2014年6月8日日曜日

■『緩徐に静注!?』『緩徐に点滴静注!?』

・「緩徐に静注」は20mL以下の容量で3~5分かけて投与すること、
・「緩徐に点滴静注」は1mL/分の速度で投与すること
※あくまで考え方の一つとして考えていただけたら幸いです。



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2014年6月2日月曜日

■SGLT-2阻害薬:特徴と注意点

≪SGLT-2阻害薬≫
一般名:商品名
▼イブラグリフロジンL-プロリン:スーグラ
▼ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物:フォシーガ
▼ルセオグリフロジン水和物:ルセフィ
▼トホグリフロジン水和物:アプルウェイ・デベルザ

≪特徴≫
近位尿細管でのブドウ糖の再吸収を抑制することで、尿糖排泄を促進し、血糖低下作用を発揮する。
・体重を減らす作用が期待される。
・インスリンとは独立した作用を示すため、単独使用では低血糖をきたす可能性は低い。

≪注意点≫
・腎機能低下患者では、糸球体濾過率が低下しているため、効果が減弱し、よい適応ではない。
・尿路感染症・性器感染症(特に女性)の発現に注意する。特に日本人は、症状があっても自分からは訴えのないケースが多いかもしれない。
・薬理作用から、SGLT-2阻害薬投与中は、血糖コントロールが良好であっても尿糖陽性を示す。したがって、尿糖・1.5-AGの検査結果は、血糖コントロールの参考とならないので注意が必要である。
・SGLT-2阻害薬の尿中ブドウ糖排泄促進作用により、浸透圧利尿作用が働き、頻尿・多尿が見られることがある。
・体液量の減少をきたし、軽度の脱水症状を起こすおそれがあるため、渇中枢機能の低下しやすい高齢者にはよい適応ではない。また、このような症状が現れた場合には適度な水分補給を行うよう指導する。
・血中ケトン体が異常高値を示す例があり、注意が必要である。
・重症の腎不全と透析例と妊娠時には、使わないこと。


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2014年6月1日日曜日

■脂質異常症の薬物療法

≪ステートメント≫
一時予防において、生活習慣の改善を十分に行ったにも関わらず、LDL-C管理目標値が達成できない場合には、リスクの重みに薬物療法を考慮する。≪推奨レベルⅡa・エビデンスレベルB

②一次予防においても、LDL-C180mg/L以上を持続する場合は、薬物療法を考慮する。≪推奨レベルⅡa・エビデンスレベルC

③高LDL-C血症に対する治療薬としてスタチンが推奨される。≪推奨レベルⅠ・エビデンスレベルB

④高リスクの高LDL-C血症においては、スタチンに加えて、エゼチミブの投与を考慮する。≪推奨レベルⅡa・エビデンスレベルB

⑤高リスクの高LDL-C血症においては、スタチン投与に加えてイコサペント酸エチル(EPA)の投与を考慮する。≪推奨レベルⅡa・エビデンスレベルA

⑥低HDL-C血症を伴う高TG血症に対しては、リスクの重みに応じてフィブラート系薬剤やニコチン酸誘導体などの薬物療法を考慮する。≪推奨レベルⅡa・エビデンスレベルB

動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012年版参照


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2014年5月27日火曜日

■アルジサイト銀:銀含有アルギン酸塩ドレッシング:アルジサイトAg

≪アルジサイト銀≫
銀含有アルギン酸塩ドレッシング
(販売名:アルジサイトAg)
アルギン酸の高い吸収力に、銀イオンの抗菌作用を併せ持つ抗菌性創傷被覆・保護材。
広い抗菌スペクトルを有する銀を含有することで、持続的な抗菌作用を発揮。
創傷の状態に合わせ2タイプから選択可能である。
▼止血促進作用のある抗菌剤
▼ポケットへ充填


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2014年5月24日土曜日

■高リン血症治療剤『リオナ錠250mg』:鉄剤なので、血清フェリチン上昇作用あり

≪販売名≫
リオナ錠250mg

≪有効成分≫
クエン酸第二鉄水和物として250mg含有

≪効能・効果≫
慢性腎臓病患者における高リン血症の改善

≪用法・用量≫
通常、成人にはクエン酸第二鉄として1回500mgを開始容量とし、1日3回食直後に経口投与する。
以後、症状、血清リン濃度の程度により適宜増減するが、最高用量は1日6000mg(24錠)とする。
※本剤投与開始時または用量変更時には、1〜2週間後に血清リン濃度の確認を行うことが望ましい。増量を行う場合は、増量幅として1日当たりの用量で1500mgまでとし、1週間以上の間隔をあけて行うこと。

≪特性≫
➀唯一の水溶性金属塩タイプの高リン血症治療剤である。
②主成分は、生体内に多く存在する第二鉄(3価鉄)である。
③血清リン濃度の低下が1週間で認められた。
④副作用:下痢(10.1%)、便秘(3.2%)、腹部不快感(2.5%)、血清フェリチン増加(2.7%)

≪血清鉄・TIBC・TSATの推移≫
リオナ投与量:≦1.5g/日、1.5g<〜≦3g/日、3g<〜≦4.5g/日、4.5g<〜≦6g/日いずれの平均投与量において血清鉄は16週間上昇する傾向があり、TIBCは12週間低下する傾向が認められ、TSATは16週間上昇sする傾向が認められ、以降定常化した。
血清フェリチンは、28週間上昇する傾向が認められ、以降定常化した。
ヘモグロビンは、16週間上昇する傾向が認められましたが、その後28週まで低下し、以降定常化した。➡ヘモグロビン上昇により、ESA投与量を減らすことができている。

≪薬理≫
リオナは、消化管内で速やかに溶解します。溶解した第二鉄は、食事由来のリン酸と結合します。生成したリン酸第二鉄は難溶性であり、そのまま便中に排泄されます。リンの消化管吸収を抑制します。

≪発売日≫
2014年5月12日

≪薬価≫
99.80円/1錠(2014年4月17日)



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