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2017年11月24日金曜日

■マリゼブ錠12.5mg・25mg【持続性選択的DPP-4阻害剤 経口糖尿病用剤】

≪製造・販売≫
MSD

≪一般名≫
オマリグリプチン

≪発売予定≫
201511

≪効能・効果≫
2型糖尿病

≪用法・用量≫
通常、成人にはオマリグリプチンとして25mgを1週間に1回経口投与する。

≪概要≫
マリゼブは、米国メルク社で開発された週に1回投与の持続性選択的DPP-4阻害剤である。

≪薬理作用≫
 本剤は、DPP-4のペプチダーゼ活性を阻害することで、インクレチン(GLP-1GIP)DPP-4による分解を抑制する。これにより、活性型インクレチン濃度を上昇させ、血糖依存的にインスリン分泌促進作用およびグルカゴン濃度低下作用を増強し血糖コントロールを改善する。

≪特徴≫
 本剤は、肝臓での代謝をほとんど受けず、未変化態として体内に幅広く分布する。そのため、血流により腎臓へ移行する薬物量は少なく、単位時間当たりの濾過量が少ないと考えられている。また、本剤の消失は主に腎排泄によるものであるが、本剤の高い膜透過性により腎臓で受動的に再吸収され、体内循環を繰り返すと想定されている。本剤は、未変化態として体内で作用する薬剤であり、これらのメカニズムにより長時間作用が持続し、週1回投与を実現していると考えられている。

≪同系統薬剤の薬価≫
・マリゼブ錠12.5mg:543.3/1
・マリゼブ錠25mg:1015.3/1
・ザファテック錠50mg:559.2/1
・ザファテック錠100mg:1045.1/1
・トルリシティ0.75mg:3586/1キット
・ビデュリオン2mg:3586/1キット


※参考:各薬剤インタビューフォーム




2015年9月19日土曜日

■SU剤とグリニド薬の併用はできるの!?

適応は認められていません。
SU薬とグリニド薬はいずれもインスリン分泌を促します。
膵β細胞のATP感受性カリウムチャネルに結合して作用を発揮し、結合部位を共有します。
したがって、一般に長時間作用型であるSU薬と短時間作用型のグリニド薬の併用意義は見出しにくいものと思われます。




2015年8月1日土曜日

■メトホルミン製剤は、ヨード造影剤の使用前になぜ休薬が必要なの!?

ヨード造影剤を用いて検査を行う患者においては、メトホルミン製剤の併用により乳酸アシドーシスを起こすことがあるため、検査前は一時的に中止することと添付文書に記載があります。
また、日本糖尿病学会から『糖尿病治療ガイド2012-2013』において、造影剤使用前後48時間は中止することが記載されています。
緊急の検査の場合は、造影剤使用によるアシドーシスについて患者への十分な説明と造影剤使用後の患者フォローが必要となってきます。



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2015年7月27日月曜日

■グルカゴン様ペプチド1(GLP-1)とグルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)の作用

≪GLP-1の作用≫
▽膵島
・血糖依存性グルカゴン分泌抑制(α細胞)
・血糖依存性インスリン分泌・産生刺激(β細胞)
・膵β細胞増殖亢進・アポトーシス抑制(β細胞)

▽消化管
・消化管運動抑制
・胃排泄遅延
・胃酸分泌抑制

▽脳
・食欲抑制
・神経細胞保護

▽心筋
・心筋保護作用
・心機能改善

▽肝臓
・肝糖産生抑制

▽脂肪細胞・筋肉細胞
・糖取り込み促進

▽骨
・甲状腺C細胞の増殖に働いて、カルシトニンレベル増加⇒骨吸収抑制

≪GIPの作用≫
▽膵島
・血糖依存性インスリン分泌促進
・グルカゴン分泌増加作用!?

▽脂肪組織
・脂肪細胞中性脂肪蓄積⇒全身インスリン感受性の低下

▽骨
・骨芽細胞活性化により、骨形成促進

※薬理学的なGIP投与は2型糖尿病悪化させることが示されている。




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2015年7月20日月曜日

■SU(スルホニルウレア)剤による二次無効とは!?

