2013年10月1日火曜日

■脂肪乳剤投与により、呼吸困難が起こる理由について考えてみました!!

【脂肪乳剤投与により、呼吸困難が起こる理由について考えてみました】
脂肪乳剤の点滴を投与すると、副作用として呼吸困難の副作用が報告されています(特に小児に多い)が、その副作用の起こる機序について考えてみました。
一般的な考え方としては、糖質を投与する割合を下げ、脂肪を投与する割合を上げると呼吸商が下がるので、呼吸は楽になってくると考えられます。
それが製品として発売されているのが、プルモケアなどでしょう。
じゃあ、なぜ呼吸障害を起こすのでしょう!?
脂肪乳剤点滴の呼吸困難の副作用の機序(仮説)ですが、脂肪乳剤を投与することにより、TG(トリグリセリド)が上昇し、高脂血症となり、肺の換算機能の低下(肺機能の低下)を起こし、O2濃度の低下となり、呼吸困難になるという説があるようです。
分かりにくい説明で申し訳ありませんが、呼吸商が下がるというのは、糖質⇒脂肪にエネルギー源を変えるのであれば呼吸商は下がると思いますが、TG(トリグリセリド),脂肪自体の量が増えてしまっては、(代謝しなければいけない量が一気に増えるため)呼吸商は増えてしまいますもんね。なので、結局は、脂肪代謝が未熟な小児では、体内では高脂血症の状態となり、代謝しなければいけない脂肪の量が増え、呼吸困難が発症する確立は高くなるのではないでしょうか。
という仮説がもしも当てはまるのであれば、脂肪乳剤の投与スピードをゆっくり投与すれば、脂肪乳剤の点滴による呼吸困難も副作用ももしかしたら起こりにくくなるのではないでしょうか。
このこともあるからか、脂肪乳剤の点滴は、スピードをゆっくり投与するよう推奨されています。
さらにここを応用すれば呼吸状態の悪い患者様には、全般的に注入食などの投与スピードをゆっくり時間をかけて投与した方が、呼吸状態的にいい結果になるのではないでしょうか。
途中からは、自分の勝手な想像による解釈なので、合ってるかは怪しいですが、こういうことも考えられるのではないでしょうか。
■脂肪乳剤の投与速度:0.1g/kg/時以下
10%イントラファット200ml ダイズ油20g⇒約220kcal
∇体重30kgの場合:3g/時以下
10%イントラファット200ml1本投与するには、6時間40分以上かけたほうが良い
∇体重35kgの場合:3.5g/時以下
10%イントラファット200ml1本投与するには、5時間45分以上かけたほうが良い
∇体重が40kgの場合:4g/時以下
10%イントラファット200ml1本投与するには、5時間以上かけたほうが良い。
∇体重が45kgの場合:4.5g/時以下
10%イントラファット200ml1本投与するには、4時間26分以上かけたほうが良い。
∇体重が50kgの場合:5g/時以下
10%イントラファット200ml1本投与するには、4時間以上かけたほうが良い。
∇体重が55kgの場合:5.5g/時以下
10%イントラファット200ml1本投与するには、3時間40分以上かけたほうが良い。
∇体重が60kgの場合:6g/時以下
10%イントラファット200ml1本投与するには、3時間20分以上かけたほうが良い。


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