2015年5月23日土曜日

■抗てんかん薬血中濃度測定の必要性

発作を止めるためには脳内の抗てんかん薬濃度を一定に保つことが必要である。
半減期より短い間隔で繰り返し薬を服用すると、半減期の4〜5倍の時間を経て定常状態となる。
血液中の濃度は脳内の抗てんかん薬の濃度を反映するため、定常状態の血中濃度が治療有効濃度に達しているかどうかが効果判定の機銃んとなる。
しかし、治療有効濃度は患者一人一人異なるものである。単剤で少量から投与開始し副作用なく発作を止めることができた濃度がその患者個人の有効濃度である。

▽血中濃度測定が必要な時
・薬剤の投与開始、投与変更,追加された場合
・中毒、副作用症状が疑われる場合
・コンプライアンスの確認
・新たな疾患、妊娠など患者の個体的,生理的変化があった場合

▽採決時期
定常状態に達した時期(急性中毒時は除く)

▽採血時間
基本的に投与直前(トラフ値)

≪主な抗てんかん薬の半減期・定常状態までの時間・治療域≫


薬剤名

半減期(時間)

定常状態までの時間()

治療域

(μg/ml)

バルプロ酸Na

12.92

24

40100

815(徐放錠)

57(徐放錠)

カルバマゼピン

326

37

312

フェニトイン

542

410

520

フェノバルビタール

20130

1421

1025

プリミドン

316

47

412

ゾニサミド

2460

1015

1030

クロナゼパム

2060

510

0.020.08

エトスクシミド

2060

512

40100


≪相互リンク≫
にほんブログ村:薬・薬剤師ブログ
人気ブログランキング:薬剤師

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。