経口薬で、人によっては始めから十分に薬が効かないこともあり、これを『一次無効』と呼びますが、途中から効果がなくなることは『二次無効』と呼びます。
SU剤は、糖尿病治療薬として使用されているが、長期にわたって使用していると次第に効力が落ちてくることがあります(二次無効)

2008年の日本糖尿病学会では、『2型糖尿病でSU薬を初めて服用した人の30%に一次無効がみられ、10%の人に二次無効がみられた』という発表もありました。
この原因としては『SU剤が膵β細胞を疲弊させ,あるいは細胞数を減らしてしまうから』と説明されることが多いです。また『SU剤が膵β細胞を疲弊させるのではなく、高血糖が膵β細胞を傷害するのではないか。』という意見もある。



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2015年5月27日水曜日

■インスリン治療:BOT(Basal Supported Oral Therapy )とは!?

今、服用している飲み薬をそのままで続けながら『持効型』と呼ばれる効果が長く続くインスリンを1日1回だけ注射するインスリン治療法をBOT(Basal Supported Oral Therapy )といいます。
飲み薬と持効型インスリンの効果を合わせて血糖値を下げる方法です。
血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者さんでは、食後の高血糖だけでな空腹時の血糖値も上昇しています。このため空腹時高血糖が1日の血糖の推移を押し上げ、食後の血糖値が上昇する原因となっています。
持効型インスリンを補充して、空腹時の高血糖を改善することで、全体の血糖の推移が低下し、糖毒性(高血糖の状態によってインスリンの分泌が阻害されたり、インスリンの感受性が低下する状態)が改善され、本来の膵臓の機能が回復してくると食後高血糖の改善にも繋がります。

BOTとは、インスリンの追加分泌ではなく、基礎分泌を補うこと。



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2014年9月27日土曜日

■糖尿病患者数

日本の糖尿病患者数は、生活習慣や社会環境の変化に伴って、急速に増加している。国際糖尿病連合が発表した『Diabetes Atlas 2012 update』によると成人(2079)における世界の糖尿病人口は2012年時点で約37100万人とみられ、糖尿病有病率は約8.3%に上る。今後も増え続け、2030年には約55200万人、約9.9%に達すると予測されている。世界の糖尿病人口のランキングで、日本は第9位にランクインしている。
日本の成人における糖尿病人口は約7107700人で、うち糖尿病の診断を受けていない人が3511200人と推定されている。患者1人当たりの糖尿病による経済的損失は、約32万円に相当している。
糖尿病はひとたび発症すると治癒することは難しく、放置すると網膜症・腎症・神経障害などの合併症を引き起こし、失明したり透析治療が必要となることがある。さらに、糖尿病は、脳卒中や心血管疾患の発症・進展を促進することも知られている。これらの合併症は患者のQOLを著しく低下させるのみでなく、医療経済的にも社会に大きな負担を強いている現状であり、また今後も社会の高齢化にしたがって増大していくと考えられている。



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2014年6月19日木曜日

■SGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendation【2014年6月13日】

≪SGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendation【2014年6月13日】≫
SU薬などインスリン分泌促進薬やインスリンと併用する場合には、低血糖に十分留意して、それらの容量を減じる。患者にも低血糖に関する教育を十分行うこと。
・グリメピリド2mg/日を超えて使用している患者は2mg/日以下に減じる。
・グリベンクラミド1.25mg/日を超えて使用している患者は1.25mg/日以下に減じる。
・グリクラジド40mg/日を超えて使用している患者は40mg/日以下に減じる。

