2026年7月3日金曜日

心理的安全性とは?Google社が発見した最強チームの共通点【コーチングシリーズ④】

 「心理的安全性(Psychological Safety)」——この言葉を聞いたことはありますか?実はGoogle社の研究から生まれたこの概念が、医療チームのパフォーマンスを大きく左右することがわかっています。


心理的安全性とは

心理的安全性とは、**「職場の中で自分の考えや気持ちを誰に対してでも、安心して発言できる環境」**のことです。

Googleが数百のチームを研究した結果、最も生産性が高く離職率が低いチームの共通点として発見しました。

心理的安全性が高い職場では:

  • 失敗をしても、リスクを取った行動をとっても「この職場であれば大丈夫」と思える
  • 自分の過ちを認めたり、質問をしたり、新しいアイデアを出したりしても、誰も馬鹿にしたり罰したりしないと信じられる

「良い病院はミスが多い」という逆説

これは衝撃的な事実ですが、心理的安全性の研究で明らかになっています。

悪い病院は、 ミスが少ない → 報告がきちんと上がらない → さらに悪くなる

良い病院は、 ミスが多い → 報告がきちんと上がる → さらに良くなる

「悪い病院のミスが少ない」のは、実際にミスが少ないのではなく、心理的安全性が低いため報告できないのです。

ミスを報告すると怒られる、責められる——そんな職場では、ミスは隠蔽され蓄積されます。

一方、心理的安全性が高い職場では、ミスを安心して報告・共有できるため、組織として学び、改善し続けられます。


心理的安全性のない職場で起きること

職場の心理的安全性を測る7つの質問があります。

① チームの中でミスをすると、たいてい非難される ② チームのメンバーは、課題や難しい問題を指摘し合える(逆転項目) ③ チームのメンバーは、自分と異なることを理由に他者を拒絶することがある ④ チームに対してリスクのある行動をしても安全である(逆転項目) ⑤ チームの他のメンバーに助けを求めることは難しい ⑥ チームメンバーは誰も、自分の仕事を意図的におとしめるような行動をしない(逆転項目) ⑦ チームメンバーと仕事をするとき、自分のスキルと才能が尊重され、活かされていると感じる(逆転項目)

あなたの職場はいかがでしょうか?


薬剤部で心理的安全性が高いと何が変わるか

① 個人の能力を発揮できる 失敗や批判を恐れることなく考えを発言できる。知らないことを積極的に質問し、効率よく成長できる。自分を尊重してもらえることで責任感が芽生え、自主的な行動が増える。

② 仕事の効率が上がる わからないことをすぐに質問できるため、ミスを未然に防げる。良いやり方をチームで共有してクオリティを上げられる。不安が少なく業務に集中できる。

③ 離職率が低下する 離職理由の多くは人間関係や仕事のやりがいのなさ。心理的安全性が高いと、自分を尊重してもらえる満足度・充実感が高まり、離職率が下がる。


心理的安全性を高める3つの方法

① 明確な目標設定 チームの目標が明確になると、メンバーの役割が明確になり、仕事に意義を感じられる。週1〜月1回のミーティングで目標・進捗を確認する習慣が有効。

② 質問しやすい環境づくり 上司・先輩が「無知・無能と思われる心配なく質問・相談できる」雰囲気を作る。「どんな質問でも無意味ではない」という文化を醸成する。

③ 個人を尊重する すべてのメンバーが認められ受け入れられている状態を目指す。1on1ミーティングで個人の思いを丁寧に聴く。「ありがとう」「助かった」「嬉しい」という言葉を日常的に使う。


心理的安全性 ≠ 「ぬるい職場」

誤解されやすいのですが、心理的安全性が高い職場は「馴れ合い」「ぬるい」職場ではありません。

心理的安全性と使命感・責任感が両方高い状態が「学習ゾーン(高パフォーマンスゾーン)」です。

心理的安全性が高くても使命感が低ければ「快適ゾーン(共依存の組織)」に留まります。

心理的安全性が高い + 高い使命感 = 率直に発言できる・懸念や疑問を言及できる・アイデアを話し合える組織

これが最強チームの姿です。


まとめ

  • 心理的安全性:「自分の考えを誰にでも安心して発言できる環境」
  • Google研究で最強チームの共通点として発見された
  • 「良い病院はミスが多い」——報告できる環境があるから改善できる
  • 心理的安全性が高いと、個人の能力発揮・仕事効率・離職率低下につながる
  • 高める方法:明確な目標・質問しやすい環境・個人を尊重する姿勢

次回は「アドラー心理学の全体像と信頼関係の作り方」を解説します。


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