2015年5月28日木曜日

■関節リウマチ(RA)の検査

▽血液検査



炎症反応

CRP

短期間の指標。

発症後612時間で増加。

回復後24時間内に減少。

正常:0.3mg/dl以下。

ESR

(赤血球沈降速度)

長期間の指標。

男:15mm以下は正常。

女:20mm以下は正常。

貧血

赤血球数、Ht、Hb

慢性炎症状態による鉄非利用性の貧血を起こしやすい。

免疫反応

リウマトイド因子

(RF)

免疫グロブリンIgGのFc部分に対する自己抗体。RA患者血清の7080%に認められる。RAの関節液内ではIgG-RFの産生が亢進しており、RFは免疫複合体を形成。補体を活性化し、組織障害を起こす。

RA・慢性感染症・慢性肝疾患でも陽性。

抗CCP抗体

RFと同様自己抗体の一つ。

RAに対する疾患特異性が90%以上。

MMP-3

滑膜や血清中にある蛋白分解酵素。関節軟骨破壊に関与するため上昇。変形性関節症や外傷性関節炎や痛風などでは上昇をみない。

抗核抗体

細胞の核に対してできる自己抗体。

RAで20%が陽性。

全身性エリテマトーデスで80%。

免疫複合体

関節液に見つかることが多い。

補体

正常値:3044/ml。

RAではあまり変化せず。

全身性エリテマトーデスでは低下。

 

β-Dグルカン

真菌の細胞壁に含まれる成分深在性真菌症の診断。

血清蛋白分画

蛋白質アルブミン

グロブリン

(α1、α2、β、γ)

RA:α2とγが増加。

炎症が慢性で活発な場合はγが増加。

 
▽関節液の検査
通常の関節液は黄色透明で、ムチンを多く含むため適度な粘りを有している。しかし、RAになると、関節液は白く濁る。またムチンが減少するため、粘り気が低下する。RAの場合、関節液中にも炎症反応を示す白血球の増加傾向、リウマチ因子、免疫複合体が発現する。

 
▽X線検査
診断の確定のほか、病気の進行、初期段階の関節の変化も発見できる。エックス写真の特徴は、関節裂隙の狭小化、手足の関節の変形(尺側偏位)、骨びらん、骨のう胞状陰影などである。2030%は一過性に発症し軽快するが、80%程度は進行性に経過する。変形性関節症でよく見ることがある骨棘、骨硬化はRAでは通常は見られない。



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