2017年11月26日日曜日

■各種ステロイドの種類・違い・比較・特徴

ステロイドの種類・違い・比較・特徴 

一般名


商品名


コルチゾール

作用


アルドステロン

作用


半減期


ヒドロコルチゾン類
(コルチゾール) 


ソル・コーテフ


1


1


1.2時間


プレドニゾロン類


プレドニン


4


0.8


2.5時間


メチルプレドニゾロン類


ソル・メドロール


5


ほぼ0


3時間


デキサメタゾン類


デカドロン


30


0


6時間


ベタメタゾン類


リンデロン

ヒドロコルチゾン=コルチゾールの力価を1としている


①コルチゾン・ヒドロコルチゾン類
・リン酸ヒドロコルチゾンNa : 水溶性ハイドロコートン

・コハク酸ヒドロコルチゾンNa : サクシゾン、ソル・コーテフ
血中半減期が90分と短い。
塩類蓄積作用が強い。
抗炎症作用は弱い。

②プレドニゾン・プレドニゾロン類
・プレドニゾロン:プレドニゾロン、プレドニン
血中半減期が150分前後であり、使用しやすい。
ヒドロコルチゾンに比べ、塩類蓄積作用が弱い。

③メチルプレドニゾロン類
・コハク酸メチルプレドニゾロンNa : ソル・メドロール
血中半減期が180分前後であり、使用しやすい。
ヒドロコルチゾンに比べ塩類蓄積作用が弱い。
プレドニゾロンの約1.2倍の抗炎症作用。

④トリアムシノロン類

⑤デキサメタゾン類
・デキサメタゾン : デカドロン
プレドニゾロンの約10倍の抗炎症作用。
血中半減期が300分前後であり、ステロイド薬の中では最長である。
⇒局所投与でよく用いられる、長期投与で副腎萎縮する。

⑥ベタメタゾン類
・ベタメタゾン : リンデロン
デキサメタゾンとほぼ同様の特徴である。


【作用の比較】
▽糖質コルチコイド作用
ヒドロコルチゾン(サクシゾン,ソル・コーテフ) :1
プレドニゾロン(プレドニゾロン,プレドニン) :4
メチルプレドニゾロン(ソル・メドロール) :6
デキサメタゾン(デカドロン) :30
ベタメタゾン(リンデロン) :30

▽鉱質コルチコイド作用
ヒドロコルチゾン(サクシゾン,ソル・コーテフ) :1
プレドニゾロン(プレドニゾロン,プレドニン) :0.8
メチルプレドニゾロン(ソル・メドロール) :0.5
デキサメタゾン(デカドロン) :0
ベタメタゾン(リンデロン) :0

▽血中半減期
ヒドロコルチゾン(サクシゾン,ソル・コーテフ) :1.2~1.5時間
プレドニゾロン(プレドニゾロン,プレドニン) :3時間
メチルプレドニゾロン(ソル・メドロール) :3時間
デキサメタゾン(デカドロン) :4時間
ベタメタゾン(リンデロン) :4時間

▽等価投与量
ヒドロコルチゾン(サクシゾン,ソル・コーテフ) :20 mg
プレドニゾロン(プレドニゾロン,プレドニン) :5 mg
メチルプレドニゾロン(ソル・メドロール) :4mg
デキサメタゾン(デカドロン) :0.5-0.7 mg
ベタメタゾン(リンデロン) :0.5-0.7 mg


【選び方】
①プレドニゾロン・メチルプレドニゾロンが第1選択薬である。
②ヒドロコルチゾンは塩類蓄積作用があり通常用いられないが、即効性があるゆえショックの治療に最適である。
③デキサメタゾン、ベタメタゾンは局所投与が基本である。


【使い方】
①少量投与のときは、朝1回投与。大量投与のときも、分割にするが朝を多めにする。
②離脱症候群はプレドニゾロン換算で総量1000mgを越えたときに起こる可能性がある。
③漸減方法
・短期投与→速やかに
・長期投与→緩徐に


■プレドニン・ソルコーテフ・ソルメドロールの違いは!?
どれも副腎ステロイドホルモンですが、効能や強さなど違いはあるのでしょうか?
糖質コルチコイド作用の強さは、ソルコーテフを1とするとプレドニンは4、ソルメドロールは5です。
コルチゾール作用。アルドステロン作用の力価が違う.

