2018年7月20日金曜日

■緑内障点眼薬は、まつ毛増毛作用がある!?

¢緑内障点眼薬ラタノプロスト点眼液ルミガン点眼液は、眼圧を下げる薬である。


¢ルミガン点眼液は、まつげの成長期の延長、休眠期の短縮と休眠状態にある毛根受容体を刺激する作用があるため、まつげを長く・太く・多くするなどのまつげの育毛を促進する作用がある。

¢まつ毛増毛薬としてグラッシュビスタという薬剤が、2014929日に発売された。

¢グラッシュビスタは、保険適用外である。





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2018年7月18日水曜日

■薬を服用していますが、どんな薬にも副作用がありますか!?

■くすりの副作用とは

¢薬をのむときにいちばん気になるのは、どんな「副作用」があるのかということでしょう。

¢薬は必要な場所にだけ効くことがもちろん理想ですが、血液と一緒に全身を回るため、必要のないところにも働きかけて、結果として思わぬ副作用が起きることがあります。

¢「副作用」とは薬を飲んだときに現れる、本来の目的以外の作用をいいます。
例えば、カゼ薬をのんだら眠くなった・・・これは、だれにでも経験のあることでしょう。

¢予想以上に薬が強く作用して副作用をひきおこす例として、糖尿病の薬の効果が強すぎて低血糖をおこすような場合があります。

■副作用の出かた

¢副作用が絶対ないという薬は、残念ながらありません。だからといって薬を使わないというのでは肝心な治療をすることができません。副作用を理解したうえで、薬を正しく使うことが大切だといえます。

¢副作用のでかたは、薬により異なりますし、1つの薬にもいろいろな副作用があるのがふつうです。眠気やのどの乾きといった軽い症状から、命にかかわる重い副作用まで、その程度もまちまちです。

¢人それぞれの体質にもよります。アレルギー体質の人、腎臓や肝臓の悪い人、高齢の人などは副作用がでやすいものです。また、多く飲みすぎれば、当然、副作用がでやすくなります。

¢人間の体は、年齢に伴い、肝臓で薬を分解する能力や、薬を腎臓から体の外に排出する能力が低下します。

¢その結果、薬が強く効きすぎて、副作用が現れることがあります。

■副作用の頻度

¢副作用の頻度は薬の種類によって異なるので、一概に何パーセントということはできません。ビタミン剤のようにほとんど副作用のない薬から、抗ガン剤のように高頻度に起こるものまでいろいろです。

¢ふつうによくでる薬については、経験的にそう多くはないというのが、関係者の見方だと思います。意外かもしれませんが、一つひとつの薬の副作用の発生頻度について、正確なことはよく分かっていません。

¢薬によっては、使用成績調査などで得られたデータが添付文書(関係者向け薬の説明書)に書かれているので、ある程度の目安になりますが、これをもって全てとすることはできません。

■副作用の多い薬

¢副作用の報告件数で、常に上位を占めるのはペニシリンに代表される抗生物質です。

¢だからといって、抗生物質を悪者扱いにすることはできません。

¢安易な使用は問題としても、肺炎や敗血症など命にかかわるような感染症の治療には、なくてはならない非常に有用な薬であることに間違いありません。

¢単純に、副作用の多い薬イコール悪い薬とはいえないのです。

¢副作用の多い薬には、効果の高い優れた薬が多いものです。

■副作用かどうかの判断
「どうも薬を飲みはじめたら胃の調子が悪い」。こんなとき、どう判断すればよいのでしょう。はたして薬の副作用なのでしょうか。この場合、3つのケースを考えなければなりません。
1つは薬による本当の副作用
2つ目はたまたま胃の調子が悪くなっただけ
3つ目は気持ちの問題(心理効果)。

実際、どのような基準をもって判定されるかというと、
時間的な相関関係があるかどうか
検査所見も含め、その薬の既知の副作用発現パターンを示している
使用中止により改善されるか
偶然の再使用で再現するか
病気そのものによるもの、
また心理的効果など他の原因は考えられないか等々・・・これらを総合的に評価し薬との因果関係をみきわめることになります。

いずれにしても、副作用かどうかの判定は、医師あるいは薬剤師により客観的かつ迅速におこなわれなければなりません。そして、薬がもたらす効果と副作用のバランスを考慮したうえで、その薬を中止したり減量するなどの適切な処置がとられることになります。


■副作用かなと思ったら、
¢もし、薬を飲みはじめて「なにか普段と違う、変だな」と感じたら、すぐに受診するようにしてください。副作用も早期発見が重要です。万一それが重い副作用の前兆だとしても、すぐに適切に対処すれば重症化を防げます。できるなら、具体的にどんな症状に注意し、どう対処したらよいのかをあらかじめ聞いておくとよいでしょう。

¢ただし、その症状が必ずしも薬の副作用とは限りません。薬の飲みはじめは症状の変化が激しい急性期のこともあり、薬の作用とは関係なく病気がよくなったり、逆に悪化することも多いはずです。

¢また、治療のために許容される副作用もあります。軽い副作用の場合、注意をしながら飲み続けたほうが、よい結果につながることもあるのです。このような場合、継続の可否は自分だけの判断で決められるものではありません。必ず医師の指示をあおぐようにしてください。
 

<薬の相談窓口>
●医薬品医療機器総合機構
03-3506-9411
http://www.pmda.go.jp
●日本薬剤師会中央薬事情報

(03-3406-9140)
各都道府県薬剤師会の薬相談窓口
●最寄りの消費生活センター、国民生活センター
●医薬品
PLセンター
(0120-876-532)
各製薬会社消費者相談窓口

<民間の医薬品監視機関>
●薬害オンブズパースン会議
http://www.yakugai.gr.jp/
●医薬ビジランスセンター

http://www.npojip.org/





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2018年7月17日火曜日

■薬の相互作用とは!?

