ラベル 治療法 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 治療法 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2022年4月24日日曜日

■心不全について勉強まとめ:2022年4月23日

■心不全とは!?
心臓は全身に血液を送り出すポンプとして一日中、休むことなく働いています。心不全とは、『心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気』と定義されています。
最初は無症状だが、症状発症にて心不全に気づく!


■心不全の症状
・息切れ
・浮腫(むくみ)
・体重増加


【心不全】
ACE阻害薬:エナラプリルは、心不全による死亡率・入院率を16%下げる。
左室収縮脳低下に効果あり!


【心不全】
β遮断薬
ビソプロロール
・β1選択性:心臓選択的に作用。気管支へ影響少なく、喘息誘発する危険性比較的低い。
・ISA-:内因性の交感神経刺激作用がない。心臓への無用な刺激ないため、心臓を純粋に休ませるのに好都合。一方で、徐脈作用が強く、心不全発現に注意が必要。


【心不全】
ARB
・心不全予後改善効果
・ACE阻害薬が使えない人に良い(空咳)
・薬価は、ACE阻害薬に比べて高くなってしまう


【心不全】
抗アルドステロン薬
スピロノラクトン・エプレレノン
・心不全による入院・心血管死減少
・高カリウム血症増える
・スピロノラクトンの副作用(女性化乳房)


【心不全】
ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬
エサキセレノン(ミネブロ)
・左室収縮能低下に有効
・CKD(慢性腎臓病)の進行を防ぐ効果が期待できる
・高カリウム血症に注意必要


【心不全】
ハンプ
(1)血管拡張作用と利尿作用を有する急性心不全治療薬
(2)肺うっ血に伴う呼吸困難を改善
(3)後負荷軽減により、心拍出量を増加
(4)心拍数を上昇させないため、心筋酸素消費量を増加させない


【心不全】
アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI)
サクビトリルバルサルタン(エンレスト)
・ナトリウム利尿ペプチドの作用増大し、血管拡張、利尿、尿中ナトリウム排泄、交感神経系抑制、心肥大抑制及び線維化抑制等の多面的な作用
・ハンプに代わる内服薬として期待!


【心不全】
エンレスト(ARNI)vsエナラプリル(ACE阻害薬)
エンレストが、心血管死+心不全入院を20%減少!
今までの治療がより、良くなっている。
薬の進歩!
ただし薬価が上がる。
ACE阻害薬からエンレスト切り替え時は、36時間以上のウォッシュアウト必要。


【心不全】
SGLT2阻害薬
フォシーガ・ジャディアンス
・糖尿ある人にもない人にも、心不全に対して同等に効果あり。
・低血糖の副作用は、糖尿病ある人のみ起こる。
・脱水は取り上げられているほど、そこまで起こってない。
・EF低い群で効果あり。60%以上では有意差なし。


【心不全】
HCN4チャネル遮断薬
イバブラジン(コララン)
・弁の締まり悪いチャネルに有効。Na入ってくるため、漏れ方の程度で心拍数変わる。
・安静時心拍数75以上で使用。脈遅くする。
・副作用:光視症-視野の一部に光が走って見える現象。
・喘息でβブロッカー使えない人、血圧低くてβブロッカー増やせない人に。


【心不全】
可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激薬
ベルイシグアト(ベリキューボ)
・現時点では、使い方難しい
・65歳未満、75歳未満 若い人に効果あり
・NYHA分類 Ⅲ・Ⅳ 対象
・GFR高くても、低くても良くない
・EF低い群で効果あり


【心不全】
・日本 100万人以上罹患している
・今後、高齢化に伴い、ますます患者さん増えていく
・心不全による再入院を減らすことがポイント
・心不全治療は、患者さんが薬をしっかり服用してくれるかが、治療に影響をすごく与える!


【リフィル処方箋】
・1回の診察で3回まで薬をもらえるようになる。
・医師負担減らす↓
・薬剤師責任増↑
・医師の診察なく、薬渡す我々薬剤師の役割⇒患者さんの訴えや症状をしっかり確認して、必要に応じて病院受診を勧めるなど、フィードバックも的確に行っていく必要あり!



