2013年9月10日火曜日

■タミフル脱カプセル細粒の作り方

【タミフル脱カプセル細粒の考え方】
タミフルドライシロップ3%は、1g中にオセルタミビルという成分が30mg含まれています。
3%の細粒を作るのであれば、要は1g中にオセルタミビルを30mg含有している細粒ができればいいということです。
ちなみにタミフルカプセルは、1カプセル中に75mgオセルタミビルを含有しています。

例えば、タミフルカプセル75mgを4カプセル脱カプセルし、乳糖なりの添加物を加え全量10gにしてみます。するとその中には、10g中にオセルタミビルが75mg×4=300mg含まれていることになります。
300mg/10g⇒30mg/1g⇒3%散=タミフルドライシロップ3%と同じ濃度になります。
・タミフルドライシロップ3%:30mg/1g
・タミフル脱カプセル細粒:(75×4)300mg/10g⇒30mg/1g

【タミフル脱カプセル細粒の作り方】
タミフルカプセル4カプセルを脱カプセルします。それに乳糖を加え全量を10gとします。〔タミフル1カプセルの全量は、165mgです。タミフル4カプセルでは、0.165g×4=0.66g。10-0.66g=9.34g。乳糖は、9.34g加えればいいということになります。〕
2種類の粉が混ざるようによく混ぜます。
これで、タミフル脱カプセル細粒3%散の出来上がりです。
 
◇この細粒は、ドライシロップに比べて苦味があります。小さなお子様が、飲めるように工夫しないといけませんね。


≪関連記事≫
■ランサップ400とランサップ800の使い分けは!?
■アルロイドGを服用した後、水などをすぐに飲んでもいいのか!?
■PPI(プロトンポンプ阻害薬)vsH2ブロッカー(H2受容体拮抗薬) 比較
■胃薬っていっぱいあるけど、何が違うの!?
■胃全摘患者にビスフォスホネート製剤って投与可能なの!?

≪関連記事≫
■アルブミン製剤の使い分けは!?≪4.4%・5%と20%・25%アルブミン製剤≫
■アルブミン製剤の投与速度は!?
■低アルブミン血症患者に25%アルブミナーを投与後にラシックス(フロセミド)を投与するのは、なぜ!?
■アルブミン製剤の投与期間は!?

≪関連記事≫
■脂肪乳剤は、基本末梢投与です。
■イントラリポス保険請求切られました!!
■脂肪乳剤投与の役割

■副腎機能低下症の診断:CRH試験・ACTH試験

■副腎機能低下症の診断:CRH試験・ACTH試験

CRH試験】
ヒトCRH静注用を負荷した後、血中のACTHとコルチゾールを測定します。
①早朝空腹時に、基礎値測定用に採血をする。
②成人には100μg/mI、小児には1.5μg/kg×体重量のCRHを静注する。
③それぞれの最高濃度(頂値)を示す時間(ACTHは約30分、コルチゾールは約60)と頂値後の数ポイントを採血、それぞれのACTHおよびコルチゾール濃度を測定する。 

【迅速ACTH試験】
①注射前少なくとも30分安静にする。
②前採血(a)する。
③コートロシン注射用0.25mg1アンプルを筋注又は静注する。
④注射後30(b)及び60(c)に採血する。
(a)(b)(c)の血中コルチゾールを測定する。

【連続ACTH試験】
①コートロシンZ筋注0.5mgを筋注する1及び2日前の24時間尿を対象サンプルとして蓄尿し、血中コルチゾールを測定する。
②その後の3日間、コートロシンZ筋注0.5mgを朝8時に1アンプル(1mL)1回筋注する。
③筋注終了日の翌日までの24時間尿を蓄尿し、尿中コルチゾールを毎日測定する。
※この時、蓄尿の正確さを確認するために尿中クレアチニンも測定すると尿中クレアチニン1gあたりの尿中ホルモン排泄量を算出できる。

2013年9月9日月曜日

■HSE(高張ナトリウム・エピネフリン)の作り方

≪HSE(高張ナトリウム・エピネフリン)の作り方≫
HSEは、出血性胃潰瘍時の内視鏡的止血治療に使われる止血剤です。
HSE:hypertonic saline epinephrine

院内製剤ですので、一般的な作り方を載せておきます。

生食15mlに対し10%塩化ナトリウム注射液5mlとアドレナリン注0.11mlを混合する。

2013年9月8日日曜日

■持効型インスリン製剤:レベミル1日2回打ち⇒ランタス1日1回打ちへの切り替え

■質問:レベミル1日2回打ちしている患者様をランタス1日1回打ちへ切り替える場合の注意点を教えてください。
■質問者:薬剤師
■回答:レベミルもランタスも1日1回もしくは、1日2回打ちの持効型インスリン製剤です。メーカーさんに問い合わせた結果、1日1回打ちの場合、レベミル注からランタス注への切り替えを行う場合は、打つ単位数は同じ単位数でいいみたいです。そしてレベミル1日2回打ちをランタス1日1回打ちに切り替える場合は、レベミルの打つ1日単位数(2回分)の7~8割を、ランタス1日1回投与すればいいとのことです。

2013年9月7日土曜日

■コムタンの最大の売りは、 L-ドパの最高血中濃度を上げずに、血中半減期を延長する!!


■コムタン錠
 レボドパを体内で分解してしまう「COMT(コムト)」という酵素の働きを抑える薬。
 酵素COMT(コムト)を阻害することでレボドパが体内で分解されにくくなるため、レボドパが脳内に届きやすくなり、ドパミンの効き目が長く続きます。
 パーキンソン病において最も重要かつ基本的な薬は“レボドパ”です。このレボドパの問題点として、長期服用により効き目が落ちてしまう ということがあります。効いている時間が短くなり、次の服薬前に病気の症状(ふるえ・こわばり・動作緩慢)が出てしまうのです(wearing-off現象)。
 このお薬は、レボドパが効いている時間を延ばします。1日平均1.4時間延ばすことが臨床試験で示されています。単独では効果がありませんので、必ずレボドパ製剤(レボドパ・DCI配合薬)と一緒に飲むようにします。併用することにより、パーキンソン病における日内変動(wearing-off現象)の改善効果が期待できます。

◇コムタンの最大の売りは、 L-ドパの最高血中濃度を上げずに、血中半減期を延長する!!