2015年9月3日木曜日

■パーキンソン病治療の問題


■パーキンソン病治療の問題  パーキンソン病治療薬として最も有効なのがL-ドパ製剤である。効果の発現が早く副作用も比較的少なく使いやすい薬剤である。
 L-ドパ製剤は、長期間服用を続けているとウェアリングオフやジスキネジアなど効き目が落ちるのが問題である!!
70歳以上であるとか症状を改善させる優先事項があるなど特に症状を早期に回復させたい場合は、L-ドパ製剤で治療を開始するが、特にそういう事情がない場合は、ドパミンアゴニストで治療を開始する。

■L-ドパ療法の問題点は運...動合併症の発現  パーキンソン病の進行に伴ってL-ドパの治療域が狭小化してしまい、wearing off現象やジスキネジアが発現するようになる。

■ウェアリングオフ現象について
 L-ドパを長期間服用すると出てくる問題点の一つである。
 治療開始の頃は1日中ほぼ同じ調子で動けるが、2~3年L-ドパを飲み続けると、一部の患者さんはL-ドパを飲んだ2~3時間後には急に薬の効果が薄れて、思うように体が動かなくなる現象。

■ジスキネジアについて
 ジスキネジアとは 抗パーキンソン病薬の服用に伴って起きる不随意運動の総称で、自分の意志に関わりなく身体が動いてしまう症状をいう。
 若年性のパーキンソン病患者では 四肢が勝手に動いてしまうことが多いが、高齢者では 「口舌ジスキネジア」で始まり、四肢の不随意運動へと進行していく例が多い。
 L-ドパの内服開始後 だいたい3~5年で現れるようになることが多く、約半数の患者が ジスキネジアを経験するようになるという。ジスキネジアは 高齢者よりも若年性パーキンソン病患者に現れやすく、日常生活に差し障りがあることもある。
 L-ドパの量が多く服用期間が長いほど起こりやすい。





2015年9月2日水曜日

■食後に投与しない内服薬

≪食事と混ざって効果発現≫
▼セベラマー(フォスブロック):食直前に服用
※消化管内でリンと結合して、糞中リン排泄を促進する。

▼ボグリボース(ベイスン)、アカルボース(グルコバイ)、ミグリトール(セイブル):食直前に服用
※腸管において、二糖類分解酵素を阻害して、糖質の消化・吸収を遅延させる。

 
≪食事や他の薬剤と同時服用不可≫
▼球型吸着炭(クレメジン):食間に服用
※尿毒症毒素を消化管内で吸着して、便とともに排泄する。他の薬剤も吸着させてしまう恐れあり。

▼ホリナートカルシウム(ロイコボリン):食事の前後1時間は避けて服用
※食後服用で、同時に服用する抗がん剤のAUCが低下し、本剤のAUCが上昇する。

 
≪食後過血糖改善薬≫
▼ナテグリニド(ファスティック)、ミチグリニド(グルファスト)、レパグリニド(シュアポスト)
※食後ではすみやかな吸収が得られず、効果減弱する。食前30分では、低血糖を誘発する可能性あり。



■経口補水療法と経口補水液について



 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
■熱中症を甘くみてはいけません。
大切なことは、暑熱環境下では熱中症は誰にでも起こり得るということです。
Ⅰ度の症状≪大量の発汗、めまい・立ちくらみ、筋肉痛・筋肉の硬直≫が出現したら、すぐに冷所へ避難し安静とし、身体を冷やし、経口補水液を飲みます。誰かがそばで見守り、改善しない場合・悪化する場合は必ず病院へ搬送します。

■熱中症の裏には、水分・電解質の不足が隠れています。
暑熱環境下では、大量の汗が出て体液(水分と塩分)が失われます。...
この時、失った水分と塩分を適切に補給できないと、脱水状態になります。体液が失われると体内を循環する血液が不足し、体内で作られる熱を体表面に運び出し、放散することができなくなります。熱中症の裏には、脱水状態が隠れています。

■脱水状態時には『水』と『塩分』の補給を!!
体温の上昇による発汗によって、水分と塩分が失われて脱水状態になります。それを補うために水だけを飲むと、カラダの塩分が薄まってしまいます。脱水状態時には、水分だけでなく塩分を摂取することが必要です。

■経口補水療法と経口補水液について
経口補水療法は、経口補水液を飲んで脱水状態を改善させる方法です。経口補水液は水分と塩分を速やかに吸収・補給できるよう塩分と糖分の量やバランスを調整した飲料です。水・お茶は、塩分が補給できないため、脱水状態時の水分・塩分補給にはお勧めはできません。過度の発汗による水分と塩分の喪失時には、経口補水液が適しています。

■経口補水液の成分
▽水・砂糖・塩を一定の割合で溶かした溶液
▽点滴の成分によく似ています。
▽水1リットル+砂糖40g(上白糖おおさじ4と1/2杯)+塩3g(小さじ1/2杯)
▽経口補水液:オーエスワン:大塚製薬工場より販売されています。
▽最近お店でも『塩分の多い飲み物』と書かれた製品が売られていると思います。
▽経口補水液に比べると塩分が少ないが、スポーツドリンクでもいいです。

 

2015年9月1日火曜日

■長期投与を避けた方がよい薬剤

▼イフェンプロジル(セロクラール)
投与12週で効果が認められない場合は中止すること。
≪理由≫
薬剤の効果が812週で認められるといわれているため。

 
▼ニセルゴリン(サアミオン)
投与12週で効果が認められない場合は中止すること。
≪理由≫
本剤投与後、症状の改善率は4週,8週に上昇し、12週でほぼピークに達するため。

▼マジンドール(サノレックス)
1ヶ月以内に効果が認められない場合は中止すること。3ヶ月を超えて投与しないこと。
≪理由≫
長期投与により、肺高血圧の発症の危険性が増加するとの報告があるため。




■熱中症が起こりやすい要因

















■熱中症が起こりやすい要因
歳を重ねていくとだんだんと、喉の渇きを認識する感受性が低下していく上に生理機能や体温調節機能の低下がみられます。
さらに、
①エアコンがあっても効きすぎるのが嫌で使わない。
②防犯のために窓を閉める(足が悪く、1階に住むことが多い)。
③夜間トイレに起きないように水分摂取を控える。...
などの習慣をもつ人が多くなり、熱中症発症の危険性が高くなります。草取りや作業中だけでなく、自宅で安静にしている状態でも熱中症にかかる人もいます。


■熱中症の予防
①暑さを避ける。
屋外では日陰を選んで歩き、活動時はテントなどで日陰を作りましょう。帽子や日傘も効果があります。
②服装にも工夫をする。
吸水性に優れた素材を選び、白色系の素材が良いでしょう。襟元はなるべく緩めて通気しましょう。
③こまめに水分と塩分の補給を行う。
暑い日には、汗を多くかいています。過度の発汗の場合、汗中の塩分濃度も高くなりますので、十分な水分と塩分の補給が重要です。のどが渇く前あるいは暑いところに出る前から補給することが大切です。
④急に暑くなる日に注意する。
暑い環境に、ヒトは順応することができます。しかし、暑くなり始めの時期、熱帯夜の翌日などは要注意です。暑さに慣れるまでに熱中症を起こさないようにすることが重要です。
⑤個人の条件を考慮する。
熱中症は、健康な人でも起こりますが、発熱している人、下痢などで脱水状態にある人、涼しい環境で育った人、心肺機能が弱い人などは熱中症になりやすいので注意しましょう。