2019年12月23日月曜日

■ワクチン接種後は、接種部位をよく揉んだ方が良いのでしょうか!?

 以前は、ワクチン接種後に接種部位を揉んでいましたが、免疫獲得への影響に差が無いこと、強く揉むと皮下出血をきたすことがあることから、近年はあまり推奨されていません。軽く圧迫する程度にとどめておけばよいとされています。
参考:予防接種に関するQ&A集



≪相互リンク≫
にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ
PVアクセスランキング にほんブログ村

2019年9月23日月曜日

■アーリーダ錠は、いつ服用したらいいの!?

 アーリーダの服用用法についてです。
 アーリーダ錠は240mg服用時に、絶食投与に比べ、高脂肪食後の服用で、Tmax約2時間上昇・Cmax16%減少したとのデータがあります。しかし、AUCには意義のある影響は認められなかったそうです。そのため、空腹時でも食前服用でも食後服用でも、患者様が服用しやすいタイミングに服用していただくのでOKです。
回答:ヤンセンファーマ医薬情報担当者


≪相互リンク≫
にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ
PVアクセスランキング にほんブログ村

2019年8月30日金曜日

■内服薬でヨード禁の方に、外用剤のヨード系消毒剤を使用してよいか!?

 内服薬でヨードアレルギーを持っているということは、外用剤でも少なからずヨードアレルギーが起こる可能性が高いです。
 ヨード系の消毒剤以外の選択肢もあるかと思いますし、基本的には『内服薬のヨード禁の方には、外用剤のヨード系の消毒剤の使用は避けて欲しい。』と思います。




にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ
PVアクセスランキング にほんブログ村

2019年8月18日日曜日

■ペニシリンGカリウム注の持続投与について

ペニシリンGカリウム注は、半減期が短いため、1日6回の投与が推奨されています。
しかし、1日に6回の投与は、患者さんにとっても医療従事者にとっても負担が多い投与方法です。
そこで、ペニシリンGカリウムの持続投与について調べました。

≪基本投与方法≫
1回400万単位を1日6回投与する。

≪持続投与方法≫
輸液500ml+ペニシリンGカリウム600万単位を6時間かけて投与。
これを1日4回投与。
静脈炎予防のために、最低輸液量は300ml以上が推奨される。


※ペニシリンGカリウム注の持続投与については、推奨されている投与方法ではありません。有益性を考え、投与を検討してください。

にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ

2019年8月13日火曜日

■Glucose-Insulin療法とは!?

GI療法とは、Glucose-Insulin療法のことです。
その名の通りグルコース(ブドウ糖)とインスリンを投与します。

なぜ,この組み合わせで血清カリウム値を低下させることができるのでしょうか!?
それは,インスリンの働きによって細胞内へのK(カリウム)移行を促進させるからです。
インスリンは細胞膜のNa-K-ATPaseを活性化させます。
ブドウ糖が細胞内に取り込まれる際に,K(カリウム)も一緒に細胞内へ移動します。
この作用を利用して血清カリウム値を下げます。

インスリンだけ投与すると,当然,血中ブドウ糖濃度も低下してしまう(低血糖になってしまう)ために,予防的にブドウ糖を投与することとなります。

投与方法は、
・50%Glu50mL+インスリン10単位を静注
・50%Glu40mL+インスリン5単位を5~10分かけて点滴
・10%Glu500mL+インスリン10単位を30~60分で点滴
・50%Glu200mL+インスリン20単位を5~6時間かけて点滴
・5%Glu500mL or 10%Glu250mL+インスリン5~10単位を持続投与

だいたいブドウ糖2.5g~5gにインスリン1単位を基準にして考えてよさそうです。

投与速度や量は血糖値,K値を測定しながら調節します。
注意点としては,第一に低血糖に注意が必要です。
ほぼ全例で血糖が下がるので、血糖値チェックは必須です。

個人的な注意点としては速攻性が低いということも考慮しなければいけません。
高カリウム血症の補正に急を要する患者へは、別の治療法も考慮・検討していくことが必要だと思います。

2019年8月5日月曜日

■ベタニスとタンボコールは禁忌!!