②高齢者への投与は、慎重に適応を考えたうえで開始する。発売から3ヶ月間に65歳以上の患者に灯油する場合には、前例登録すること。

③脱水防止について患者への説明も含めて十分に対策を講じること。利尿薬との併用は推奨されない。

④発熱・下痢・嘔吐などがあるときないしは、食思不振で食事が十分に摂れないような場合(シックデイ)には休薬する。

⑤本剤投与後、皮疹・紅斑などが認められた場合には、速やかに投与を中止し、副作用報告を行うこと。

⑥尿路感染・性器感染については、適宜問診・検査を行って、発見に努めること。問診では、質問紙の活用も推奨される。

⑦原則として、本剤は他に2剤程度までの併用が当面推奨される。

≪副作用の事例と対策≫
▽重症低血糖⇒併用糖尿病治療薬の減量を検討する。特にSU薬は、下記のように検討が必要。
グリメピリド2mg/日を超えて使用している患者は2mg/日以下に減じる。
グリベンクラミド1.25mg/日を超えて使用している患者は1.25mg/日以下に減じる。
グリクラジド40mg/日を超えて使用している患者は40mg/日以下に減じる。

▽ケトアシドーシス⇒血糖コントロールが良好であっても血中ケトン体増加が認められることがある。SGLT-2阻害薬投与に際しては、インスリン分泌能が低下している症例への投与ではケトアシドーシスの発現に厳重な注意が必要。同時に、栄養不良状態、飢餓状態の患者や極端な糖質制限を行っている患者に対するSGLT-2阻害薬は、ケトアシドーシスを発現させうることに一層の注意が必要。

▽脳梗塞⇒SGLT-2阻害薬は、体液量を減少することがあるので、適度な水分補給を行うよう指導すること、体液量減少を起こしやすい患者に対する十分な観察と適切な水分補給を必ず行い、投与中はその注意を継続する。また、脱水がビグアナイド薬による乳酸アシドーシスの重大な危険因子であることに鑑み、ビグアナイド薬使用患者にSGLT-2阻害薬を併用する場合には、脱水と乳酸アシドーシスに対する十分な注意を払う必要がある。

▽全身性皮疹、紅斑⇒全身性皮疹が7例報告されうち6例は重篤であり、また全身紅斑あるいは紅斑性皮疹が4例報告されうち3例が重篤であった。SGLT-2阻害薬投与後1日目から12日目の間に発症している。これらの重篤な皮膚障害は、治験時に殆ど認められていなかったものであるが、SGLT-2阻害薬投与との因果関係が疑われ、今後SGLT-2阻害薬投与に際しては十分な注意が必要である。尚、この全身性皮疹・紅斑が最初に発売されたSGLT-2阻害薬に特異的なこのクラスの薬剤に共通の副作用であるか、現時点では不明である。


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2014年5月21日水曜日

■ビグアナイド薬≪メトグルコ≫の適正使用に関するRecommendation

我が国のビグアナイド薬の投与患者において、諸外国と比べて必ずしも頻度は高くないものの乳酸アシドーシスが報告されている。乳酸アシドーシスは、しばしば予後不良で、死亡例も報告されており、迅速かつ適切な治療を必要とする。乳酸アシドーシスの発現を避けるためには、投与に当たり患者の病態・生活習慣などから薬剤の効果や副作用の危険性を勘案した上で適切な患者を選択し、患者に対して服薬や生活習慣などの指導を十分に行うことが重要である。

≪乳酸アシドーシスの症例に多く認められた特徴≫
・腎機能障害患者(透析患者を含む)
・脱水、シックデイ、過度のアルコール摂取など、患者への注意・指導が必要な状態
・心血管・肺機能障害、手術前後、肝機能障害などの患者
・高齢者
※高齢者だけでなく、比較的若年者でも少量投与でも、上記の特徴を有する患者で、乳酸アシドーシスの発現が報告されていることに注意。

Recommendation
まず、経口摂取が困難な患者や寝たきりなど、全身状態が悪い患者には投与しないことを大前提とし、以下の事項に留意する。
腎機能障害患者(透析患者を含む)
メトグルコを除くビグアナイド薬は、腎機能障害患者には禁忌である。
メトグルコは、中等度以上の腎機能障害患者には禁忌である。
SCr(酵素法)が、男性1.3mg/L・女性1.2mg/L以上の患者には投与を推奨しない。高齢者では、SCr値が正常範囲であっても実際の腎機能は低下していることが多いので。eGFRなども考慮して腎機能の評価を行う。ショック、急性心筋梗塞、脱水、重症感染症の場合やヨード造影剤の併用では急性増悪することがある。尚、SCrがこの値より低い場合でも添付文書の他の禁忌に該当する症例などで、乳酸アシドーシスが報告されている・

