2013年9月19日木曜日

■薬の副作用

今日は薬の副作用に関するトピックスです。
医師の処方による薬で成人の30%が副作用を経験していることが薬の適正使用競技会の調査でわかった。前回の1999年の調査に比べて9ポイント減少しており、同協議会は副作用への意識の高まりを受け、医師や薬剤師が以前より丁寧に薬の説明をし、患者も気をつけるようになったためではないかとしている。
調査は昨年10月全国の20~69歳の2000人にFAXで実施し、80.4%の1607人の回答を得た。
薬を飲んで発疹がでたり、胃がもたれたりといった副作用の経験者は30%で、未経験者は70%だった。処方薬の説明を『十分に受けた』のは44%で、前回調査より16%増。『少し受けた』は49%。『全く受けなかった』は6%だった。だが薬の中で知りたい情報として『副作用』をあげたのは70%に上ったのに対し、実際に副作用の説明を受けたのは27%にとどまり、医師や薬剤師と患者の意識のズレが浮き彫りになった。

2013年9月18日水曜日

■鉄欠乏性貧血:貧血と鉄

◇鉄欠乏性貧血◇
名前の通り鉄が欠乏することにより骨髄でのヘモグロビン合成が障害される小球性低色素性貧血です。
原因としては、胃切除後の鉄の吸収低下や慢性消化管出血による鉄の排出が増えてしまうことや成長期女性の必要な鉄分の増大などにより引き起こされます。鉄不足で血清の鉄分が少なくなるため、総鉄結合能・不飽和鉄結合能は上昇し、鉄を貯蔵する蛋白のフェリチンの低下が認められます。
鉄欠乏性貧血では鉄剤が投与されますが、その鉄剤の投与は体に鉄が貯蔵されるまで、フェリチンが正常な値になるまで必要です。

◇貧血と鉄◇
貧血とは赤血球の生産障害や出血などによって、血液中の赤血球やヘモグロビンが減ってしまう状態です。赤血球は酸素の運送に関わってるため、貧血になると全身の細胞が酸素不足になり、倦怠感が起こる。
人間の体には約4~5gの鉄が存在しているが、その60%~70%は血液のヘモグロビン内にヘム鉄として含まれている。残りは貯蔵鉄として、肝臓や骨髄に貯められていり。血中の鉄は酸素とくっつき、全身に酸素を運ぶ働きがあるため、血中の鉄が不足すると、貯蔵鉄が不足している分を補うので、鉄欠乏性貧血が起きるわけです。
鉄欠乏性貧血が起きると、動悸やめまいや疲労などの症状が起こり、顔に赤みがなくなってしまうので、顔色が悪くなってしまいます。そして、その結果免疫力が落ち、口内炎や舌炎などの粘膜に異常がおきてしまいます。

2013年9月15日日曜日

■質問:ニカルジピン注投与による静脈炎を予防するためには、どうすればいいですか?

ニカルジピン注って静脈炎を起こしやすい注射液なんです。
病棟の看護師さんに、『ペルジピン注投与するといつも静脈炎が起こりやすいんですけど、予防する何かいい方法ないですか~?』って質問いただきました。
■質問:ペルジピン注投与による静脈炎を予防するためには、どうすればいいですか?
【質問者:ICU看護師・2階病棟看護師】
≪回答≫
・原液投与を避けて生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液で希釈し、ニカルジピン塩酸塩として0.01~0.02%(1ml当たり0.1~0.2mg)溶液を点滴静注する
・同一静脈による連続投与を避ける
・24~72時間ごとに留置針を交換する
・口径の小さい針・プラスチックカニューレを使用していただく
0.01%、0.02%の点滴静注時の薬剤の調製法の表も作ったのですが、ブログには貼り付けられませんでした・・・。
※0.01%(1ml→0.1mg⇔100ml→10mg)液を作るのであれば生理食塩液100mlに対し10ml抜いてニカルジピン10mlを入れても0.01%です。


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2013年9月14日土曜日

■質問:水分制限患者様にGFOを投与する場合どれぐらいまで水分を減らすことができますか?

GFOっていうのは、G(グルタミン:アミノ酸)F(ファイバー:食物繊維)O(オリゴ糖)が、入っている食品です。絶食期間をできるだけ作らずに早め早めにGFOなどを投与することにより腸を動かせば腸管粘膜の萎縮が防がれ、感染症などにかかるリスクが減少したなどの報告があります。また偽膜性腸炎に有効とか下痢にも便秘にもいいとか言われています。

■質問:水分制限患者様にGFOを投与する場合どれぐらいまで水分を減らすことができますか?
【質問者:ICU看護師】
≪回答≫
通常GFOは、一袋を100~150mlの水に溶解して投与するということになっていますが、それは溶解後の浸透圧を考慮して考えられています。
・GFO一袋を100mlの水に溶かした場合→浸透圧400~450mmOsm
・GFO一袋を150mlの水に溶かした場合→浸透圧260~300mmOsm
少し溶けにくいかもしれませんが、50mlの水で溶かしていただいて、(浸透圧が少し高くなるため)ゆっくりと投与していただければいいかと思います。


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2013年9月13日金曜日

■カリメート散は、注入時どのような投与方法を行えばチューブに詰まりにくく投与できますか?

■質問:カリメート散は、注入時どのような投与方法を行えばチューブに詰まりにくく投与できますか?
【質問者:2階病棟看護師】
≪回答≫
カリメート散は、水でもお湯でも溶けません。1包(5g)を1回で投与するより、2.5gを2回に分けて投与する方がいいと思います。
①カリメート散2.5gを水20mlに懸濁させる。
②すぐに積もってくるので、均一に分散させ(よく振りまぜ)その状態で急いで注入すればチューブ詰まりをするリスクが軽減すると思われます。
※同様にタンニン酸アルブミンも溶けにくい粉〔1gを溶かすのに10L以上の水が必要だとか〕ですので、上記のような投与方法がいいと思われます。けれど、タンニン酸アルブミンを頑張って投与するのならロペミンを簡易懸濁法で溶かして投与する方が楽かもしれません・・・。



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