 ベタニス(ミラベグロン)とタンボコール(フレカイニド)は禁忌です。

 ベタニスは、QT延長を起こすおそれがあることから、添付文書にも『不整脈を有する、あるいは不整脈を起こしや い状態の患者に投与する場合には、投与開始前に心電図検査等を行い患者の心血管系の状態に注意すること』との記載があります。加えて、ベタニスはCYP2D6を阻害する作用を持つため、同代謝酵素で代謝されるタンボコール(フレカイニド酢酸塩)の血中濃度が上昇するおそれがあるため併用禁忌となっています。
 

2019年8月4日日曜日

■高カリウム血症の病態は!?原因は!?

 高カリウム血症の病態は、一般的に神経筋症状(痙攣・反射消失)や筋力低下、消化器症状(悪心・嘔吐、下痢等)を引き起こすとされます。重症例では、心室細動または心停止を引き起こす心毒性が生じる恐れがあります。

 高カリウム血症の原因は、カリウム摂取量の増加・排泄の低下により起こります。特にカリウムの排泄低下が問題となります。ARBやカリウム保持性利尿薬やNSAIDsなどの薬剤、病態による急性の腎障害、慢性の腎障害、手術等の細胞障害と様々な原因があげられます。




≪相互リンク≫
薬剤師の話
病院薬剤師日記
旧病院薬剤師日記
薬剤師の話:facebookページ

2019年7月29日月曜日

■肝臓の位置と働き

肝臓は、人体の右上腹部、横隔膜の下にある人体最大の臓器(重さ1.2kg)です。
肝臓には、酸素が運ばれる肝動脈と呼ばれる門脈、そして栄養素やたんぱく質を全身へ送る肝静脈と呼ばれる血管が通っています。
肝臓は、これらの血管を通って入ってくる酸素や栄養素を使って、栄養素の代謝・貯蔵、たんぱく質の生成、有害物質(アンモニアなど)の解毒などの役割を果たしています。
このように、肝臓は生命維持にとても重要な臓器なのです。

<肝臓の働き>
①栄養素の代謝・貯蔵
②たんぱく質の生成
③有毒物質の解毒・排泄 




≪相互リンク≫
薬剤師の話
病院薬剤師日記
旧病院薬剤師日記
薬剤師の話:facebookページ

2019年6月23日日曜日

■離職率の計算方法

離職率の計算方法
「当該期間に離職した人÷当該期間の在籍者の人数×100

離職率は一定の期間内に「退職した人(分子)」を「在籍している人(分母)」の人数で割って、『100』をかけたもの。
  
≪ケース別の計算例≫
【ケース1
 社員200名の会社で、1年の間に5人の離職者がいる場合
5÷200×1002.5」離職率=2.5
 
【ケース2】新入社員を20人採用、1年の間に5人が離職した場合
5÷20×10025」離職率=25

【ケース3】新入社員を20人採用、3年の間に5人が離職した場合
5÷20×10025」離職率=25

【ケース4】中途入社で5人採用、3カ月の間に1人が離職した場合
 1÷5×10020」離職率=20

このように、離職率は、計算する期間をいつに定めるのか、対象者を誰にするかで変わります。

一般的には、年度初めからの1年間で離職率を計算することが多いです。




≪相互リンク≫
薬剤師の話
病院薬剤師日記
旧病院薬剤師日記
薬剤師の話:facebookページ

2019年5月29日水曜日

■タリージェの開発の経緯は!?