②脱水、シックデイ、過度のアルコール摂取などの患者への注意・指導が必要な状態
全てのビグアナイド薬は、脱水・脱水状態が懸念される下痢・嘔吐などの胃腸障害のある患者、過度のアルコール摂取の患者で禁忌である。以下の内容に患者に注意・指導する。また患者の状況に応じて家族にも指導する。シックデイの際には脱水が懸念されるので、いったん服薬を中止し、主治医に相談する。脱水を予防するために日常生活において適度な水分摂取を心掛ける。アルコール摂取については、過度の摂取を避け適量にとどめ、肝疾患などのある症例では禁酒する。

③心血管・肺機能障害、手術前後、肝機能障害などの患者
全てのビグアナイド役は、高度の心血管・肺機能障害(ショック、急性うっ血性心不全、急性心筋梗塞、呼吸不全、肺塞栓など低酸素血症を伴いやすい状態)、外科手術(飲食物の摂取が抑制されない小手術を除く)前後の患者には禁忌である。また、メトグルコを除く全てのビグアナイド薬は、肝機能障害には禁忌である(メトグルコでは、軽度〜中等度の肝機能障害には慎重投与である)

④高齢者
メトグルコを除くビグアナイド薬は、高齢者には禁忌である。メトグルコは、高齢者では慎重投与である。高齢者では、腎機能、肝機能の予備能が低下していることが多いことから定期的に腎機能、肝機能や患者の状態を慎重に観察し、投与量の調節や投与の継続を検討しなければならない。特に75歳以上の高齢者ではより慎重な判断が必要であり、原則として新規の患者への投与は推奨しない。

【日本糖尿病学会・日本糖尿病協会ホームページより】


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2013年11月22日金曜日

■乳糖不耐症

乳糖がラクターゼによって消化吸収されなくなると、高濃度の乳糖による浸透圧上昇により、腸管内に水分が引き込まれて下痢を起こす。また吸収されない乳糖は小腸を通して大腸に入り、腸内細菌によって発酵し、腹部膨満感と酸性便を起こす。

2013年11月21日木曜日

■α-GI(α-グルコシダーゼ阻害薬)の違いは!?

現在、日本で発売されているα-GIには、アカルボース(グルコバイ)・ボグリボース(ベイスン)・ミグリトール(セイブル)がある。

▼間接比較試験にて、食後血糖1時間値を抑えた順
セイブル50mg>グルコバイ100mg>ボグリボース0.3mg

▼間接比較試験にて、食後血糖2時間値を抑えた順
グルコバイ100mg>ベイスン0.3mg>セイブル50mg

▼ベイスンとセイブルのαグルコシダーゼ阻害作用は同程度で、グルコバイが若干強い。

▼グルコバイだけがアミラーゼ阻害作用を、セイブルだけがラクターゼ阻害作用を有する。

▼セイブルは他剤より下痢の副作用頻度が多い。乳糖不耐症の機序から考えて、セイブルのラクターゼ阻害作用が影響していることも考えられる。

▼グルコバイは、α-アミラーゼ阻害作用があり、二糖類に加えて、でんぷんやデキストリンの消化も阻害する。このことにより、糖の吸収を遅らせることができる半面、未消化糖の大腸への流入量が多くなり、そのことが放屁や腹部膨満感に副作用増加に繋がるとも考えられる。

▼ベイスンは、用量に比例し食後血糖値を抑制する。しかし、単糖類の吸収を阻害するのに十分な容量に設定すると、副作用の消化器症状の発現率が高くなる。α-GIとして最初に登場したグルコバイは、消化器症状の副作用の発現率が高かったので、それを踏まえ、ベイスンは消化器症状の副作用を増大させない範囲で用量設定された。

▼ベイスンは、他の2剤より消化器症状の発現頻度が少ない。グルコバイは、放屁・腹部膨満感・鼓腸が多い。セイブルは、下痢・腹部膨満感・鼓腸が多い。副作用は、グルコバイが2~3週間以内、ベイスン・セイブルが1週間以内に減少・消失する。




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