ラベル 医療用語 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 医療用語 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2019年5月6日月曜日

■GI療法(じーあいりょうほう/グルコース・インスリン療法)とは、

 GI療法(じーあいりょうほう/グルコース・インスリン療法)とは、インスリンとブドウ糖を同時に投与して血液中のカリウム濃度を下げる高カリウム血症の治療法です。
 
 高カリウム血症は、血液中のカリウム濃度が高くなった状態(通常5mEq/Lを超える場合)を指します。特に6.5mEq/L以上では、重篤な不整脈を引き起こし致死的になることがありカリウム濃度を下げる必要があります。
 
 インスリンは、血中のブドウ糖とカリウムを同時に細胞内に取り込んで、血糖値を下げます。GI療法はこの性質を利用した治療法です。インスリンのみを投与すると低血糖になるためグルコースを補います。

 投与方法は、静脈注射か点滴注射で行い、内容は施設によって異なることが多いです。治療中は血糖測定を行い、低血糖症状(動悸、発汗、振戦、意識障害など)に注意が必要です。また心電図波形を観察(高カリウム血症ではP波の消失、QRS幅の延長、テント状T波、低カリウム血症ではST低下、T波の平定化、U波の増高など)、カリウム変動に伴う症状(高カリウム血症では脱力感、四肢のしびれ、低カリウム血症では四肢緊張の低下、全身倦怠感、周期性四肢麻痺)の出現に注意が必要です。特に腎機能の低下している患者ではインスリンの分解が遅いため、低血糖が遷延する場合があります。



▼血糖値300未満
50%ブドウ糖50mlにレギュラーインスリン10単位混注して静脈内投与
低血糖予防に10%ブドウ糖50ml 1時間で静脈内投与
血糖値を1時間ごとに測定、6時間までフォロー

▼血糖値300以上
レギュラーインスリン10単位静脈内投与
ブドウ糖追加投与は不要


②インスリンをブドウ糖34gに対し1単位(もし糖尿病があればブドウ糖2gに対し1単位)加えた2050%高張ブドウ糖液200300mlを、30分くらいで静脈内投与。


50%ブドウ糖50mlまたは10%ブドウ糖250mlまたは5%ブドウ糖500mlに速効性インスリン510単位を入れて静脈内に持続投与する。


④レギュラーインスリン510単位を静注し、この直後またはこれと同時に50%ブドウ糖50mlを迅速に投与する。低血糖予防のために、10%ブドウ糖50ml/時で引き続き投与する。



≪相互リンク≫
病院薬剤師 田浦マインド YOU TUBEチャンネル
薬剤師の話ブログ
病院薬剤師日記:田浦マインドブログ 
旧病院薬剤師日記
薬剤師の話:facebookページ
にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ

2018年7月23日月曜日

■お薬手帳とは!?

 『おくすり手帳』とは、自分が飲んでいるおくすりの「名前」・「量」・「飲み方」・「使用法」・「注意事項」・「管理の仕方」などを記録しておく手帳です。
 薬局では、この手帳に書かれた内容により「おくすりの飲み合わせに問題はないか」「同じおくすりが重複して処方されていないか」などを確認することができます。いろいろな医療機関にかかった場合でも、適切な処方を受けられるのでとても便利です。
 また、『おくすり手帳』は、病院・薬局に行く時だけではなく、ふだんも持ち歩くようにしましょう。地震などの災害が起きたときや緊急を要するときには必要なおくすりが正確にわかり、ふだん通りにおくすりを飲むための手助けとなります。特に高齢者の場合は、『おくすり手帳』を見てご家族の方も一緒におくすりの管理をすることができます。




≪相互リンク≫
薬剤師の話
病院薬剤師日記
旧病院薬剤師日記
薬剤師の話:facebookページ

2018年6月25日月曜日

■痛風発作とは!?

 尿酸が血液中に増えると尿酸が関節などに結晶となって付着します。その結晶がはがれると、炎症反応が起こり、強い痛みに襲われます。

 痛風発作の多くは、尿酸値が10mg/dL以上で発症しますが、尿酸値が高くても発症しない場合もありますし、10mg/dLより低くても発症する場合も少なくありません。




≪相互リンク≫
薬剤師の話
病院薬剤師日記
旧病院薬剤師日記
薬剤師の話:facebookページ

2018年4月20日金曜日

■ER型救急医療とは!?

