2015年6月26日金曜日

■補正カルシウム濃度とは!?

血清中のカルシウムのうち約40%は、血中の蛋白質(主にアルブミン)と結合しています。
5~15%は、クエン酸・リン酸・炭酸と錯塩を形成し、50%がイオン化カルシウムとして存在しています。
これらのカルシウムのうち、生理作用を持つのは、イオン化カルシウムのみです。
血液検査で測定している(血清Ca濃度)のはカルシウムの総数なので、アルブミンが低値の場合はアルブミンと結合したカルシウムが減り、血清Ca濃度の測定結果のみでは低カルシウム血症と判断されますが、生理的作用を持つのはイオン化カルシウムだけなのでイオン化カルシウムの値が正常であれば見かけ上の低カルシウムを気にする必要はありません。
透析患者さんは食事制限や透析によってイオン化カルシウムが喪失したり、また高齢者は食事量が少ないためアルブミンが低値となることがあるため、血液検査で測定された血清Ca値をアルブミンで補正した補正カルシウム濃度の値が用いられています。
透析患者や低アルブミン血症の患者では、次のPayne の式により血清(総)Ca濃度の補正を行います。

補正Ca濃度(mg/dl)=血清Ca濃度(mg/dl)-血清アルブミン濃度(g/dl)+ 4



≪関連記事≫
■投与速度に注意が必要な注射
■投与速度に注意が必要な注射:抗生物質・抗ウィルス薬
■投与速度に注意が必要な注射:循環器用薬
■アルブミン製剤の使い分けは!?≪4.4%・5%と20%・25%アルブミン製剤≫
■アルブミン製剤の投与速度は!?
■低アルブミン血症患者に25%アルブミナーを投与後にラシックス(フロセミド)を投与するのは、なぜ!?
■アルブミン製剤の投与期間は!?

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。