2015年5月9日土曜日

■リバスチグミンパッチ(イクセロンパッチ・リバスタッチパッチ)の皮膚症状対策

認知症治療貼付薬であるイクセロンパッチ(ノバルティスファーマ)とリバスタッチパッチ(小野薬品工業)の有用性・利便性が認識されてきて、処方量も増えてきました。
しかし、使用する患者が多くになるに従い、副作用である皮膚のかぶれを訴える患者さんも増えてきています。
発売当初から、皮膚のかぶれの副作用は指摘されており、それを防ぐためにノバルティスファーマ社・小野薬品社とも、患者さん向けの冊子や、医療機関向け指導の手引を作成しています。

≪メーカー推奨の方法≫
・毎日同じ場所に貼るとかぶれてしまうので、必ず場所をずらして張り替える。
・お風呂に貼ったまま入り、皮膚を柔らかくして、出たら剥がして張り替える。
・ヒルドイドなどの保湿剤を一緒に処方して、塗りながら使用する。
・前日、右側に貼ったら、左側には保湿剤を塗り、翌日は左側に貼替え、右側に保湿剤を塗るを交互に場所をずらし貼付していく。
などです。

≪方法➀≫
①リバスチグミンパッチを貼った上から、ヒルドイドなどの保湿剤を背中全体に塗る。
②すぐに肌着を着せる。
③翌朝、別の場所に貼り替え、すぐにその上から保湿剤を全体に塗る。
 
≪方法②≫
かぶれにくい場所、足の裏(土踏まず部分)や膝の裏といった場所に貼る。
※ただし、経皮吸収率が上腕・胸部・背部と異なるため、効果が十分に得られない可能性もある。


≪方法③≫
かぶれの副作用が起きる頻度としては、
・リバスチグミンパッチの4.5mg9mgではほとんど皮膚症状は起こらない。
13.5mgを超える(13.5mg18mg)と、皮膚症状の副作用が増えてくる。
・プラセボでも皮膚症状の副作用は同様に発現している。
4.5mg9mg13.5mg18mgは、面積が異なるだけ⇒つまり、リバスチグミンの成分による副作用ではなく、粘着剤などによる副作用と考えられる。
『皮膚症状の副作用が発現したが、リバスチグミンパッチ13.5mg18mgで治療を続けたい場合は、ハサミなどで、2片以上に切り分けて使用すると、皮膚症状が起こりにくいかもしれない。』
※保険適用で認められている用法ではない。
※ハサミなどで、切り分けると角部分が出来てしまうため、剥がれやすくなる。



≪関連記事≫
■単剤投与してほしい注射剤
■ランサップ400とランサップ800の使い分けは!?
■アルロイドGを服用した後、水などをすぐに飲んでもいいのか!?
■PPI(プロトンポンプ阻害薬)vsH2ブロッカー(H2受容体拮抗薬) 比較
■胃薬っていっぱいあるけど、何が違うの!?
■胃全摘患者にビスフォスホネート製剤って投与可能なの!?


≪関連記事≫
■アルブミン製剤の使い分けは!?≪4.4%・5%と20%・25%アルブミン製剤≫
■アルブミン製剤の投与速度は!?
■低アルブミン血症患者に25%アルブミナーを投与後にラシックス(フロセミド)を投与するのは、なぜ!?
■アルブミン製剤の投与期間は!?

≪関連記事≫
■脂肪乳剤は、基本末梢投与です。
■イントラリポス保険請求切られました!!
■脂肪乳剤投与の役割


≪相互リンク≫

薬剤師の話
薬剤師のメモ帳
病院薬剤師日記

薬剤師の話:facebookページ

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。