2013年9月4日水曜日

■パーキンソン病の薬物療法...

 
■パーキンソン病治療の目的は、
・患者さんの症状の改善
・長期にわたるQOL(生活の質)の維持

■パーキンソン病の薬物療法
▽L-ドパ製剤
・パーキンソン病の患者さんは、身体を動かすために神経に命令を送るドパミンという物質が不足しています。
・L-ドパは、脳内に不足したドパミンを補う薬。
・振るえ・こわばりなどの症状に効き、身体もスムーズに動けるようになる。
・長い期間服用すると、患者さんによっては薬の効いている時間が短くなったり(ウェアリングオフ)、手足が勝手に動いたりする(ジスキネジア)などの問題が出ることがわかってきました。

▽ドパミン受容体刺激薬
・脳内でドパミンを受け取る部分を刺激して働きをよくする薬。
・パーキンソン病の症状全般に効く。
・飲み始めると幻覚・妄想・吐き気・悪心・食欲低下・眠気・めまい・ふらつきなどの副作用が起こることがある。飲んでいるうちに身体がだんだんと慣れて副作用が出なくなってくる。そのため少量から始めて徐々に増量していく。
・効き目は長く続くが、レボドパより弱い。

▽抗コリン薬
・脳の中のドパミンが減少すると、相対的にアセチルコリンという物質の働きが強くなるので、アセチルコリンの働きを抑えてドパミンとのバランスをとる薬。
・振るえや関節のこわばりに効果があります。
・ノルアドレナリンを補う薬。
・脳内でノルアドレナリンという物質に変わり、不足しているノルアドレナリンという物質を補う薬。
・歩き始めの第一歩目がなかなか出ない患者さんによく効くと言われます。起立性低血圧にも効きます。

▽ドパミンの放出を促進する薬
・L-ドパを補助する薬。
・関節のこわばりに効果があります。
・ドパミンが分解されるのを抑える薬
≪エフピー≫
脳内でドパミンを分解するモノアミン酸化酵素の働きを抑える薬。
≪コムタン≫
レボドパを体内で分解してしまうCOMTという酵素の働きを抑える薬。
*L-ドパ製剤と併用するとL-ドパの効果が弱くなるのを防いだり、オン・オフ減少を減らす効果があります。

▽アデノシンA2A受容体阻害薬 ノウリアスト錠
・大脳基底核の中にある神経細胞はアデノシンA2A受容体によって興奮的に働き、ドパミンによって抑制的に働きます。
・パーキンソン病患者ではドパミン量が減っていることによって、相対的にアデノシンA2A受容体による作用が強くなっています。
・アデノシンの受容体を阻害して、ドパミンとアデノシンのバランスを整える薬。
・ウェアリングオフ現象に対して有効。

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