2018年7月25日水曜日

■脳の機能を低下させる睡眠薬

現在も中心となって使われている睡眠薬で、睡眠導入剤というとこのタイプになるかと思います。

・ベンゾジアゼピン系
・非ベンゾジアゼピン系
・バルビツール酸系

 この3つのタイプがありますが、いずれもGABAの働きを強めることで催眠作用がもたらされます。 GABAは神経間の情報を伝えている物質(神経伝達物質)で、GABAが働くことで神経細胞の興奮が抑制されます。

 バルビツール酸系は、量が多くなるとGABAを介した間接的な働きだけでなく、直接神経細胞にも働いてしまいます(cl-チャネル)。このため中枢神経を抑制しすぎるリスクが高く、安全性が低いため使われなくなりました。

 ベンゾジアゼピン系・非ベンゾジアゼピン系の2つが主に使われています。どちらもGABA-A受容体のベンゾジアゼピン結合部位に作用するのですが、この結合部位はω1とω2という細かなタイプ(サブタイプ)に分かれています。

・ベンゾジアゼピン系:ω1+ω
・非ベンゾジアゼピン系:ω1 

それぞれのサブタイプは、

ω1:催眠作用
ω2:筋弛緩作用・抗不安作用

このような作用が期待できます。
このため非ベンゾジアゼピン系は、筋弛緩作用(ふらつき)が少ないお薬ということになります。
これらの脳の機能を低下させるタイプのお薬は計算がある程度でき、作用時間・強さから睡眠薬を選んでいきます。




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