 
内服ステロイドの使い方
▽プレドニゾロン換算で、投与量を決定する。
・大量=40mg/day以上
・中等量=20-39mg/day
・少量=19mg/day以下
コルチゾール分泌
正常時は,プレドニゾロン換算で3-5mg/day
ストレス下では,プレドニゾロン換算で80mg程度 手術時などに考慮する。

投与法
・分けた方が効くが,副作用が多くなる。
副腎抑制する時間が長くなるためである。
抗炎症効果狙い:分3-4(血管炎など)
  自己免疫是正狙い:分1(重症筋無力症など)


注射ステロイドの使い方

▽半減期の短い、ソルコーテフが使いやすい。

▽ステロイドは水に溶けないので,コハク酸エステルとしている。
ソルコーテフ,水溶性プレドニン
アスピリン喘息の患者は,コハク酸塩で悪化することがある。
リンデロン4~8mg静注で対応。

▽パルス療法
・メチルプレドニンが生成され,アルドステロン作用がほぼないことから,実施できるようになった。
1000mg/day3日間
副作用多く,また大量ステロイド療法と比べ優れているというエビデンスに乏しい。


参考:ステロイドの使い方のコツ



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2017年11月25日土曜日

■ビジネスの6原則

1.勤勉さ
 頭を使って熱心に努力していくこと。

2.注意力(観察力・気づき)
 些細なことにも注意を向ける。

3.正確さ
 他人はあなたの実力を正確さで判断する。

4.手際の良さ
 仕事の量と質を両立させるコツは、一度に一つしか仕事をしないこと。いったん一つの仕事に着手したら、やりかけのまま放置せず、確実に最後までやり遂げること。

5.迅速さ
 34が両立した時、仕事にスピードが生まれる。

6.時間厳守

※自助論参考


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2017年11月24日金曜日

■マリゼブ錠12.5mg・25mg【持続性選択的DPP-4阻害剤 経口糖尿病用剤】

≪製造・販売≫
MSD

≪一般名≫
オマリグリプチン

≪発売予定≫
201511

≪効能・効果≫
2型糖尿病

≪用法・用量≫
通常、成人にはオマリグリプチンとして25mgを1週間に1回経口投与する。

≪概要≫
マリゼブは、米国メルク社で開発された週に1回投与の持続性選択的DPP-4阻害剤である。

≪薬理作用≫
 本剤は、DPP-4のペプチダーゼ活性を阻害することで、インクレチン(GLP-1GIP)DPP-4による分解を抑制する。これにより、活性型インクレチン濃度を上昇させ、血糖依存的にインスリン分泌促進作用およびグルカゴン濃度低下作用を増強し血糖コントロールを改善する。

≪特徴≫
 本剤は、肝臓での代謝をほとんど受けず、未変化態として体内に幅広く分布する。そのため、血流により腎臓へ移行する薬物量は少なく、単位時間当たりの濾過量が少ないと考えられている。また、本剤の消失は主に腎排泄によるものであるが、本剤の高い膜透過性により腎臓で受動的に再吸収され、体内循環を繰り返すと想定されている。本剤は、未変化態として体内で作用する薬剤であり、これらのメカニズムにより長時間作用が持続し、週1回投与を実現していると考えられている。

≪同系統薬剤の薬価≫
・マリゼブ錠12.5mg:543.3/1
・マリゼブ錠25mg:1015.3/1
・ザファテック錠50mg:559.2/1
・ザファテック錠100mg:1045.1/1
・トルリシティ0.75mg:3586/1キット
・ビデュリオン2mg:3586/1キット


※参考:各薬剤インタビューフォーム




■患者・家族の医療安全対策

1.わからないことがある場合は質問する

2.できれば二人以上で説明を聞く

3.意思表示は明確にしておく

4.患者氏名の誤認・点滴や投薬の誤り・左右の誤りを防ぐ・輸血の事故を防ぐ

5.転倒・転落の危険防止

6.医療行為中の注意

7.病院と病棟の特徴を知る

8.院内感染防止

9.入院患者全員の安全確保

10.暴言・暴力対策

11.説明書をもらう

12.セカンドオピニオン

13.身内に医療関係者がいるとき

14.かかりつけ医との協力

15.面会時間と面会者

16.回診時間とその利用法

17.他科受診の希望

18.不安がある、痛みがひどい、苦しいとき

19.患者相談窓口と医療福祉相談

20.院長への手紙


2017年11月22日水曜日

■頻繁な昼夜逆転は、死亡率が高くなる!!

 京都府立医大の研究チームは、長時間にわたり昼夜逆転を繰り返す生活をすると死亡率が高まる傾向にあることをマウスの実験で突き止めた。室内の明暗の切り替えを7日毎に8時間ずらすサイクルと4日毎に8時間ずらすサイクルの2つの環境化にマウスをおくと、4日毎に変わる変化の激しい環境下ではマウスの行動が乱れ、7日毎の環境下に比べ4.26倍死亡率が上がったことが報告された。



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