■『自己主張』と『自分の言葉で伝える』ことの違い
▽自己主張自分の言いたいことをそのまま伝えること
▽自分の言葉で伝える
自分の言いたいことを相手の立場や考え方を考慮して理解してもらえるように伝えること
■自分の気持ちをちゃんと伝えたいなら感情語じゃなくて倫理語を使うのが大切
▽感情語
自分の気持ちをただ音にして表現している言葉。
他者意識は存在しない。
(例)『ムカつく』『ウザい』
▽倫理語
他者意識を前提として自分の気持ちや考えを理解してもらおうとして伝える言葉。(例)『寒い』『暑い』
■倫理の基本三原則
▽イコールの関係Aということを他者に伝えるためには、具体例を挙げたり、それを裏付けるエピソードを挙げたりと、Aを形を変えて繰り返します。
▽対立関係
Aをわかってもらうために、あえて反対のBを持ち出す場合があります。日本についてわかってもらうために、西洋と比べたり、現代を述べるために過去と比べたりします。
▽因果関係
Aを前提に、だからBになると、次の結論を導きます。A→(だから)Bである。
■倫理構造と接続詞
▽因果関係私は一生懸命勉強した(理由)。だから成績が上がった。
▽理由付け
私は成績が上がった。なぜなら一生懸命勉強したからだ(理由)。
▽逆接
私は一生懸命勉強した。しかし、成績は上がらなかった。
■倫理的な『イコールの関係』とは
A=A’抽象的=具体的
主張=具体例
主張=体験・エピソード
主張=引用
たとえられるもの=たとえるもの
※この関係が成り立たない主張は倫理的ではない。
■悩むことと考えることは違う!?
・悩むというのは、ただ漠然と思い悩むこと・考えるとは、物事を整理して判断すること。
■対比
自分がAと主張しなければならないということは、必ず反対意見のBという主張が存在するということ。Aを主張するならば、必ず反対のBを意識しながら筋道を立てていかなければなりません。
■企画書と商談では倫理の筋道の立て方が異なる。
▽企画書・読み手は不特定多数
・表情、口調などの倫理以外の要素が加わらない。
↓
倫理に裏付けがないと説得できない
↓
具体例が有効
▽商談
・面と向かって相手に伝える・人間は好悪に支配されがち
↓
倫理に他者意識が必要
↓
具体例より、体験・引用が有効
■倫理的に話す3要素
1.主張が明確であること主張は、場面によって『ポイント』『結論』『要するに』などに変わる。
まず最初に『一言で言いますと』などのように、最初に意見の全貌を短く話すと、その後の意見を聞いてもらいやすくなる。
『一言で言いますと』は、新聞の見出しのようなもの。
2.理由が明確なこと
主張には、必ず主張を支える理由が必要。言いたいことだけを主張されても、聞き手の『なぜ!?』という疑問に答えなければ、聞き手は理由がわからない主張を受け入れる気にはならないし、倫理的な話ではないと感じてしまう。
『理由』で『主張』を支えていないと、感覚的な話になってしまい、倫理性が薄くなってしまう。
倫理的に話すためには、『主張』とワンセットで、『理由』が整っていることが必要。
3.倫理シグナルが使われていること
倫理シグナルとは、話の全体構成の中で、話の区切り、区切りを倫理的に繋げていく接続詞のこと。倫理性を高める代表的な接続詞には、『つまり』『要するに』『従って』『なぜなら』『一方』『しかし』などがある。
倫理シグナルが使われていると、より筋道の通った話し方になる。
▼倫理シグナル
≪要約のシグナル≫前の内容を簡潔に言い換える、まとめる。
(例)要するに、つまり、従って
≪理由のシグナル≫
前の内容の理由を述べる(例)なぜなら、というのは、だから
≪転換のシグナル≫
前の内容から転じて別の内容を話す(例)さて、では、ところで
≪対比のシグナル≫
前の内容に対して、対比的に話す(例)一方、または、あるいは
≪逆説のシグナル≫
前の内容とは逆の内容を話す(例)しかし、ところが、けれども
▼会議・報告・説明などではおすすめできない接続詞
≪並列の接続詞≫内容を並列に列挙して並べて話す
(例)そして、それから、また、次に
■倫理的な思考・話し方の度合い(傾向)チェック
1.『要するに何が言いたいの?』と言われてしまうことがある。
2.話の順序は、思いつくままのことが多い。
3.起承転結で話すようにしている。
4.準備は最小限にして、その場で対応するほうだ。
5.反論されると感情的な発言をしてしまう。
6.経過や事実を先に話して、結論を最後に言うことが多い。
7.『なぜ?』『どうして?』と理由を聞くことが少ない。
8.理詰めで話す人は苦手だ。
9.『なぜ』と聞かれると、理由をすぐに言えないことが少なくない。
10.文章にすると、『句点』が少なく、『読点』で繋げて話す方だ。
11.自分自身が内容を十分に理解しないで話すことが多い。
12.話したいことがたくさんあって、話しきれない傾向がある。
13.話し始めると、話が長くなるほうだ。
14.話が終わって、言いたいことがいくつあったか曖昧になる。
15.キーワードを使うより、詳細に話すようにしている。
16.自分の体験談や具体例を話すと、なかなか元の話に戻れない。
17.時間配分は、事前に考えても現場で変わるので、あまり重視しない。
18.根拠となるデータや実例は、なかなか収集できないので、感覚で話す方だ。
19.相手の話を聞くよりは、話している方が好きだ。
20.『あれ』『それ』などの指示代名詞を使うことが多い。
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