薬剤師の話
病院で働いている薬剤師が、薬や医療についての情報などを配信していきます。 講演や執筆依頼などは、rodvmaj@yahoo.co.jpまで気軽にご連絡ください。
2015年1月31日土曜日
■インフルエンザに関連した死亡(超過死亡数)
≪2002-2003シーズン≫
11215人
≪2003-2004シーズン≫
2400人
≪2004-2005シーズン≫
15100人
≪2005-2006シーズン≫
6849人
≪2006-2007シーズン≫
0人
≪2007-2008シーズン≫
2657人
≪2008-2009シーズン≫
811人
≪2009-2010シーズン≫
193人
≪2010-2011シーズン≫
4916人
※国立感染症研究所感染症情報センター
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2015年1月30日金曜日
■インフルエンザワクチンは、1回接種or2回接種!?
インフルエンザワクチンは、接種を受ける時の年齢や基礎疾患の有無などで推奨される回数が異なります。
▽生後6か月(1歳以上とされている場合もある)以上13歳未満⇒2回接種
接種間隔はおよそ2~4週間とされていますが、できるだけ4週間程度間隔をあけて接種した方が免疫の獲得はいいと言われています。
※1回目接種時に12歳で2回目の接種時に13歳になっていた場合は、2回目の接種も12歳とみなして実施します。
▽13歳以上⇒1回または2回接種
接種間隔はおよそ1~4週間とされていますが、できるだけ4週間程度の間隔をあけて接種した方が免疫の獲得はいいと言われています。
13歳以上であっても、基礎疾患などがあり著しく免疫が低下していると考えられる場合は、医師の判断で2回接種とすることもあります。
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2015年1月28日水曜日
■インフルエンザとかぜの違い
≪インフルエンザ≫
【経過】
急激な高熱で発症する
【症状】
38~40度の高熱・悪寒・頭痛・倦怠感などの全身症状を伴う。
咳・鼻水・喉の痛みなどの症状が後に続く。
【合併症】
肺炎やインフルエンザ脳症など。
【感染力】
強い。
人から人へ急速に広がる。
≪かぜ≫
【経過】
ゆっくりと経過する。
【症状】
主に咳・鼻水・喉の痛みなどの症状が現れ、発熱を伴うことがある。
【合併症】
まれである。
【感染力】
弱い。
だらだらと広がることが多い。
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2015年1月27日火曜日
■インフルエンザの予防3原則
①免疫をつける⇒予防接種
インフルエンザワクチンは、発病を100%抑えるほどの効果はありませんが、重篤な合併症や死亡を少なくし、感染してしまった場合でも症状を軽めに抑えることが期待できます。
②感染経路を断つ
・人ごみは、インフルエンザの温床である。なるべく繁華街などへの外出を控える。
・外出後の手洗い、うがい、手指消毒などを行う。
・外出時にマスクを着用する。
・適度な室温(20~22℃)と湿度(50~60%)を保つ
③抵抗力をつける
・充分な睡眠と休養をとる。
・バランスのとれた食事をとる。
・健康的な生活習慣を心掛ける。
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2015年1月24日土曜日
■インフルエンザ脳症
≪インフルエンザ脳症≫
主に乳幼児がインフルエンザに感染して39~40℃の高熱が続いた後、突然発症する脳浮腫で、幻覚・意識障害などの中枢神経障害を伴う。致死性の高い疾患で、無治療では発症した1~3割が死亡、2割近くに後遺症が報告されている。
≪インフルエンザ脳症発症機序≫
①インフルエンザウィルスに感染すると、宿主が応答しTNF-αやIL-6などの炎症性サイトカインが早期に誘導される。
②サイトカインは、生体防御を担う免疫系を発動させるとともに、全身の細胞でウィルス増殖に必須なプロテアーゼ(トリプシンなど)の発現を誘導する。
③トリプシンは、インフルエンザウィルスの膜タンパク質であるヘマグルニチンを分解して、膜融合を活性化する。これにより、宿主細胞に侵入することが可能となり、インフルエンザウィルスが増殖する。
④血管内皮細胞でこのサイクルが回転すると、トリプシンが細胞間のタイトジャンクション(密着結合)とアドヘレンスジャンクション(接着結合)を構成している物質を解離・消失させ、これに伴って血管膜の透過性の亢進が引き起こされる。
糖代謝が抑制され、脂肪酸代謝が亢進する。
CPT2が機能低下していると脂肪酸代謝も進まなくなる。その結果、ATPが生産されなくなりエネルギー不足になる。
⑤血管内の血漿成分は組織液側に漏れ出ていく(浸出)。多量の浸出液2より水分が貯留し、浮腫を呈して末梢機能不全となる。
⑥ ④、⑤が脳で生じると、ウィルスに侵入する以前に、浮腫の結果、脳圧が亢進する。重篤化するとインフルエンザ脳症となる。
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