(本記事)
≪関連記事≫
0 件のコメント:
コメントを投稿
注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。