2015年5月2日土曜日

■心房細動とは、どんな病気なの!?

心房細動とは不整脈(心臓が規則正しく拍動できなくなった状態)の一種で、心臓の『心房』と呼ばれる部屋全体が痙攣するように小刻みに震え、規則正しい拡張と収縮が出来なくなった状態をいいます。
心房細動そのものが、ただちに命を脅かすことはありませんが、心房細動があると、心房内に血のかたまり(血栓)ができて心不全が引き起こされたりすることもあります。

≪心房細動の自覚症状≫
心房細動では脈が飛ぶ、ドキドキする、息切れ、眩暈、疲労感などの症状が現れることがあります。しかし、無症状のことも多く、定期検診の心電図検査などで初めてみつかることも少なくありません。

≪心房細動の原因≫
心房細動は、心臓に病気がある場合だけでなく、ストレスや不規則な生活習慣が原因で引き起こされることがあります。
この他にも、加齢や高血圧、糖尿病、甲状腺機能亢進症といった病気の合併など様々な原因が考えられます。
▼心臓に関係するもの
・高血圧
・心不全
・狭心症
・弁膜症
・心筋梗塞
▼心臓に関係しないもの
・加齢
・肥満
・糖尿病
・甲状腺機能亢進症
・ストレス
・アルコール
・喫煙

≪心房細動は脳梗塞を起こします≫
心房細動があると、心房内の血流が乱れて滞るため、心房内に血のかたまり(血栓)ができやすくなります。
血栓が血流に乗って脳に運ばれ、脳の血管を詰まらせると脳梗塞(心原性脳塞栓症)を起こします。
心房細動患者が、脳梗塞を起こすと52%が、死亡・寝たきり・要介護(介護が必要)になるという報告もあります。

≪心房細動が原因で起こる脳梗塞の予防には『抗凝固薬』が有効≫
心房細動が原因で起こる脳梗塞を予防するためには、血液が固まりやすくなっている状態を改善し、心臓に血栓ができるのを防ぐ抗凝固薬が有効です。

≪抗凝固薬の種類≫
・ビタミンK拮抗薬
・直接トロンビン阻害薬
・第Ⅹa因子因子阻害薬



≪関連記事≫
■単剤投与してほしい注射剤
■ランサップ400とランサップ800の使い分けは!?
■アルロイドGを服用した後、水などをすぐに飲んでもいいのか!?
■PPI(プロトンポンプ阻害薬)vsH2ブロッカー(H2受容体拮抗薬) 比較
■胃薬っていっぱいあるけど、何が違うの!?
■胃全摘患者にビスフォスホネート製剤って投与可能なの!?


≪関連記事≫
■アルブミン製剤の使い分けは!?≪4.4%・5%と20%・25%アルブミン製剤≫
■アルブミン製剤の投与速度は!?
■低アルブミン血症患者に25%アルブミナーを投与後にラシックス(フロセミド)を投与するのは、なぜ!?
■アルブミン製剤の投与期間は!?

≪関連記事≫
■脂肪乳剤は、基本末梢投与です。
■イントラリポス保険請求切られました!!
■脂肪乳剤投与の役割


≪相互リンク≫

薬剤師の話
薬剤師のメモ帳
病院薬剤師日記

薬剤師の話:facebookページ

2015年5月1日金曜日

■低カリウム血症を起こす頻度の高い薬剤

Kが細胞内へ移行≫
▽重曹静注
・メイロン注

▽β2刺激薬
・セレベント
・メプチン
・プロカプチン
・ベネトリン
・サルタノール

▽インスリン製剤
 

≪腎臓からのK排泄促進≫
▽ループ系利条薬
・ラシックス
・ダイアート

▽チアジド系利尿薬
・フルイトラン

▽グリチルリチン配合剤
・ヒシファーゲンC

▽副腎皮質ステロイド
・プレドニン
・サクシゾン
・リンデロン

▽アムホテリシンB
・ファンギゾンシロップ



≪関連記事≫
■単剤投与してほしい注射剤
■ランサップ400とランサップ800の使い分けは!?
■アルロイドGを服用した後、水などをすぐに飲んでもいいのか!?
■PPI(プロトンポンプ阻害薬)vsH2ブロッカー(H2受容体拮抗薬) 比較
■胃薬っていっぱいあるけど、何が違うの!?
■胃全摘患者にビスフォスホネート製剤って投与可能なの!?


