2015年4月28日火曜日

■タミフルの異常行動・言動の副作用について

インフルエンザ経過中の異常行動・言動は、タミフル投与との関連性が疑われるとして10代患者では慎重投与が求められており、現実には禁忌と認識されている。
これは、日本だけの措置である。
しかし、この異常行動・言動はインフルエンザ脳症そのものによる可能性が高い。
タミフル投与の有無に関わらず異常行動・言動は見られるのであるから、保護者へはタミフル投与であってもなくても、また他の薬剤投与であっても、発熱が続く間は厳重な観察が必要である。
2009年6月16日の厚生労働省薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策調査会報告では、2006年~2007年シーズンのインフルエンザ患者で、軽微なものを含めた異常行動・言動が発現した確率は、
・タミフル投与群:11%(840例/7438例)
・タミフル非投与群:13%(286例/2228例)
であった。
データ的には、タミフルは、異常行動・言動を優位に抑えたことになるが、調査自体が
患者背景を揃えておらず、厳密な比較試験ではないため、最終的な結論は得られていない。
どちらにせよ、タミフル投与の有無に拘らず異常行動・言動は見られるのであるから、患者の保護者へは、タミフル投与であってもなくても、また他の薬剤投与中であっても、発熱が続く間は厳重な観察が必要である旨を伝えるべきである。

≪タミフルの異常行動に関しての警告欄≫
10歳以上の未成年の患者においては、因果関係は不明であるものの、本剤の服用後に異常行動を発現し、転落などの事故に至った例が報告されている。このため、この年代の患者には、合併症・既住歴などからハイリスク患者と判断される場合を除いては、万が一の事故を防止するための予防的な対応として、タミフルによる治療が開始された後は、
①異常行動の発現のおそれがあること
②自宅において療養を行う場合、少なくとも2日間、保護者などは小児・未成年者が一人にならないよう配慮することについて患者・家族に対し説明を行うこと。
なお、インフルエンザ脳症などによっても、同様の症状が現れるとの報告があるので、上記と同様の説明を行うこと。




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