 ERはemergency roomの略で,救急室,あるいは救急外来を意味する言葉である。近年,本邦では,従来の救命救急センターを主体とした3次救急医療に対して,ER型救急医療が注目されるようになり,『ER』がER型救急医療の意味に使用されることが多くなった。本来,ER型救急医療は北米型救急医療モデルのことであり,以下の特徴を有する。
①重症度,傷病の種類,年齢によらずすべての救急患者をERで診療する,
②救急医がすべての救急患者を診療する,
③救急医がERの管理運営をおこなう,
④研修医が救急診療する場合には,ERに常駐する救急専従医(attending emergency physician)が指導をおこなう,
⑤救急医はERでの診療のみを行い,入院診療を担当しない。
北米と医療体制の異なる本邦では,厳密に北米型救急医療モデルを遂行している医療施設は少ない。このため,医療施設によって上記の一部を満たすさまざまな診療形態がER型救急医療と呼称されている。



≪相互リンク≫
薬剤師の話
病院薬剤師日記
旧病院薬剤師日記
薬剤師の話:facebookページ

■ER型救急システムとは!?

 ER型救急システムとは、北米のER(ED: emergency department)で行われている救急システムを参考に作られたため『ER型』と名付けらました。基本的に全ての救急患者に対応する救急初期診療型で、ERで働くERドクター(ER専門医)は全ての科の初期診療を行います。また、walk inの患者にはトリアージナースが対応し、緊急性があるかないかの判断を行います。緊急性があると判断されれば、救急車で来院の患者同様、ERドクターの診療を緊急に受けることとなります。ERドクターは初期診療後、入院が必要な患者は全てその担当科に振り分け、入院患者や手術には基本的には関与しません。ERドクターが行う救急初期診療とは、診断・初期治療・advanced triage(disposition)をさします。ちなみに、advanced triage(disposition)とは、救急患者の方向性のことで、具体的には、帰宅させるのか入院させるのか、入院させるのならどの科にどの時点で話を持っていくかの判断のことです。



≪相互リンク≫
薬剤師の話
病院薬剤師日記
旧病院薬剤師日記
薬剤師の話:facebookページ

2018年4月18日水曜日

■1次救急、2次救急、3次救急の意味は!?

1次救急:軽症患者(帰宅可能患者)に対する救急医療
2次救急:中等症患者(一般病棟入院患者)に対する救急医療
3次救急:重症患者(集中治療室入院患者)に対する救急医療




≪相互リンク≫
薬剤師の話
病院薬剤師日記
旧病院薬剤師日記
薬剤師の話:facebookページ

2017年11月13日月曜日

■『ルンバール』とは!? そして、ルンバールの『適応』と『禁忌』とは!?


『ルンバールとは!?』

ルンバールは、腰椎部で行う脳髄液採取または検査のことであり、一般的には『腰椎穿刺』と言います。背中から腰椎と腰椎の間に針を刺し、脊髄くも膜下腔に存在する髄液を採取する手技であり、主に髄膜炎・脳腫瘍・くも膜下出血などの診断・検査に行います。
穿刺後に髄液の圧力を計り、糖や細胞数、蛋白などの各種データを測定するために56ml程度の髄液を採取しますが、この手技は難しいものではなく、15分~20分程度で終わる簡単なものです。
しかしながら、侵襲を伴う検査であるため、穿刺箇所や穿刺深度により合併症を発症することもあります。また、髄液を採取することで、髄膜や神経、静脈が下方に牽引され、鈍い頭痛を伴うことがあります。

【ルンバールの適応】

ルンバールが適応となるのは主に脳疾患や神経疾患です。これらの疾患の発症時には、髄液の値(圧・蛋白・糖など)が変化するために、髄液を採取し検査することで、病気の判別を行います。なお、一般的に適応となるのは以下の疾患です。
・髄膜炎
・くも膜下出血
・クモ膜下腔閉塞
・脳腫瘍
・特発性頭蓋内圧亢進症
・ギランバレー症候群
・多発性硬化症
・神経梅毒
・神経ペーチェット病
また、上記の疾患の判別だけでなく、場合によっては抗癌剤の髄注や脊髄造影のための造影剤注入の際にも行われます。
 

