2015年6月17日水曜日

■心拍再開後に使用する薬剤

昇圧薬
心拍出量や脳への血流の維持を目的にカテコラミンを中心とした薬物療法が行われる。


▽ドパミン(ドパミン塩酸塩注100mg)
≪作用機序≫
α・β受容体刺激作用、ドパミン受容体刺激作用により、用法依存性に心拍出量と静脈圧を増加させる。
≪適応≫
不安定な徐脈、蘇生後低血圧、ショック状態に使用する。
≪用法≫
210μg/kg/分では、β刺激作用が優位で、血圧上昇・心拍出量・心拍数増加作用がある。
1020μg/kg/分では、α刺激作用が優位となり、末梢血管の収縮がみられる。
さらに高用量で、臓器の血流に悪影響を及ぼすことがある。

▽ドブタミン(ドブタミン点滴静注100mg)
≪作用機序≫
心筋のβ1受容体に直接作用し、心筋収縮力を増加させ、心拍出量の増加、冠血流の増加、左室拡張終期圧を低下させる。
血管に対しては、α1作用とβ作用を有し、全身の血管抵抗は不変かやや低下する。
≪適応・用法≫
心不全、心不全による肺水腫に220μg/kg/分で投与する。
≪注意≫
用法以上の量で投与すると心拍数が増加し、心筋虚血を悪化させることがある。
血管拡張作用による低血圧に注意する。
アルカリ性の注射液(メイロン)やNaClを含む注射液との混合は行わない。

▽ノルアドレナリン(ノルアドレナリン注1mg)
≪作用機序≫
主にα受容体に作用し血管収縮作用を持ち、β受容体作用は心臓以外では弱い。
心拍数は血管収縮の程度により増加もしくは減少する。
作用は、一過性でアドレナリンより弱い。
循環血液量減少状態には相対的禁忌である。
≪適応・用法≫
重篤なショック(心原性ショック、肺血症ショックなどの末梢血管抵抗下)例に、0.51.0μg/分から開始し増量する(30μg/分まで)
≪注意≫
血圧が上昇し、後負荷が増加して心拍出量が減少することがある。
頻脈を生じることが少ない。



≪相互リンク≫
にほんブログ村:薬・薬剤師ブログ
人気ブログランキング:薬剤師
          

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。