「あの患者さんには熱心に話しかけるのに、なぜかこの患者さんには響かない」——その理由は、コミュニケーションのタイプが異なるからかもしれません。今回はソーシャルスタイル4タイプの実践的な関わり方を解説します。
ソーシャルスタイルの4タイプおさらい
前回(⑤)で紹介したソーシャルスタイルを実践編として深掘りします。
「自己主張の強弱」×「感情表出の強弱」の2軸で4タイプに分類されます。
| タイプ | 特徴 | 一言で |
|---|---|---|
| コントローラー | 自己主張強・感情表出弱 | 行動派・決断重視 |
| プロモーター | 自己主張強・感情表出強 | 社交家・注目願望 |
| アナライザー | 自己主張弱・感情表出弱 | 分析家・論理重視 |
| サポーター | 自己主張弱・感情表出強 | 協調家・気配り上手 |
コントローラー型への関わり方
特徴:指示されるのが大嫌い。結果・効率・成果を重視。自分でコントロールしたい。決断が速い。
患者さんへの服薬指導:
- 余計な雑談は不要。要点を先に言う
- データ・数字で話す(「HbA1cが0.5%改善します」)
- 選択肢を与えて自分で決めてもらう(「A案とB案、どちらが合っていますか?」)
- 「〜してください」より「〜するのが効果的です」
スタッフマネジメント:
- 明確な目標と権限を与える
- 細かく管理しすぎない
- 結果を出した時は端的に「よくやった」と伝える
プロモーター型への関わり方
特徴:注目されるのが大好き。人との関わりを楽しむ。エネルギッシュ。話が好き。
患者さんへの服薬指導:
- 明るく楽しい雰囲気で接する
- 「〇〇さんなら絶対できますよ!」と応援する
- 変化・目新しさを強調する(「新しい薬ですが、1日1回でいいんですよ」)
- 話の共鳴者になる
スタッフマネジメント:
- 人前で褒める(喜ぶ)
- アイデアを認め、試させる
- チームや職場のムードメーカーとして活躍させる
アナライザー型への関わり方
特徴:分析・論理・データを重視。慎重で計画的。一人でじっくり考えたい。質問が多い。
患者さんへの服薬指導:
- 根拠・データを示す(「この薬は〜という機序で効き、臨床試験で○○%の患者さんに効果がありました」)
- 質問には丁寧に答える
- 即断を求めない(「次回までに考えてきてください」もOK)
- 資料・パンフレットを渡す
スタッフマネジメント:
- 変更の理由・根拠を丁寧に説明する
- 急がせない
- 分析・調査の仕事を任せる
サポーター型への関わり方
特徴:和を大切にする。気配り上手。人の役に立つことに喜びを感じる。変化を嫌がることがある。
患者さんへの服薬指導:
- 共感・安心を先に与える(「大変でしたね」「一緒に考えましょう」)
- 家族や周囲への影響を強調する(「ご家族も喜びますよ」)
- 変化への不安を受け止める(「不安があれば、いつでも相談してください」)
- ゆっくりとした話し方で安心感を与える
スタッフマネジメント:
- 「助かっています」「頼りにしています」をよく伝える
- チームの和を大切にできる役割を与える
- 急激な変化は丁寧に説明しながら進める
自分のタイプを知る重要性
コミュニケーション力を上げたいなら、まずは「自分を知ること」が大切です。
自分のスタイルを大事にしつつ、相手のタイプに合わせてアプローチを変える。これが「タイプ別コミュニケーション」の本質です。
注意点:タイプはあくまで傾向。レッテルを貼るのではなく、「この人はこういう側面があるかもしれない」という仮説として使いましょう。
医師・看護師・薬剤師のタイプ傾向(あくまで私見)
私の経験上の傾向(あくまで主観です!):
- 医師に多い:コントローラー型(決断が速い、データ重視)
- 薬剤師に多い:アナライザー型(論理的・慎重・根拠重視)
- 看護師に多い:サポーター型・プロモーター型(患者さんとの関わりを大切にする)
もちろん個人差は大きいですが、職種ごとの傾向を知ることで多職種連携のコミュニケーションがスムーズになります。
まとめ
- 4タイプ:コントローラー(行動・結果)・プロモーター(社交・注目)・アナライザー(論理・分析)・サポーター(協調・気配り)
- 患者さんのタイプに合わせて服薬指導の「トーン・内容・ペース」を変える
- スタッフマネジメントでもタイプ別アプローチが有効
- タイプはレッテルでなく仮説として活用する
次回は「経験学習サイクル(コルブ理論):経験を成長につなげる方法」を解説します。
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