2018年7月13日金曜日

■不眠症とは!?

¢不眠症は、病気になる危険性が高い代表的な睡眠障害の一つ。

¢成人30%以上が、入眠困難・中途覚醒・早朝覚醒・熟眠困難などのいずれかの不眠症状を有しており、610不眠症にかかっている。

¢不眠(特に慢性不眠)は、眠気・倦怠・集中困難・精神運動機能低下・抑うつや不安など多様な精神・身体症状を伴うことが多い。その結果、不眠症は、長期欠勤や医療費の増加・生産性の低下・産業事故の増加など、さまざまな人的および社会経済的損失をもたらすことが明らかとなり、公衆衛生学上の大きな課題の1つとなっている。


【不眠症状とは!?】
¢23回程度(または1ヶ月以上)以下のような行動が見られる。
・ベッドや
布団に入ってから数十分~数時間以上かかったり途中で何回も起きてしまう。
・季節や時期に関係なく普段よりも何時間も早く起きてしまう。
・ぐっすり眠れない、また熟睡できる日がほとんど無い。

¢眠れない事への不安や緊張などにより日常生活に支障をきたしている・
軽度なものであれば耳鼻科や内科でも処方してもらえますがきちんとした治療を求めるのであれば心療内科等で相談するのが1番です



【不眠症の種類】
≪入眠障害≫
布団に入ってもなかなか寝つけず、寝るまでに3060分以上時間を要する。
 
≪中途覚醒≫
いったん眠りについても、翌朝起床するまでの間、何回も目が覚めてしまう。


≪早朝覚醒≫
本人が希望する時刻、または通常の時刻より2時間以上前に目が覚め、その後なかなか眠れない。


≪熟眠障害≫
眠りが浅く、睡眠時間を十分にとっていても熟睡した感じが得られない。



【不眠症の生活指導】
▼運動
・定期的に適度な運動をする。

▼食事・嗜好品
・就寝前の飲酒や喫煙を控える。

・栄養バランスのとれた食事を13回同じ時間に取る。
・就寝4時間前以降は、カフェインの摂取を控える。
・夕食は就寝3時間前までに終わらせる。

▼生活
・趣味などでストレスを解消する。

・睡眠時間の長さにこだわらず、日中の眠気に困らない程度の睡眠を心掛ける。
・就寝時刻こだわらず眠くなってから床に就く。
・毎日同じ時刻に起床し、一定のリズムを作る。
・入浴時は3839℃のぬるめのお湯にゆっくり入る。
・朝の光を浴びる。
・昼寝をする場合は午後3時より前に、2030分以内にとどめる。
・寝室を適度に暗くし、余計な音等が入らないようにする。


【不眠症の受診勧奨の目安】
≪消費者の状態≫
・慢性的な不安やうつ状態が続いている
 ⇒精神疾患の可能性

・痛み、痒み、咳、頻尿など身体的不調による不眠が続いている
 ⇒身体疾患の可能性

・ドパミン系薬、昇圧薬、ステロイド薬、インターフェロン製剤などを服用している。
 ⇒薬剤性睡眠障害の可能性

1週間以上不眠症状が続いている
 ⇒医師による診断と治療が必要

・十分な睡眠をとっていても、昼間に突然眠気に襲われ居眠りしてしまう。
 ⇒ナルコレプシーや睡眠時無呼吸症候群などの可能性




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2018年7月11日水曜日

■睡眠改善薬『ドリエル』

¢エスエス製薬から発売された睡眠改善薬ドリエル

¢レスタミンアタラックスPネオマレルミントラベルミンなどは、鎮痒・乗り物酔い・アレルギー症状を抑える抗ヒスタミン薬として使用される薬である。

¢これらの薬の副作用として、眠気の副作用が知られており、服用後は車の運転など危険を伴う作業を行わないこととの注意書きがされている。

¢この本来の副作用だった眠気を主作用として、寝つきが悪いなどの症状を改善するために発売されたのが、ドリエルである。
 



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■ナルコレプシーとは!?

¢ナルコレプシーは、過眠症のひとつです。通常ならば寝てはいけない重要な場面でも我慢できないほどの強い眠気に襲われたり、突然眠ったりすることが特徴です。病気であるにもかかわらず、大事な場面でも眠ってしまうことについて「だらしない」「意欲が足りない」「真面目にやっていない」などと思われ、本人や周囲が病気と認識しない場合が多くみられます。


¢日本では、600人に1人がナルコレプシーであるといわれています。発達(体や神経・精神の機能的な成熟)に伴い発症し、日本では1314歳が発症のピークであると報告されています。治療が遅れると社会生活に支障をきたす恐れがあるため、早期に診断されて治療を開始することが重要です

 
≪ナルコレプシーの4徴≫
睡眠発作:最も基本的な症状は日中の耐え難い眠気と居眠りが繰り返し生じること。居眠りの持続は、10〜20分。

情動性脱力発作(カタプレキシー):発作的に起こる全身、または身体の一部に限局する筋緊張の低下あるいは消失する減少。持続は2〜3秒から数分以内であり、回復は速やか。発作中の患者の意識は清明である。情動の中で笑いが最もこの発作を引き起こしやすいが、驚愕、怒りなどでも起こる。

③睡眠麻痺:入眠時に生じる一過性の全身脱力症状。いわゆる金縛りのことである。持続は数分以内であり、患者はこの状態から自然回復する。


④入眠時幻覚:就寝後、間もなく、自覚的には目覚めているときに鮮明な現実感のある幻覚を体験する。

②、③、④の発現にはレム睡眠の機序が関与することから、レム睡眠関連症状という。

睡眠発作と情動性脱力発作の2症状が揃っていれば、臨床的にはナルコレプシーと診断

≪ナルコレプシーの治療≫
規則正しい生活を送り、睡眠不足を避ける。

≪ナルコレプシーの症状と治療薬≫
▽夜間睡眠の改善
➡超短時間作用型・短時間作用型睡眠薬(ゾルピデム・ゾピクロン・トリアゾラム・ブロチゾラムなど)

▽昼間の眠気と睡眠発作
➡中枢神経刺激薬(メチルフェニデート・ペモリン・モダフィニル)

▽レム睡眠関連症状(情動性脱力発作・睡眠麻痺・入眠時幻覚)
➡三環系抗うつ薬(クロミプラミン・イミプラミン:レム睡眠を抑制する)





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■睡眠時無呼吸症候群とは!?

¢睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome)は、眠っている間に呼吸が止まる病気です

¢Sleep Apnea Syndromeの頭文字をとって、「SAS(サス)」と
も言われます

¢医学的には、10秒以上の気流停止(気道の空気の流れが止
まった状態)を無呼吸とし、無呼吸が一晩(7時間の睡眠中)に30
回以上、若しくは1時間あたり5回以上あれば、睡眠時無呼吸で

¢寝ている間の無呼吸に私たちはなかなか気付くことができない
ために、検査・治療を受けていない多くの潜在患者がいると推計
されています

¢この病気が深刻なのは、寝ている間に生じる無呼吸が、起きて
いるときの私たちの活動に様々な影響を及ぼすこと。気付かない
うちに日常生活に様々なリスクが生じる可能性があるのです。



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