2018年2月21日水曜日

■グリホサート剤(アミノ酸系除草剤)中毒について

■グリホサート剤(アミノ酸系除草剤)中毒症状について

【品名・成分名・含有量】
・ラウンドアップ(液剤)
 グリホザート 41.0%
 界面活性剤 15.0%
 水       44.0%

【性状】
黄褐色の水溶液でpH4.8.無臭

【中毒量・致死量】
ヒト経口推定致死量:2ml/kg

【毒性機序】
・皮膚、粘膜に対する刺激作用
・消化管に対する刺激・腐食作用
・血管透過性の亢進や細胞膨化によるhypovolemic shok惹起作用

【中毒症状】
≪経口の場合≫
▼少量(100ml未満)
・咽頭部の疼痛・炎症・悪心・嘔吐
・胃部不快感・腹痛・下痢
これらの胃腸症状も約1週間で回復

▼大量(100ml以上)
・口腔、気道の高度の浮腫
・胃粘膜のびらん、出血ときに麻痺性イレウス
・激しい嘔吐、下剤による脱水
・アシドーシス、膵炎、過呼吸、発汗、顔面紅潮
・乏尿、急性腎炎、血圧経過、頻脈、筋肉痛、意識障害、全身浮腫、肺水腫、溶血、除脈、呼吸不全、心不全、昏睡
重篤な場合は多臓器不全により24~72時間で死亡
・主病態は低用量性ショック

≪吸入の場合≫
咽頭、喉頭痛、下痢

≪眼に入った場合≫
一過性の結膜炎
※(体内動態)消化管からの吸収率は15~35%で、経口摂取後1~2時間で最高血中濃度となり、主な排泄経路は尿中で、一部は糞便中に排泄される。

【処置法】
≪経口の場合≫
①胃洗浄:意識障害あれば気管挿管してから行う。
②吸着剤:活性炭40~60g→水200mlの投与
③下剤:マグコロールP(1包→水200ml)の投与
     大量摂取時には上記の1/4~1/2量を4~5時間毎に投与すると効果的である。
④大量輸液:電解質の補正も行う(血圧と尿量の維持のため必要)
        アシドーシスの補正・・・炭酸水素ナトリウム注(メイロン注)の投与
⑤循環管理
⑥対症療法:
  胃粘膜保護剤:(アルロイドG・アルサルミンなど)の投与
  制酸剤:H2ブロッカーの投与
  膵炎:FOY・フサン・ミラクリッドの投与
⑦重症の場合
 血液透析(HD)、血液吸着(DHP)などを行う。
     
≪吸入の場合≫
①新鮮な空気のところへ移す
②対症療法

≪眼に入った場合≫
①流水で15分間以上十分に洗浄する。
②ヒアレイン点眼液、フラビタン眼軟膏、抗菌剤点眼液などの投与


≪相互リンク≫
薬剤師の話
薬剤師のメモ帳

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