≪相互リンク≫

病院薬剤師の田浦マインド講座

2019年5月6日月曜日

■GI療法(じーあいりょうほう/グルコース・インスリン療法)とは、

 GI療法(じーあいりょうほう/グルコース・インスリン療法)とは、インスリンとブドウ糖を同時に投与して血液中のカリウム濃度を下げる高カリウム血症の治療法です。
 
 高カリウム血症は、血液中のカリウム濃度が高くなった状態(通常5mEq/Lを超える場合)を指します。特に6.5mEq/L以上では、重篤な不整脈を引き起こし致死的になることがありカリウム濃度を下げる必要があります。
 
 インスリンは、血中のブドウ糖とカリウムを同時に細胞内に取り込んで、血糖値を下げます。GI療法はこの性質を利用した治療法です。インスリンのみを投与すると低血糖になるためグルコースを補います。

 投与方法は、静脈注射か点滴注射で行い、内容は施設によって異なることが多いです。治療中は血糖測定を行い、低血糖症状(動悸、発汗、振戦、意識障害など)に注意が必要です。また心電図波形を観察(高カリウム血症ではP波の消失、QRS幅の延長、テント状T波、低カリウム血症ではST低下、T波の平定化、U波の増高など)、カリウム変動に伴う症状(高カリウム血症では脱力感、四肢のしびれ、低カリウム血症では四肢緊張の低下、全身倦怠感、周期性四肢麻痺)の出現に注意が必要です。特に腎機能の低下している患者ではインスリンの分解が遅いため、低血糖が遷延する場合があります。



▼血糖値300未満
50%ブドウ糖50mlにレギュラーインスリン10単位混注して静脈内投与
低血糖予防に10%ブドウ糖50ml 1時間で静脈内投与
血糖値を1時間ごとに測定、6時間までフォロー

▼血糖値300以上
レギュラーインスリン10単位静脈内投与
ブドウ糖追加投与は不要


②インスリンをブドウ糖34gに対し1単位(もし糖尿病があればブドウ糖2gに対し1単位)加えた2050%高張ブドウ糖液200300mlを、30分くらいで静脈内投与。


50%ブドウ糖50mlまたは10%ブドウ糖250mlまたは5%ブドウ糖500mlに速効性インスリン510単位を入れて静脈内に持続投与する。


④レギュラーインスリン510単位を静注し、この直後またはこれと同時に50%ブドウ糖50mlを迅速に投与する。低血糖予防のために、10%ブドウ糖50ml/時で引き続き投与する。



≪相互リンク≫
病院薬剤師 田浦マインド YOU TUBEチャンネル
薬剤師の話ブログ
病院薬剤師日記:田浦マインドブログ 
旧病院薬剤師日記
薬剤師の話:facebookページ
にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ

2016年9月1日木曜日

■社会不安障害(SAD)の認知行動療法

SADに対する主な認知行動療法】
  認知行動療法とは、気分や行動に影響するものの考え方や受け取り方(認知)の偏りを修正し、問題解決を手助けすることにより精神疾患を治療する精神療法です。
  SADに対する認知行動療法は、患者の精神状態が落ちついている時に薬物療法と並行して行い、不安や恐怖にとらわれている思考パターンを変えたり、緊張感を和らげることで回避行動を軽減させます。

≪認知修正療法≫
自分の行動が周囲の人に不快感を持たれているのかを再考し、実際に確認することで不安や恐怖を解消する。

≪曝露療法≫
あえて不安や恐怖を感じる状況を体験し、段階的に慣れてくることで回避行動を軽減する。

≪社会技術訓練≫
社交場面での対人方法を学び、不安や恐怖を軽減する。

≪不安対処訓練≫
不安や恐怖による過呼吸を防ぐための呼吸法や緊張感を和らげるためのリラクゼーション法を学ぶ。

≪集団認知行動療法≫
大勢の前で普段回避している行動をとり、客観的にどのように見えたかを話し合い、不安や恐怖を解消する。



≪相互リンク≫
薬剤師の話
薬剤師のメモ帳
病院薬剤師日記
にほんブログ村:薬・薬剤師ブログ

2016年8月30日火曜日

■社会不安障害(SAD)の薬物療法

SADは、発症年齢が早く、長年に渡り日常の社会生活が障害されてしまうため、早期に治療を行うことが重要で、薬物療法を基本に認知行動療法を平行して行う。

【薬物療法】
≪抗うつ薬:SSRI
・エスシタロプラム(レクサプロ)
・パロキセチン(パキシル)
・フルボキサミン(デプロメール、ルボックス)
SAD治療の第一選択薬。
再発予防のため、維持治療を1年以上することが望ましい。

