2018年11月26日月曜日

■インフルエンザウィルスは変異すると言われていますが、どのように変異するのですか!?


¢インフルエンザウィルスは突然変異によってウィルスの表面にあるHA(赤血球凝集素)という部分のとげの形が毎年少しずつ変化します。そうなると、過去に感染して作られたインフルエンザに対する抗体は、インフルエンザウィルスのHAのとげを完全に覆うことができなくなり、再度インフルエンザに感染してしまいます。

¢ヒトのA型のHAの種類はH1H3までの3種類、NAN1N2までの2種類があります。A型インフルエンザはHNの組み合わせで分類されていますが、B型ではHNともに1種類のみです。また、トリには、H1H16N1N9までのすべての組み合わせのインフルエンザがあり、近年これらのインフルエンザがヒトに感染した例が報告され話題になっています。

¢インフルエンザウィルスのもう一つの変異のしかたは、ウィルスの遺伝子同士が入れ替わること(組み換え)です。その場合は、HAのとげの変化が大きく、他の遺伝子も変わってしまうことが多く大流行を起こします。2009年に北アメリカで発生したインフルエンザ大流行はH1N1したが、ブタのインフルエンザで組み換えを起こしており、それまで人間では流行していないウィルスのため、多くの人が抗体を持っておらず、世界的な流行となりました(パンデミック)インフルエンザは2030年に1度このような新型ウィルスが現れて世界的な大流行を起こすと言われています。




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■インフルエンザウィルスの分類方法の中でH1N1などがありますが、HとNの意味について教えてください。


¢HHA:ヘマグルチニン(赤血球凝集素)NNA:ノイラミニダーゼのことでウィルスの表面に存在するものです。このHAはウィルスが細胞に吸着する時に作用し、ワクチンの主要な成分となります。

¢一方、NAはウィルスが細胞から離れるようにする働きを持ち、この作用を防ぐ抗ウィルス薬があります。

¢特にA型インフルエンザでは、16種類のHA9種類のNAがあり、これらをもとに亜型(H1N1・・・など)として分類されます。




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■インフルエンザウイルスの種類

インフルエンザウイルスは、A型、B型、C型の3種類に分類されます。

そのなかで流行がおこるのは、A型、B型のウイルスによるインフルエンザで、通常C型は流行しません。

A型ウイルスが大流行をおこすのは、A型ウイルスが変異をおこすためです。A型には亜型があり、たとえばH1N1からH2N2に変異していきます。

B型は動物に対する感受性が低いことから亜型ができにくいと考えられています。

C型は、流行をおこさず普通のかぜと変わりません。

C型が流行しないのは感染力が弱い(ヒト感受性が弱い)からと考えられています。

 


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■インフルエンザにかかったら、学校や職場にはいつ行けますか!?


¢インフルエンザは学校や職場において流行を広げる可能性が高い感染症の一つであり、特に予防が必要とされる病気です。

¢子供の場合は熱が出た日の翌日から5日間(熱が出た日から数えると6日間)は休み、さらに長引くようなら熱が下がってから2日間を経過するまでは学校を休まなくてはなりません。ただし、症状によって医師が伝染の恐れがないと診断した場合は、学校に行くことができます。保育園・幼稚園ではもう1日多く休む必要があります。

¢大人の場合は、ウィルスの排泄期間が子供より12日短いと言われていますが、熱が下がってきちんと回復するまでは職場に行くことは控えた方がよいでしょう。



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■インフルエンザ時の脱水状態の時は、どのような対処法がありますか!?


¢脱水状態は高熱や下痢、嘔吐によって起こりやすく、命に関わる場合もあるので、インフルエンザ時の水分補給はとても大切です。

¢また脱水状態では水分だけではなく、体内の水分バランス維持に欠かせないNa(ナトリウム)K(カリウム)などの電解質も多く失われます。そんな時、水分と電解質の補給に有効で、これらの吸収を促進する糖質もバランス良く配合した経口補水液(ORSOral Rehydration Solution)が市販されています。これを含め、脱水への対処法はかかりつけの医師とよく相談しましょう。




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