2026年9月2日水曜日

飲み合わせ②:サプリメント・市販薬・他の病院の薬との注意【薬の正しい飲み方シリーズ⑧】

 「薬の正しい飲み方」シリーズ第8回です。前回は食品・飲み物との飲み合わせを解説しました。今回は、サプリメント・市販薬・他の医療機関の薬との飲み合わせについて解説します。


「これくらいなら大丈夫」が思わぬ相互作用に

「これくらいなら大丈夫」という自己判断が、思わぬ相互作用につながることがあります。

  • 他院・他科の薬:複数の医療機関にかかる場合、同じ成分の薬が重複することがあります
  • 市販薬(OTC):風邪薬や胃薬なども、処方薬と成分が重なることがあります
  • 健康食品・サプリ:「天然由来」でも、薬の効果を強めたり弱めたりすることがあります

何かを飲み始める・やめる前には、必ずお薬手帳を見せながら相談しましょう。

複数の医療機関にかかるときの注意点

内科・整形外科・皮膚科など、複数の医療機関に同時にかかっている方は少なくありません。それぞれの医療機関で処方された薬に、同じ成分や似た作用の薬が含まれていることに、患者さん自身が気づかないケースもあります。

お薬手帳を1冊にまとめておけば、どの医療機関にかかるときも、服用中の薬を正確に伝えることができ、重複や相互作用を防ぐことにつながります。

市販薬(OTC)も「薬」であることを忘れずに

風邪薬や胃薬、鎮痛薬など、ドラッグストアで購入できる市販薬も、処方薬と同じ「薬」です。処方薬と成分が重なっていることに気づかず併用してしまうと、同じ成分を過剰に摂取してしまう可能性があります。

「病院でもらった薬ではないから」という理由で、薬剤師や医師に伝えないまま市販薬を使うのは避けましょう。

サプリメント・健康食品にも注意

健康食品・サプリメントの中にも、処方薬と影響し合うものがあります。「食品だから」「市販薬だから」と自己判断で併用するのは避けましょう。

新しく何かを始める前には、お薬手帳を見せながら相談することが大切です。「飲んでいるもの」は、処方薬以外もすべて伝えることが、安全な治療につながります。


○×クイズ:「天然由来」のサプリメントなら、薬と一緒に飲んでも安心?

こたえ:×

「天然由来」「食品」であっても、薬の効果を強めたり弱めたりする成分が含まれることがあります。新しく何かを始める前には、お薬手帳を見せながら薬剤師に相談しましょう。


まとめ

  • 複数の医療機関にかかると、同じ成分の薬が重複することがある
  • 市販薬(OTC)も処方薬と成分が重なる可能性がある
  • 「天然由来」のサプリメントでも、薬の効果に影響することがある
  • 処方薬以外に飲んでいるものは、すべて薬剤師・医師に伝える
  • 新しく何かを始める・やめる前は、お薬手帳を見せながら相談する

次回は「⑨副作用を正しく知る:『いつもと違う』に早めに気づく」です。

2026年9月1日火曜日

飲み合わせ①:グレープフルーツ・牛乳・お酒と薬【薬の正しい飲み方シリーズ⑦】

 「薬の正しい飲み方」シリーズ第7回です。今回からは「飲み合わせ」をテーマに解説していきます。まずは、身近な食品・飲み物と薬の組み合わせについてです。


身近な食品・飲み物が薬に影響することがある

身近な食品・飲み物が、薬の効果に影響することがあります。

  • グレープフルーツ × 一部の降圧薬など:薬の効果が強く出すぎることがあります
  • 牛乳・乳製品 × 一部の抗菌薬など:薬の吸収が妨げられることがあります
  • アルコール × 睡眠薬・抗不安薬など:眠気やふらつきが強く出ることがあります
  • 納豆・青汁など × 血液をさらさらにする薬:薬の効果が弱まることがあります

いずれも、日常的によく口にするものばかりだからこそ、知らないまま組み合わせてしまいやすい相互作用です。

なぜグレープフルーツは注意が必要なのか

グレープフルーツに含まれる成分が、体内で薬を分解する働きを妨げることがあります。その結果、薬が分解されにくくなり、血液中の濃度が想定より高くなって、効果が強く出すぎてしまうことがあるのです。

一部の降圧薬などで知られていますが、対象となる薬は種類によって異なります。「グレープフルーツジュースなら大丈夫」と思われがちですが、ジュースやゼリーなど加工品にも同様の注意が必要な場合があります。

牛乳・乳製品とアルコールの注意点

牛乳・乳製品は、一部の抗菌薬などで薬の吸収そのものが妨げられることがあります。せっかく処方された薬も、吸収がうまくいかなければ十分な効果を発揮できません。

アルコールは、睡眠薬・抗不安薬などと一緒に摂ると、眠気やふらつきが強く出ることがあります。「薬を飲んでいない時間帯なら大丈夫」と考えがちですが、薬の作用時間とアルコールの作用が重なるタイミングには注意が必要です。

納豆・青汁など、意外な組み合わせにも注意

血液をさらさらにする薬(抗凝固薬)を服用している方は、納豆・青汁などビタミンKを多く含む食品との組み合わせに注意が必要です。薬の効果が弱まることがあるため、日々の食事内容を薬剤師や医師に伝えておくことが大切です。

気になる組み合わせがあれば、自己判断せず薬剤師にご相談ください。「これくらいの量なら平気だろう」という判断が、思わぬ形で薬の効果に影響することがあります。


まとめ

  • グレープフルーツは一部の降圧薬などの効果を強めることがある
  • 牛乳・乳製品は一部の抗菌薬などの吸収を妨げることがある
  • アルコールは睡眠薬・抗不安薬などの作用を強めることがある
  • 納豆・青汁などは血液をさらさらにする薬の効果を弱めることがある
  • 気になる食品との組み合わせは、自己判断せず薬剤師に相談する

次回は「⑧飲み合わせ②:サプリメント・市販薬・他の病院の薬との注意」です。