≪関連記事≫
■アルブミン製剤の使い分けは!?≪4.4%・5%と20%・25%アルブミン製剤≫
■アルブミン製剤の投与速度は!?
■低アルブミン血症患者に25%アルブミナーを投与後にラシックス(フロセミド)を投与するのは、なぜ!?
■アルブミン製剤の投与期間は!?

■実は、さまざまな適応がある薬『ダイアモックス:アセタゾラミド』

≪商品名≫
ダイアモックス

≪成分名≫
アセタゾラミド

≪効能・効果≫
▽ダイアモックス末
緑内障、てんかん(他の抗てんかん薬で効果不十分な場合に付加)、肺気腫における呼吸性アシドーシスの改善、心性浮腫、肝性浮腫、月経前緊張症、メニエル病及びメニエル症候群

▽ダイアモックス錠250mg
緑内障、てんかん(他の抗てんかん薬で効果不十分な場合に付加)、肺気腫における呼吸性アシドーシスの改善、心性浮腫、肝性浮腫、月経前緊張症、メニエル病及びメニエル症候群、睡眠時無呼吸症候群

≪用法・用量≫
▽緑内障
通常、成人にはアセタゾラミドとして1日250〜1000mgを分割経口投与する。

▽てんかん(他の抗てんかん薬で効果不十分な場合に付加)
通常、成人にはアセタゾラミドとして1日250〜750mgを分割経口投与する。

▽肺気腫における呼吸性アシドーシスの改善、心性浮腫、肝性浮腫
通常、成人にはアセタゾラミドとして1日1回250〜500mgを経口投与する。

▽月経前緊張症
通常、成人にはアセタゾラミドとして1日1回125〜375mgを月経前5〜10日間または症状が発現した日から経口投与する。

▽メニエル病及びメニエル症候群
通常、成人にはアセタゾラミドとして1日1回250〜750mgを経口投与する。

▽睡眠時無呼吸症候群(ダイアモックス錠250mgのみ)
通常、成人にはアセタゾラミドとして1日250〜500mgを分割経口投与する。

※なおいずれの場合も、年齢・症状により適宜増減する。

≪吸収≫
健康成人12名にアセタゾラミド5mg/kgを1回経口投与したとき、血中濃度は2〜4時間後に最高値に達し、その値は20〜30μg/mlである。また、その半減期は約10〜12時間である。

≪睡眠時無呼吸症候群に対しての臨床成績≫
睡眠時無呼吸症候群に対して睡眠中の無呼吸数を減少させ、無呼吸により悪化した睡眠構築、血液ガス、種々の自覚症状を改善する。

≪薬効・薬理≫
炭酸脱水素酵素は、腎上皮・赤血球・脳・毛様体上皮などに存在し、生体内で、炭酸ガスと水から炭酸を生成する可逆反応(CO₂+H₂O⇄H₂CO₃)にあずかる酵素である。
アセタゾラミドは、この酵素を特異的に抑制し、以下の作用を発揮する。

▽眼圧低下
アセタゾラミドは毛様体上皮中に存在する炭酸脱水酵素の作用を抑制することによって房水の産生を減じ、眼圧を低下させるといわれている。

▽てんかん発作の抑制
アセタゾラミドは中枢神経組織内に存在する炭酸脱水酵素を抑制し、脳のCO2濃度を局所的に増大させることにより、脳の異常な興奮を抑制して、精神神経系の諸症状を緩解すると考えられている。

▽呼吸性アシドーシス・睡眠時無呼吸の改善
アセタゾラミドは炭酸脱水酵素抑制作用により肺胞中のHCO3⁻の尿中排泄を増加させるとともに、他方代謝性アシドーシスを起こし、H⁺を増加させる。増加したH⁺により呼吸中枢が刺激され、換気量が増大し、併せて低酸素・炭酸ガス換気応答が改善される。この換気量の増大により血中O2が増加し、CO2は減少し、呼吸性アシドーシス・無呼吸による睡眠中の低酸素血症が改善する。また、換気応答の改善により睡眠中の呼吸感受性が維持され、無呼吸の回数が減少する。
▽利尿
アセタゾラミドは腎上皮において炭酸脱水酵素の働きを抑制し、Na⁺並びにHCO3⁻の尿細管からの再吸収を抑制することによって利尿効果をあらわす。その効果は投与後6〜12時間持続する。

