肺炎球菌は耐性菌も多く、治療よりも予防が重要である。
現在、日本で発売されている肺炎球菌ワクチンは、ニューモバックス:23価肺炎球菌ワクチンとプレベナー:7価結合型肺炎球菌ワクチン(PCV7)がある。
≪ニューモバックス:23価肺炎球菌ワクチン≫
23種類の肺炎球菌莢膜ポリサッカライドを抗原として使用しており、2歳以上で肺炎球菌による重篤疾患に罹患する危険が高い次のような個人及び患者を対象に使用されている。
▼脾摘患者における肺炎球菌による感染症の発症予防
▼肺炎球菌による感染症の予防
・鎌状赤血球疾患、あるいはその他の原因で脾機能不全である患者
・心・呼吸器の慢性疾患、腎不全、肝機能障害、糖尿病、慢性髄液漏などの基礎疾患のある患者
・高齢者
・免疫抑制作用を有する治療が予定されている者で治療開始まで少なくとも14日以上の余裕のある患者
2歳以下の小児には、接種しても抗体が増加しないため、2歳以下の小児には適応がない。
高齢者では、過去に肺炎球菌の保菌や感染症を経験しているため免疫が初期化されており、有効である。
しかし、約5年で抗体価が低下してしまうので再接種が必要となる。
≪プレベナー:7価結合型肺炎球菌ワクチン(PCV7)≫
PCVは、7種類の肺炎球菌ポリサッカライドの抗原しかないが、それぞれをキャリア蛋白と結合させているため、マクロファージによって貪食される。
その結果、T細胞を介して抗体が産生され、乳児でも効果が認められる。
PCV7は、7種類の肺炎球菌に対してのみしか効果を発揮できない。
しかし、侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)の原因菌として頻度の多い肺炎球菌を対象としているので、ワクチン使用前の7価のカバー率は日本のIPDから検出される肺炎球菌のやく70〜80%である。
今後は、13価結合型ワクチンが認可される予定であるので、さらにカバー率が上がると思われる。
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