SNRI
・ベンラファキシン
WFSBPガイドラインにおける一次治療薬。
『社会不安障害』の適応は無い。

≪ベンゾジアゼピン系≫
・クロナゼパム
・ロフラゼプ
不安症状が強い場合に頓服またはSSRIと併用する。
短期間の使用が望ましい。
『社会不安障害』の適応は無い。

≪β遮断薬≫
・プロプラノロール
頓服で用いる。
緊張場面や恐怖状況における動悸や発汗や震戦を抑える。
『社会不安障害』の適応は無い。



≪相互リンク≫
薬剤師の話
薬剤師のメモ帳
病院薬剤師日記
にほんブログ村:薬・薬剤師ブログ

2016年7月2日土曜日

■梅毒の治療

ペニシリンに耐性を持っている梅毒がないので基本的にペニシリンを使用する。
サワシリン 13回 1500mg (11500mg)


1期梅毒:24週間
2期梅毒:48週間
3期梅毒:812週間(病期が分からない時もこの長さで投与)

ペニシリンを使って治療することができない一部の患者さん、ペニシリン・アレルギーを持つ方の治療に際しては、ミノサイクリンを用いる。
また妊婦の方には、アセチルスピラマイシンなどを用いる。




≪関連記事≫
■妊婦の方のビタミンA過剰摂取は胎児に奇形を生じさせる可能性がある。
■妊婦へビタミンAは禁忌!?
■ディフェリンゲルは妊婦に禁忌!?
■妊婦が薬を飲んで薬の影響が大きい時期は!?
■妊婦への投与が禁忌である代表的な薬剤
■妊娠前には風疹抗体検査をした方がよい!!

2014年5月23日金曜日

■GI療法(グルコース・インスリン療法)とは、

≪GI療法(グルコース・インスリン療法)とは!?≫
高カリウム血症の治療法である。
グルコース(ブドウ糖)とインスリンを投与する。
インスリンは血中のグルコースを取り込んで血糖値を下げる。
この時にグルコースと血清中のカリウムは、くっついて細胞内に移動する。
この性質を利用してカリウム値を下げるというのが、GI療法です。
インスリンがブドウ糖を細胞内に取り込ませる際にカリウムを一緒に細胞内に移動させる作用を利用している。
インスリンのみを投与すると低血糖になるため、グルコースを補う。


≪GI療法(グルコース・インスリン療法)のやり方≫

▼血糖値300未満
50%ブドウ糖50mlにレギュラーインスリン10単位混注して静脈内投与
低血糖予防に10%ブドウ糖50ml 1時間で静脈内投与
血糖値を1時間ごとに測定、6時間までフォロー

▼血糖値300以上
レギュラーインスリン10単位静脈内投与
ブドウ糖追加投与は不要


②インスリンをブドウ糖34gに対し1単位(もし糖尿病があればブドウ糖2gに対し1単位)加えた2050%高張ブドウ糖液200300mlを、30分くらいで静脈内投与。


50%ブドウ糖50mlまたは10%ブドウ糖250mlまたは5%ブドウ糖500mlに速効性インスリン510単位を入れて静脈内に持続投与する。


④レギュラーインスリン510単位を静注し、この直後またはこれと同時に50%ブドウ糖50mlを迅速に投与する。低血糖予防のために、10%ブドウ糖50ml/時で引き続き投与する。



≪関連記事≫
■甘草による低カリウム血症に注意!!
■低カリウム血症を起こす頻度の高い薬剤
■低カリウム血症
■高カリウム血症の治療法:スローケー錠の添付文書より
■高カリウム血症とは

≪相互リンク≫
病院薬剤師 田浦マインド YOU TUBEチャンネル
薬剤師の話ブログ
病院薬剤師日記:田浦マインドブログ 
旧病院薬剤師日記
薬剤師の話:facebookページ
にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