2017年4月5日水曜日

■妊婦へビタミンAは禁忌!?


 ビタミンAは皮膚や粘膜、目を健康に保つ効果があるビタミンで、妊娠中でも欠かせない栄養素です。しかし、ビタミンAは脂溶性のために、水溶性の葉酸などが尿で排出されるのと異なり、過剰摂取は体内にビタミンAを蓄積してしまいます。 妊娠初期の妊婦が過剰摂取すると、胎児の先天奇形のリスクはが高まると云われます。
 ビタミンAがなぜ妊婦に悪いの!?

 まずは、ビタミンAの働きを説明しましょう。ビタミンAの主な作用は、視覚作用と全身作用に分けられます。ビタミンAは、視覚調整に関与しているため、不足すると夜盲症になります。夜盲症とは鳥目とも呼ばれていますが、暗さに目が慣れるのがおそくなり、暗いところで見えにくくなります。また、細胞の分化や発生,生物の正常な成長促進作用や皮膚粘膜形成などにも関与しているため、皮膚の乾きや丘疹ができたり、粘膜の抵抗性が低下して感染症にかかりやすくなります。したがって、体にとっては必要不可欠です。

 なぜ、ビタミンAが妊婦に悪いのでしょうか!?

 ビタミンAのもう1つの働きとして、骨格の配置や形を決める遺伝子や骨格のパターン形成を制御する遺伝子の制御に関与していると言われています。したがって、骨格形成に関わる胎児期に、ビタミンAが過剰に存在すると、遺伝子の制御が乱れてしまい、骨奇形を生じてしまいます。これがビタミンAによる催奇形性のメカニズムです。

 どれだけ摂取するとまずいのでしょうか!?

 ビタミンAの奇形発症率は、1日あたりの摂取量が1.5mg5,000IU IUは国際単位で1IU0.3μg)以上で1.3%、4.5mg15,000IU)以上で3.0%という報告があります。この量は、普通の食生活では、通常摂り得ない量なので特に心配する必要はありません。サプリメントなどにより、必要以上に摂らなければ大丈夫です。ちなみに、ビタミンAの所要量は成人において男性0.6mg2,000IU)女性0.54mg (1,800IU)となっています。

 妊娠初期(3ヶ月まで)の妊婦や妊娠の可能性のある女性は、ビタミンAの過剰摂取により、胎児に奇形が発症することがありますのでサプリメントなどは控えること。また、治療によりビタミンAを服用中の方は、妊娠する前に必ず医師・薬剤師に相談すること。




≪関連記事≫
■妊婦の方のビタミンA過剰摂取は胎児に奇形を生じさせる可能性がある。
■妊婦へビタミンAは禁忌!?
■ディフェリンゲルは妊婦に禁忌!?
■妊婦が薬を飲んで薬の影響が大きい時期は!?
■妊婦への投与が禁忌である代表的な薬剤
■妊娠前には風疹抗体検査をした方がよい!!

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。