2016年9月1日木曜日

■社会不安障害(SAD)の認知行動療法

SADに対する主な認知行動療法】
  認知行動療法とは、気分や行動に影響するものの考え方や受け取り方(認知)の偏りを修正し、問題解決を手助けすることにより精神疾患を治療する精神療法です。
  SADに対する認知行動療法は、患者の精神状態が落ちついている時に薬物療法と並行して行い、不安や恐怖にとらわれている思考パターンを変えたり、緊張感を和らげることで回避行動を軽減させます。

≪認知修正療法≫
自分の行動が周囲の人に不快感を持たれているのかを再考し、実際に確認することで不安や恐怖を解消する。

≪曝露療法≫
あえて不安や恐怖を感じる状況を体験し、段階的に慣れてくることで回避行動を軽減する。

≪社会技術訓練≫
社交場面での対人方法を学び、不安や恐怖を軽減する。

≪不安対処訓練≫
不安や恐怖による過呼吸を防ぐための呼吸法や緊張感を和らげるためのリラクゼーション法を学ぶ。

≪集団認知行動療法≫
大勢の前で普段回避している行動をとり、客観的にどのように見えたかを話し合い、不安や恐怖を解消する。



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2016年8月30日火曜日

■社会不安障害(SAD)の薬物療法

SADは、発症年齢が早く、長年に渡り日常の社会生活が障害されてしまうため、早期に治療を行うことが重要で、薬物療法を基本に認知行動療法を平行して行う。

【薬物療法】
≪抗うつ薬:SSRI
・エスシタロプラム(レクサプロ)
・パロキセチン(パキシル)
・フルボキサミン(デプロメール、ルボックス)
SAD治療の第一選択薬。
再発予防のため、維持治療を1年以上することが望ましい。

SNRI
・ベンラファキシン
WFSBPガイドラインにおける一次治療薬。
『社会不安障害』の適応は無い。

≪ベンゾジアゼピン系≫
・クロナゼパム
・ロフラゼプ
不安症状が強い場合に頓服またはSSRIと併用する。
短期間の使用が望ましい。
『社会不安障害』の適応は無い。

≪β遮断薬≫
・プロプラノロール
頓服で用いる。
緊張場面や恐怖状況における動悸や発汗や震戦を抑える。
『社会不安障害』の適応は無い。



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