2013年11月16日土曜日

■睡眠薬の種類

≪超短時間型≫
▽マイスリー
・特にω1受容体に選択的に結合し、催眠・鎮静作用を示す。
・筋弛緩作用が弱く、翌朝までの持ち越し効果が少ない。
・処方日数制限30日まで。

▽アモバン
・筋弛緩作用は弱く、夜間や翌日のふらつき、転倒が少ない。
・排泄される過程において、苦味を持つ代謝物が唾液中に分泌されるため、翌朝まで苦味が残ることがある。
・処方日数制限は、特にない。

▽ハルシオン
・効果発現が速やかで、入眠障害に有効。
・高力価で半減期が短いため、半跳性不眠を起こしやすい。
・薬物依存に対する注意が必要。
・一過性の記憶障害やもうろう状態を起こすことがある。
・併用禁忌薬剤もある。
・処方日数制限30日まで。

≪短時間型≫
▽エバミール
・入眠障害に有効。
・肝機能の低下している患者にも使用しやすい。
・レム睡眠の反跳や持ち越し効果は少ない。
・処方日数制限30日まで。

▽リスミー
・4種類の活性代謝物の半減期は10時間であり、適度に睡眠を持続させる。
・筋弛緩作用は弱いので、ふらつきは少ない。
・処方日数制限は、特にない。

▽レンドルミン
・効果発現が1530分と速やかであり、入眠障害に対して有効。
・作用持続時間が78時間であり、翌朝への持ち越し効果は少ないが、健忘の報告がある。
・処方日数制限30日まで。

▽デパス
・入眠障害に有効。
・抗うつ効果や抗不安効果もあるため、うつ病・神経・心身症などの睡眠障害に効果的である。
・高齢者への投与は、筋弛緩作用を併せ持つため、転倒・転落・骨折などの危険性に注意が必要。
・処方日数制限は、特にない。

≪中間型≫
▽サイレース・ロヒプノール
・熟眠障害に有効。
・入眠作用は強力で、夜間の覚醒回数も少ない。
・中程度の持ち越し効果がみられる。
・注射製剤もある。
・日本では第2種向精神薬に指定されており、米国への持ち込みは禁止されている。
・処方日数制限30日まで。

▽ユーロジン
・熟眠障害に有効。
・中途覚醒の少ない安定した睡眠が得られる。
・抗不安・筋弛緩・抗痙攣作用を併せ持つ。
・高齢者への投与は、転倒・転落・骨折などの危険性に注意が必要。
・処方日数制限30日まで。

▽ベンザリン・ネルボン
・日本で最初のベンゾジアゼピン系睡眠薬であり、国内の睡眠導入薬開発時の基準薬である。
・熟眠障害に有効。
・筋弛緩作用・抗けいれん作用が強く、抗てんかん薬としての適応も持っている。
・高齢者への投与は、転倒・転落・骨折などの危険性に注意が必要。
・処方日数制限90日まで。

≪長時間型≫
▽ドラール
・特にω1受容体に選択的に結合する。
・催眠鎮静作用に比べ、筋弛緩作用は弱い。
・半減期が長いため、熟眠障害や中途覚醒に有効。
・胃内容物の残留により、吸収が増大し、血中濃度が空腹時の23倍上昇するとの報告があるため、食後の服用は避ける。
・処方日数制限30日まで。

▽ソメリン
・半減期がきわめて長く、中途覚醒・早朝覚醒に有効である。
・処方日数制限30日まで。

▽ベノジール・ダルメート
・半減期が長く、2週間以上連続服用していると、代謝物が薬効の大部分を占めるようになる。そのため中途覚醒、早朝覚醒に対して効果を示す。
・日中不安を抑制する。
・処方日数制限30日まで。




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