2015年5月1日金曜日

■実は、さまざまな適応がある薬『ダイアモックス:アセタゾラミド』

≪商品名≫
ダイアモックス

≪成分名≫
アセタゾラミド

≪効能・効果≫
▽ダイアモックス末
緑内障、てんかん(他の抗てんかん薬で効果不十分な場合に付加)、肺気腫における呼吸性アシドーシスの改善、心性浮腫、肝性浮腫、月経前緊張症、メニエル病及びメニエル症候群

▽ダイアモックス錠250mg
緑内障、てんかん(他の抗てんかん薬で効果不十分な場合に付加)、肺気腫における呼吸性アシドーシスの改善、心性浮腫、肝性浮腫、月経前緊張症、メニエル病及びメニエル症候群、睡眠時無呼吸症候群

≪用法・用量≫
▽緑内障
通常、成人にはアセタゾラミドとして1日250〜1000mgを分割経口投与する。

▽てんかん(他の抗てんかん薬で効果不十分な場合に付加)
通常、成人にはアセタゾラミドとして1日250〜750mgを分割経口投与する。

▽肺気腫における呼吸性アシドーシスの改善、心性浮腫、肝性浮腫
通常、成人にはアセタゾラミドとして1日1回250〜500mgを経口投与する。

▽月経前緊張症
通常、成人にはアセタゾラミドとして1日1回125〜375mgを月経前5〜10日間または症状が発現した日から経口投与する。

▽メニエル病及びメニエル症候群
通常、成人にはアセタゾラミドとして1日1回250〜750mgを経口投与する。

▽睡眠時無呼吸症候群(ダイアモックス錠250mgのみ)
通常、成人にはアセタゾラミドとして1日250〜500mgを分割経口投与する。

※なおいずれの場合も、年齢・症状により適宜増減する。

≪吸収≫
健康成人12名にアセタゾラミド5mg/kgを1回経口投与したとき、血中濃度は2〜4時間後に最高値に達し、その値は20〜30μg/mlである。また、その半減期は約10〜12時間である。

≪睡眠時無呼吸症候群に対しての臨床成績≫
睡眠時無呼吸症候群に対して睡眠中の無呼吸数を減少させ、無呼吸により悪化した睡眠構築、血液ガス、種々の自覚症状を改善する。

≪薬効・薬理≫
炭酸脱水素酵素は、腎上皮・赤血球・脳・毛様体上皮などに存在し、生体内で、炭酸ガスと水から炭酸を生成する可逆反応(CO₂+H₂O⇄H₂CO₃)にあずかる酵素である。
アセタゾラミドは、この酵素を特異的に抑制し、以下の作用を発揮する。

▽眼圧低下
アセタゾラミドは毛様体上皮中に存在する炭酸脱水酵素の作用を抑制することによって房水の産生を減じ、眼圧を低下させるといわれている。

▽てんかん発作の抑制
アセタゾラミドは中枢神経組織内に存在する炭酸脱水酵素を抑制し、脳のCO2濃度を局所的に増大させることにより、脳の異常な興奮を抑制して、精神神経系の諸症状を緩解すると考えられている。

▽呼吸性アシドーシス・睡眠時無呼吸の改善
アセタゾラミドは炭酸脱水酵素抑制作用により肺胞中のHCO3⁻の尿中排泄を増加させるとともに、他方代謝性アシドーシスを起こし、H⁺を増加させる。増加したH⁺により呼吸中枢が刺激され、換気量が増大し、併せて低酸素・炭酸ガス換気応答が改善される。この換気量の増大により血中O2が増加し、CO2は減少し、呼吸性アシドーシス・無呼吸による睡眠中の低酸素血症が改善する。また、換気応答の改善により睡眠中の呼吸感受性が維持され、無呼吸の回数が減少する。
▽利尿
アセタゾラミドは腎上皮において炭酸脱水酵素の働きを抑制し、Na⁺並びにHCO3⁻の尿細管からの再吸収を抑制することによって利尿効果をあらわす。その効果は投与後6〜12時間持続する。

▽月経前緊張症の緩解
アセタゾラミドによる体内貯留水分の排泄、神経系に対する抑制作用が本症の症状を緩解するといわれている。

▽メニエル症候群の改善
メニエル症候群に対するアセタゾラミドの効果は内耳の局所的リンパ分泌抑制作用、利尿による内耳水腫の除去、中枢神経系に対する抑制作用等によるといわれている。




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