造影剤で可視化した血管へのカテーテル挿入や穿刺による管腔臓器治療などが行われる。
IVR(アイ・ブイ・アール)という言葉をご存じでしょうか。さまざまな医療場面で活躍の場を広げている治療法で、正確には「Interventional Radiology=インターベンショナルラジオロジー」、日本語では「画像下治療」と訳しています。文字通り、X線(レントゲン)やCT、超音波などの画像診断装置で体の中を透かして見ながら、細い医療器具(カテーテルや針)を入れて、標的となる病気の治療を行っていきます。
IVRは、外科手術のようにおなかや胸を切らずに、体の奥にある臓器や血管の治療ができる方法です。そのため、患者さんの体への負担が圧倒的に少ないという特徴を持っています。また、医療器具を入れる穴も数ミリ程度と小さく、器具を抜いた後は縫う必要もないので(絆創膏を貼ります)、処置後の傷もほとんど残りません。
≪血管の詰まりやがんの治療など幅広く対応≫
治療できる範囲が非常に幅広いのも特徴です。私たちの体の中には10万キロに及ぶ血管と多くの管(消化管や尿管など)が張り巡らされていますが、IVRではこの血管や管の“迷路”を体の外から観察しながら、カテーテル(血管の中を通すチューブ)や針を走らせ、目標である病気の元に正確にたどり着けるからです。このため、体の負担は小さくても、IVRで対応できる病気は多いのです。
そもそも血管を通るわけですから、血管の詰まりを治すことはお手のものですし、血管をたどって肝臓などの臓器に行くことで、抗がん剤を注入したり、がんの成長に必要な血液をがんに届かないようにしたりすることなどもできます。
がんに伴う痛みもIVRが得意とするとことで、がんのせいで弱くなり痛みの原因となっている骨にセメントを注入して骨を強化するなど、痛みを根本から抑える治療を行うことができます。
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