【ルンバールの禁忌】

・頭蓋内圧亢進が著しい場合(脳ヘルニア(大後頭孔ヘルニア)をきたすような頭蓋内圧亢進のみ禁忌)
・著しい出血傾向のある場合
・穿刺部位に感染巣がある場合
・脊髄の動静脈奇形がある場合
中でも気をつけなければいけないのが、頭蓋内圧が亢進している場合です。腫瘍や出血、膿瘍などによって頭蓋骨の中が圧迫された状態を「頭蓋内圧亢進」と言い、髄液を採取することで、脳圧が一気に下がり、大後頭孔を通って脳が外に飛び出す「脳ヘルニア」を発症する可能性があります。
ただし、髄膜炎などで頭蓋内圧が亢進している場合でも、腫瘍や出血、膿瘍などが原因で脳ヘルニアをきたす“可能性がない”場合には禁忌とはなりません。



■『セルフメディケーションとは!?』・『スイッチOTCとは!?』


『セルフメディケーションとは!?』

WHOの定義によれば、セルフメディケーションとは『自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること』とあります。

セルフメディケーションには、『病気を自分で治す』というよりは、『病気にならないように健康を維持する』という意味が強く込められています。
 

『スイッチOTC』

スイッチOTC薬とは、医療用医薬品として長い間使われた上で安全性が高いと認められ、一般医薬品としての市販が許可あされた薬を指します。

医療用医薬品と同じ成分を含んでいるため、従来の一般用医薬品よりも効き目が強く効果的だとも言われています。

現在では、目薬・水虫薬・アレルギー薬・鎮痛薬・胃薬など幅広い分野の薬がスイッチOTC薬として販売されています。

ガスターという胃薬がスイッチOTC薬として登場したのは有名でした。

ガスターはH2ブロッカーという制酸剤ですが、それまでH2ブロッカーは一般用医薬品として市販されたことがなかったため、画期的だということで話題となりました。

セルフメディケーションという言葉に代表されるように、自分の健康は自分で守ろうという時代の大きな流れがあります。

この背景には、社会の高齢化や増大する医療費の問題があります。

軽い症状に自分の判断で対処できるスイッチOTC薬は今後も増える傾向にあり、その活用が期待されます。




2017年11月8日水曜日

■フレイルとは!?

 フレイルは、もともとはFrailty(虚弱、脆弱などの意味)を語源として、2014年に日本老年医学会が提唱した用語である。加齢に伴い、ストレスに対する脆弱性が亢進し、生活機能障害、要介護状態の転帰に陥りやすい状態。筋力の低下により動作の俊敏性が失われて転倒しやすくなるような身体的状態と、うつ、認知症などからくる活動性の低下も含んでいる。Friedらの定義では、体重減少、疲れやすさの自覚、活動量低下、歩行速度の低下、筋力低下の5項目のうち、3項目の基準を満たすと、フレイルと診断される。
 低栄養が存在すると、サルコペニアに繋がり、活力低下、筋力低下・身体機能低下を誘導し、活動度、消費エネルギー量の減少、食欲低下をもたらし、さらに栄養不良状態を促進させるというフレイル(フレイルティ)サイクルが構築される。



2017年11月6日月曜日

■『アクティブ・エイジング』とは!?

世界保健機関(WHO)が高齢者施策の指針として掲げている用語で、生活の質を下げることなく、健康を維持し、社会参加を続けながら年を重ねて行くプロセスを言います。

『アクティブ』という言葉は、身体的に活動的でいられることや労働に従事する能力を持っていることだけを指すのではなく、社規的・経済的・文化的・精神的・市民的な様々な領域への継続的な参画活動を指します。

アクティブ・エイジングは、健康寿命を伸ばし、全ての人々が老後に生活の質を上げていけることを目的とし、友人・仕事仲間・隣人や家族などにおける世代間の連帯を重要な理念としています。