 薬と薬の飲み合わせのことで、薬が効きすぎて副作用が出やすくなったり、逆に薬が効かなくなったりすることです。また、薬と薬だけでなく、薬と飲食物、嗜好品等でも、薬の作用が強くなったり弱くなったりすることもあります。


■薬×薬(吸収)
・テトラサイクリン系抗生物質(ミノマイシン)
 ×制酸薬(マーロックス、アルサルミン)
→キレートを形成し、ミノマイシンが吸収されなくなるため、作用しなくなる。


■薬×薬(分布)
・抗血栓薬(ワルファリンカリウム)×消炎鎮痛剤(アスピリン)
→アスピリンが血液中のアルブミンと結合してしまうため、遊離型のワルファリンカリウムが増えてしまい、ワルファリンカリウムの抗血栓作用が強く出てしまう。


■薬×薬(代謝)
・気管支拡張薬(テオフィリン)
 ×マクロライド系抗生物質(エリスロマイシン)
→同じ薬物代謝酵素によって代謝される薬同士であるため、お互いの代謝を阻害し、血中濃度が上がり、テオフィリンの作用が強く出てしまう。


■薬×薬(排泄)
・血糖降下薬(クロルプロパミド)×尿酸降下薬(プロベネシド)
・血糖降下薬(クロルプロパミド)×消炎鎮痛剤(フェニルブタゾン)
・抗生物質(ペニシリン、セフェム系)
 ×尿酸降下薬(プロベネシド)
→フェニルブタゾン、プロベネシドにより尿中への排泄が阻害され、血中に長く留まることで、クロルプロパミド、抗生物質の作用が強く出てしまう。


■薬×飲食物(グレープフルーツジュース)
・免疫抑制薬(シクロスポリン、タクロリムスなど)
・降圧剤(ニフェジピンなどのジヒドロピリジン系Ca拮抗剤)
・血管拡張剤(シルデナフィル)
・抗てんかん剤(カルバマゼピン)
・高脂血症治療薬(シンバスタチンなど)
・睡眠薬(ゾピクロン)
・麻酔薬(ミダゾラムなど)
→グレープフルーツジュースに含まれるフラノクマリンによって、
 薬の代謝が抑制され、血中濃度が上昇することがある。


■薬×飲食物(納豆・青汁・クロレラ)
・抗血栓薬(ワルファリンカリウム)
→納豆・青汁・クロレラに含まれるビタミンKが、ワルファリンなどのビタミンK依存性凝固因子の生合成阻害作用と拮抗することにより、ワルファリンの抗凝固作用が抑制されることがある。


■薬×飲食物(アルコール)
・睡眠薬(トリアゾラム、ブロチゾラムなどのBZ系睡眠薬)
→薬の受容体との結合を促進し、睡眠作用を増強することがある。

・抗生物質(セフェム系)
・抗寄生虫薬(メトロニダゾール)
・血糖降下薬(インスリン、トルブタミド、グリベンクラミドなどのSU剤)
→顔面紅潮、嘔気などを起こすことがある。


■薬×飲食物(コーヒー、紅茶)
・気管支拡張薬(テオフィリンなど)
・抗精神病薬(クロザピン)
→カフェインによって薬の代謝が抑制され、血中濃度が上昇することがある。

・気分安定薬(炭酸リチウム)
→リチウムの腎排泄を促進し、血中濃度が低下することがある。


■薬×飲食物(牛乳)
・テトラサイクリン系抗生物質(ミノマイシン)
→牛乳中のCaによって消化管からの吸収が低下し、作用が弱まることがある。

・乾癬治療薬(エトレチナート)
→脂溶性の薬であるため、牛乳の脂質によって吸収が促進されて血中濃度が上昇し、作用が増強することがある。

・腸溶性製剤(ビサコジル、アスピリンなど)
→牛乳によって胃酸の酸性が弱まり、胃で溶解してしまい、腸での吸収が減弱、また、胃を刺激して吐き気を催すことがある。


■薬×嗜好品(煙草)
・気管支拡張薬(テオフィリン)
→テオフィリンの代謝が促進され、血中濃度が低下し作用が弱まることがある。



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■高齢者の多くはたくさんのくすりを飲んでいるため・・・

¢高齢者の多くは複数の病気にかかり、たくさんの薬を飲んでいます。そのため、薬と薬の相互作用がおこる可能性が高くなります

¢2種類以上の薬を同時に使用した場合、薬と薬がお互いに影響しあって、薬の効果が変化することがあります。

¢また、同系統の2種類が重なれば
過量投与となります。


できるかぎり、現在服用中の薬の名前を医師に伝えたり、薬を見せて確認してもらうようにしましょう。
お薬手帳を見せるのが有効です!!




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2018年7月14日土曜日

■お酒(アルコール)が薬に及ぼす影響について教えて下さい。

¢日頃よくお酒を飲む人は、肝臓での薬物代謝能力が高まっているので、薬を飲むと肝臓で早く代謝され、効果が弱くなる可能性があります。

¢しかし、肝臓が弱っている場合は、肝臓の薬物代謝能力が低いために薬の効き目が強くなり、副作用が出やすくなります。

¢基本的に、アルコールで薬を飲むと薬の効果が強く出ることが多いです。

¢薬を飲んでいる間のお酒は、少量かお休みしましょう。




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