▽月経前緊張症の緩解
アセタゾラミドによる体内貯留水分の排泄、神経系に対する抑制作用が本症の症状を緩解するといわれている。

▽メニエル症候群の改善
メニエル症候群に対するアセタゾラミドの効果は内耳の局所的リンパ分泌抑制作用、利尿による内耳水腫の除去、中枢神経系に対する抑制作用等によるといわれている。




≪相互リンク≫
にほんブログ村:薬・薬剤師ブログ

2015年4月29日水曜日

■ドパミン受容体刺激薬:薬の進化



■ドパミン受容体刺激薬:薬の進化
ビ・シフロール錠:1日4回内服

ミラペックスLA錠:1日1回内服

ニュープロパッチ:1日1回貼付...

*ニュープロパッチは貼付剤のため、内服薬に比べ血中濃度のバラつきが少ない。

■貼付剤のメリット
・標的部位に対して直接効果が期待できる。 ・肝初回通過効果を回避できる。 ・消化管への負担が少なく胃腸障害が軽減できる。
・薬効の持続性がある。 ・血中濃度のバラつきが少ない(長時間にわたる血中濃度の維持)。
・全身性の副作用が軽減できる。 ・副作用発現時には剥離することにより簡単に投与を中止できる。
・嚥下困難な患者でも投与可能である。
・患者が認知症の場合、家族や介護者が貼り付けることで飲み忘れを防ぐことが可能である。

■貼付剤のデメリット
・皮膚を透過できる成分でないと製剤化が難しい。
・ピッタリと皮膚に貼らないと十分な効果が得られない。
・皮膚への刺激性がある。
・貼付部位が決められている(範囲内で貼る場所を変える)。

◇L-ドパ製剤の貼付剤が 発売されないかな・・・。




≪相互リンク≫
にほんブログ村:薬・薬剤師ブログ
人気ブログランキング:薬剤師
 
 

2015年4月28日火曜日

■タミフルの異常行動・言動の副作用について

インフルエンザ経過中の異常行動・言動は、タミフル投与との関連性が疑われるとして10代患者では慎重投与が求められており、現実には禁忌と認識されている。
これは、日本だけの措置である。
しかし、この異常行動・言動はインフルエンザ脳症そのものによる可能性が高い。
タミフル投与の有無に関わらず異常行動・言動は見られるのであるから、保護者へはタミフル投与であってもなくても、また他の薬剤投与であっても、発熱が続く間は厳重な観察が必要である。
2009年6月16日の厚生労働省薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策調査会報告では、2006年~2007年シーズンのインフルエンザ患者で、軽微なものを含めた異常行動・言動が発現した確率は、
・タミフル投与群:11%(840例/7438例)
・タミフル非投与群:13%(286例/2228例)
であった。
データ的には、タミフルは、異常行動・言動を優位に抑えたことになるが、調査自体が
患者背景を揃えておらず、厳密な比較試験ではないため、最終的な結論は得られていない。
どちらにせよ、タミフル投与の有無に拘らず異常行動・言動は見られるのであるから、患者の保護者へは、タミフル投与であってもなくても、また他の薬剤投与中であっても、発熱が続く間は厳重な観察が必要である旨を伝えるべきである。

≪タミフルの異常行動に関しての警告欄≫
10歳以上の未成年の患者においては、因果関係は不明であるものの、本剤の服用後に異常行動を発現し、転落などの事故に至った例が報告されている。このため、この年代の患者には、合併症・既住歴などからハイリスク患者と判断される場合を除いては、万が一の事故を防止するための予防的な対応として、タミフルによる治療が開始された後は、
①異常行動の発現のおそれがあること
②自宅において療養を行う場合、少なくとも2日間、保護者などは小児・未成年者が一人にならないよう配慮することについて患者・家族に対し説明を行うこと。
なお、インフルエンザ脳症などによっても、同様の症状が現れるとの報告があるので、上記と同様の説明を行うこと。




≪相互リンク≫
にほんブログ村:薬・薬剤師ブログ
人気ブログランキング:薬剤師