タリージェ錠(一般名:ミロガバリンベシル酸塩)は、第一三共株式会社が創製した電位依存性カルシウムチャネルα2δサブユニットに対するリガンドであり、新規の末梢性神経障害性疼痛治療剤です。α2δリガンドはシナプス前終末においてカルシウムイオンの流入を減少させ、興奮性神経伝達物質の放出を抑制することで痛みの緩和をもたらすと考えられています。本剤は、α2δサブユニットに強力かつ特異的に結合することで鎮痛作用を発揮します。また、神経障害性疼痛モデル動物を用いた検討では、疼痛閾値の上昇作用が示されました。


 
神経障害性疼痛は、国際疼痛学会により「体性感覚神経系の病変や疾患によって引き起こされる疼痛」と定義されており、原因となる神経の損傷部位の解剖学的な位置によって「末梢性神経障害性疼痛」と「中枢性神経障害性疼痛」に分類されます。末梢性神経障害性疼痛には、糖尿病性末梢神経障害性疼痛(diabetic peripheral neuropathic painDPNP)、帯状疱疹後神経痛(post-herpetic neuralgiaPHN)や、その他神経根障害等の多くの疾患が含まれます。日本で糖尿病が強く疑われる人は約1,000万人と推測されており、糖尿病患者さんのうち、DPNPを有する割合は約922%と報告されています。また、日本における帯状疱疹の年間発症数は約60万人とされており、そのうち、PHNを有する割合は1025%と報告されています。したがって、日本でも多くの患者さんが末梢性神経障害性疼痛を有していると考えられます。 

本剤は、第Ⅰ相試験で良好な忍容性、経口吸収性が確認された後、日本を含むアジア地域での国際共同試験として、DPNP患者さんを対象とした第Ⅱ相試験、DPNP患者さん及びPHN患者さんをそれぞれ対象とした第Ⅲ相試験を実施しました。その結果、本剤の有効性が検証され、安全性が確認されたことから、製造販売承認申請を行い、20191月に末梢性神経障害性疼痛を効能・効果としてタリージェ錠2.5mg5mg10mg及び15mgの承認を取得しました。

(第一三共社より)
 



≪相互リンク≫
薬剤師の話
病院薬剤師日記
旧病院薬剤師日記
薬剤師の話:facebookページ

■タリージェの食事の影響は!?

タリージェの吸収速度は食事により低下しますが、その影響は限定的であり、食事の有無によらず服薬可能と考えられました。
<外国人データ:タリージェインタビューフォーム>
タリージェの用法・用量における食前・食後の指示はありません
 
 

≪相互リンク≫
薬剤師の話
病院薬剤師日記
旧病院薬剤師日記
薬剤師の話:facebookページ

2019年5月28日火曜日

■タリージェの特徴

1)電位依存性カルシウムチャネルα2δ-1サブユニットに強力かつ持続的に結合(in vitro)し、鎮痛効果を発揮する国産の新規末梢性神経障害性疼痛治療剤。

2)日本人を含むアジア人を対象とした第Ⅲ相臨床試験で、優れた鎮痛効果を示している。

3)タリージェ30mg/日群では、投与開始1週目から平均疼痛スコアの低下を示している。

4)日本人を含むアジア人を対象とした第Ⅲ相臨床試験(長期投与期)において、52週にわたり鎮痛効果が維持されたことが確認されている。

5)臨床試験における副作用の発現状況は以下のとおり。
▽糖尿病性末梢神経障害性疼痛(DPNP
日本を含むアジアで実施したDPNP患者を対象とした臨床試験において、854例中267例(31.3%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められました。主な副作用は、傾眠107例(12.5%)、浮動性めまい77例(9.0%)、体重増加27例(3.2%)等でした。〔承認時〕

●帯状疱疹後神経痛(PHN
日本を含むアジアで実施したPHN患者を対象とした臨床試験において、553例中241例(43.6%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められました。主な副作用は、傾眠110例(19.9%)、浮動性めまい65例(11.8%)、体重増加37例(6.7%)等でした。〔承認時〕

重大な副作用として、めまい(頻度不明)、傾眠(頻度不明)、意識消失(0.1%未満)、肝機能障害(頻度不明)があらわれることがある。





≪相互リンク≫
薬剤師の話
病院薬剤師日記
旧病院薬剤師日記
薬剤師の話:facebookページ