2016年11月13日日曜日

■膀胱がんの主な薬物療法とその副作用

≪アントラサイクリン系薬剤:エピルビシン、ドキソルビシン、ピラルビシン≫
膀胱内注入では頻尿、排尿痛が起こりやすい。まれに心筋梗塞、心不全、骨髄抑制、ショック、委縮膀胱(下腹部痛・極度の頻尿)、間質性肺炎が起こる場合もある。

≪マイトマイシンC
膀胱内注入では、頻尿、排尿痛、委縮膀胱が起こりやすい。まれに溶血性尿毒症症候群(血小板減少、貧血、尿毒症)、急性腎不全、骨髄抑制、間質性肺炎にも注意。

≪膀胱内BCG注入療法≫
頻尿、排尿痛、血尿、発熱。まれにBCG(結核)感染、間質性肺炎、アレルギー反応、委縮膀胱、腎不全が起こる場合もある。

GC療法:ゲムシタビン+シスプラチン≫
骨髄抑制、貧血、吐き気、嘔吐が現れるが、比較的軽度で済む人が多い。最も気をつけたい副作用は、まれに起こる間質性肺炎。

M-VAC療法:メトトレキサート+ビンブラスチン+ドキソルビシン+シスプラスチン≫
脱毛、吐き気、嘔吐、骨髄抑制、口内炎、貧血。頻度は低いが、発熱、意識障害が出る人もいる。シスプラスチンに起因する急性腎不全、難聴が起こった時には、シスプラチンの使用を中止する。

≪カルボプラチン≫
吐き気、嘔吐、骨髄抑制、食欲不振。間質性肺炎、急性腎不全、肝障害、血栓症、脳梗塞が起こる場合もある。

≪パクリタキセル≫
骨髄抑制、末梢神経障害、脱毛、アレルギー反応。吐き気、嘔吐、心毒性をきたす場合もある。



≪相互リンク≫
薬剤師の話
薬剤師のメモ帳
病院薬剤師日記

薬剤師の話:facebookページ
にほんブログ村:薬・薬剤師ブログ

人気ブログランキング:薬剤師

2016年11月12日土曜日

■膀胱癌に対しての抗がん剤の主な副作用とその対処法

≪吐き気・嘔吐・食欲不振≫
予防的に吐き気止めの薬を服用する。抗がん剤投与当日の食事は控えめにし、乳製品や脂っこいものは避ける。食事は気分の良い時に摂取する。

≪アレルギー反応・血管痛≫
点滴中に違和感、息苦しさ、血管に沿った痛みなどがあったときは、医療スタッフに知らせる。血管痛は、腕を温めながら投与すると軽減する場合もある。

≪骨髄抑制≫
自覚症状はない場合が多いが、感染を起こさないように人込みを避け、うがい・手洗いを励行。血小板が減少しているときには、傷をつくらないよう注意し、内出血などがないか確認する。

≪排尿痛・排尿障害≫
痛み、血尿があったら担当医・看護師に相談する。膀胱炎は抗生物質で治療。痛みが強い場合は、解熱鎮痛薬、オピオイド鎮痛薬を使用する。

≪貧血・だるさ・疲労感≫
少しの活動でも疲れたりふらつく時は休息を取り、車の運転は控える。体がつらくない程度に家事や軽い運動は続けた方がダルさが軽減する。

≪口内炎≫
治療前に歯科で口腔ケアをするとひどくなりにくい。口の中を清潔にし、保湿を心掛ける。香辛料の強い食事、熱いもの、硬いものは控える。

≪末梢神経症状≫
手足や口に痺れ感、ピリピリ感があったら、早めに担当医に伝える。ビタミン剤、漢方薬の服用や手足を温めると症状が軽減する場合もある。外傷に気づきにくくなるので、けがややけどに注意が必要。

間質性肺炎≫
肺の間質の炎症で、発熱・息苦しさなどの症状が出る。原因となった薬の投与は中止し、ステロイド薬を服用して炎症を抑える。

≪聴覚障害・難聴≫
難聴になると、薬を中止しても症状が改善しにくいので、耳がきこえづらいなど違和感を感じた時点で担当医に相談をする。

≪脱毛≫
あらかじめ髪を短く切り、帽子やナイトキャップをかぶると髪の毛が散らばるのをある程度防げる。必用に応じてウィッグ(かつら)やバンダナの利用をする。



≪相互リンク≫
薬剤師の話
薬剤師のメモ帳
病院薬剤師日記

薬剤師の話:facebookページ
にほんブログ村:薬・薬剤師ブログ

人気ブログランキング:薬剤師

2016年11月8日火曜日

■『エルシトニン注20単位』と『テリボン注』と『フォルテオ注』の投与期間に関する記載内容

≪エルシトニン注20単位 (エルカトニン)
6カ月間を目安とし、漫然と投与しない。

≪テリボン注 (テリパラチド酢酸塩)
72週間以内 (一時中断後再投与した場合も、投与期間合計72週間以内)

≪フォルテオ注 (テリパラチド)
24ヶ月以内 (一時中断後再投与した場合も、投与期間合計24ヶ月以内)



≪関連記事≫
■ランサップ400とランサップ800の使い分けは!?
■アルロイドGを服用した後、水などをすぐに飲んでもいいのか!?
■PPI(プロトンポンプ阻害薬)vsH2ブロッカー(H2受容体拮抗薬) 比較
■胃薬っていっぱいあるけど、何が違うの!?
■胃全摘患者にビスフォスホネート製剤って投与可能なの!?

■熱中症の種類と特徴と症状

【熱中症の種類と特徴】
熱中症の種類
労作性熱中症
非労作性熱中症
年齢
若年~中年
高齢者
性差
圧倒的に男性
男女差なし
発症原因
高温環境下における激しい運動
猛暑日(日常生活中)
長風呂、サウナ、
エアコンが切れている車内
発症場所
屋外、炎天下
屋内、車内
発症までの時間
数時間以内で急激発症
数日以上で徐々に悪化
予後
良好
不良

 
【熱中症の症状】
≪軽症≫
・めまい、失神(立ちくらみ)
・生あくび
・気分の不快
・大量の発汗
・筋肉痛
・足、腕、腹部の筋肉痙攣(こむら返り)
・手足のしびれ

≪中等症≫
・頭痛
・倦怠感、虚脱感
・吐き気、嘔吐
・強い喉の渇き

≪重症≫
・意識障害
・せん妄
・高体温
・痙攣
・手足の運動障害



≪相互リンク≫
薬剤師の話
薬剤師のメモ帳
病院薬剤師日記

薬剤師の話:facebookページ
にほんブログ村:薬・薬剤師ブログ

人気ブログランキング:薬剤師