2014年6月1日日曜日

■脂質異常症の薬物療法

≪ステートメント≫
一時予防において、生活習慣の改善を十分に行ったにも関わらず、LDL-C管理目標値が達成できない場合には、リスクの重みに薬物療法を考慮する。≪推奨レベルⅡa・エビデンスレベルB

②一次予防においても、LDL-C180mg/L以上を持続する場合は、薬物療法を考慮する。≪推奨レベルⅡa・エビデンスレベルC

③高LDL-C血症に対する治療薬としてスタチンが推奨される。≪推奨レベルⅠ・エビデンスレベルB

④高リスクの高LDL-C血症においては、スタチンに加えて、エゼチミブの投与を考慮する。≪推奨レベルⅡa・エビデンスレベルB

⑤高リスクの高LDL-C血症においては、スタチン投与に加えてイコサペント酸エチル(EPA)の投与を考慮する。≪推奨レベルⅡa・エビデンスレベルA

⑥低HDL-C血症を伴う高TG血症に対しては、リスクの重みに応じてフィブラート系薬剤やニコチン酸誘導体などの薬物療法を考慮する。≪推奨レベルⅡa・エビデンスレベルB

動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012年版参照


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2014年5月27日火曜日

■アルジサイト銀:銀含有アルギン酸塩ドレッシング:アルジサイトAg

≪アルジサイト銀≫
銀含有アルギン酸塩ドレッシング
(販売名:アルジサイトAg)
アルギン酸の高い吸収力に、銀イオンの抗菌作用を併せ持つ抗菌性創傷被覆・保護材。
広い抗菌スペクトルを有する銀を含有することで、持続的な抗菌作用を発揮。
創傷の状態に合わせ2タイプから選択可能である。
▼止血促進作用のある抗菌剤
▼ポケットへ充填


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2014年5月24日土曜日

■高リン血症治療剤『リオナ錠250mg』:鉄剤なので、血清フェリチン上昇作用あり

≪販売名≫
リオナ錠250mg

≪有効成分≫
クエン酸第二鉄水和物として250mg含有

≪効能・効果≫
慢性腎臓病患者における高リン血症の改善

≪用法・用量≫
通常、成人にはクエン酸第二鉄として1回500mgを開始容量とし、1日3回食直後に経口投与する。
以後、症状、血清リン濃度の程度により適宜増減するが、最高用量は1日6000mg(24錠)とする。
※本剤投与開始時または用量変更時には、1〜2週間後に血清リン濃度の確認を行うことが望ましい。増量を行う場合は、増量幅として1日当たりの用量で1500mgまでとし、1週間以上の間隔をあけて行うこと。

≪特性≫
➀唯一の水溶性金属塩タイプの高リン血症治療剤である。
②主成分は、生体内に多く存在する第二鉄(3価鉄)である。
③血清リン濃度の低下が1週間で認められた。
④副作用:下痢(10.1%)、便秘(3.2%)、腹部不快感(2.5%)、血清フェリチン増加(2.7%)

≪血清鉄・TIBC・TSATの推移≫
リオナ投与量:≦1.5g/日、1.5g<〜≦3g/日、3g<〜≦4.5g/日、4.5g<〜≦6g/日いずれの平均投与量において血清鉄は16週間上昇する傾向があり、TIBCは12週間低下する傾向が認められ、TSATは16週間上昇sする傾向が認められ、以降定常化した。
血清フェリチンは、28週間上昇する傾向が認められ、以降定常化した。
ヘモグロビンは、16週間上昇する傾向が認められましたが、その後28週まで低下し、以降定常化した。➡ヘモグロビン上昇により、ESA投与量を減らすことができている。

≪薬理≫
リオナは、消化管内で速やかに溶解します。溶解した第二鉄は、食事由来のリン酸と結合します。生成したリン酸第二鉄は難溶性であり、そのまま便中に排泄されます。リンの消化管吸収を抑制します。

≪発売日≫
2014年5月12日

≪薬価≫
99.80円/1錠(2014年4月17日)



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2014年5月23日金曜日

■GI療法(グルコース・インスリン療法)とは、

≪GI療法(グルコース・インスリン療法)とは!?≫
高カリウム血症の治療法である。
グルコース(ブドウ糖)とインスリンを投与する。
インスリンは血中のグルコースを取り込んで血糖値を下げる。
この時にグルコースと血清中のカリウムは、くっついて細胞内に移動する。
この性質を利用してカリウム値を下げるというのが、GI療法です。
インスリンがブドウ糖を細胞内に取り込ませる際にカリウムを一緒に細胞内に移動させる作用を利用している。
インスリンのみを投与すると低血糖になるため、グルコースを補う。


≪GI療法(グルコース・インスリン療法)のやり方≫

▼血糖値300未満
50%ブドウ糖50mlにレギュラーインスリン10単位混注して静脈内投与
低血糖予防に10%ブドウ糖50ml 1時間で静脈内投与
血糖値を1時間ごとに測定、6時間までフォロー

▼血糖値300以上
レギュラーインスリン10単位静脈内投与
ブドウ糖追加投与は不要


②インスリンをブドウ糖34gに対し1単位(もし糖尿病があればブドウ糖2gに対し1単位)加えた2050%高張ブドウ糖液200300mlを、30分くらいで静脈内投与。


50%ブドウ糖50mlまたは10%ブドウ糖250mlまたは5%ブドウ糖500mlに速効性インスリン510単位を入れて静脈内に持続投与する。


④レギュラーインスリン510単位を静注し、この直後またはこれと同時に50%ブドウ糖50mlを迅速に投与する。低血糖予防のために、10%ブドウ糖50ml/時で引き続き投与する。



≪関連記事≫
■甘草による低カリウム血症に注意!!
■低カリウム血症を起こす頻度の高い薬剤
■低カリウム血症
■高カリウム血症の治療法:スローケー錠の添付文書より
■高カリウム血症とは

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2014年5月22日木曜日

■DPP-4阻害薬の代謝・排泄経路

・シタグリプチン(ジャヌビア・グラクティブ)は、主に陣排泄であり、腎機能低下に応じて減量が必要である。

・アログリプチン(ネシーナ)は、主に陣排泄であり、腎機能低下に応じて減量が必要である。

・アナグリプチン(スイニー)は、主に腎排泄であり、重度の腎機能低下患者(透析患者を含む)では、減量が必要である。

・テネリグリプチン(テネリア)は、腎排泄の寄与は約50%である。腎機能低下患者でも減量せず投与可能であるが、重度の腎機能低下患者では、AUCが約1.5倍に上昇することが報告されている。

・サキサグリプチン(オングリザ)は、腎排泄の寄与は約50%であり、約50%はCYP3A4/5により代謝され主要活性代謝物を生成する。主要活性代謝物は主に腎排泄である。腎機能低下に応じて減量が必要である。

・ビルダグリプチン(エクア)は、主に肝での加水分解により代謝される。ただし、重度の腎機能低下患者ではAUC1.4倍に上昇することが認められている。

・リナグリプチン(トラゼンタ)は、主に胆汁排泄であり、尿中未変化態排泄率が1%以下である。腎機能低下患者でも減量せず投与可能と考えられる。




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