2015年8月7日金曜日

■ピロリ菌について

■ピロリ菌って一体どんな菌なの!?
・正式名は、『ヘリコバクター・ピロリ』と言います。

・ピロリ菌は、胃の中に好んで住みつき、胃の壁を傷つける細菌で、1982年オーストラリアで発見されました。
・胃の中は強い酸性、細菌は住むことができないと思われていましたが、ピロリ菌は自ら住みやすい環境を作り出して生息しています。

■どの位の人がピロリ菌をもっているの!?...
・ピロリ菌の感染率は衛生環境と相関すると指摘され、50代以上の日本人の70~80%がピロリ菌に感染しているといわれています。
・経口感染が主な経路と考えられています。上下水道が整備されていないような地域や国では感染率が高く、先進国の中では日本は際立って高い感染率です(50歳以上)。しかし、衛生環境が改善された今日、若い世代の感染率は急速に低下しています。

■ピロリ菌は、胃・十二指腸で、 どんなワルさをするの!?
・胃の壁を傷つけ、胃を守っている粘液を減らし、酸の攻撃を受けやすくしてしまうので、胃炎や消化性潰瘍を発症させる要因になります。
・ピロリ菌が胃壁に取り付くと細胞を弱めてしまう毒素を出し始めます。すると菌をやっつけようと血液中の白血球が付近に集まります。両者の戦いが大きくなると、胃粘膜の消耗を早め、粘膜が炎症を起こして胃炎になったり、胃や十二指腸の粘膜が深くえぐられて消化性潰瘍になったりすると考えられます。

■ピロリ菌に感染すると、どうして胃潰瘍や胃がんになるの!?
・感染したからといって、潰瘍や胃がんが必ず発症するわけではありません。しかし、感染した人はほとんどの人に胃炎が起こります。除菌しない限り、ピロリ菌は胃の中に住み続け、慢性的に炎症が続きます(慢性胃炎)。
・慢性胃炎では、胃の粘膜を防御する力が弱まり、ストレスや塩分の多い食事、発がん物質などの攻撃を受けやすい無防備な状態となります。つまり、ピロリ菌は胃・十二指腸潰瘍、胃がんを起こしやすい下地をつくってしまうわけです。

■ピロリ菌がなくなれば、胃炎や消化性潰瘍にならないの!?
 除菌によって今まで潰瘍が治りにくかった人が治ったという報告があり、潰瘍の再発予防に有効です。
 消化性潰瘍がやっかいなのは、いったん治っても何度も再発を繰り返すことです。
 胃潰瘍患者の65~80%程度、十二指腸潰瘍患者の90%程度に胃の中にピロリ菌がいることがわかっています。
 ピロリ菌の除菌によって、再発を繰りかえす潰瘍が治ったという例が多くあります。

■1年間に胃・十二指腸潰瘍を再発する人の割合
▽なにも治療をしない場合⇒72%

▽再発を予防するために潰瘍が治った後も、薬をやめずにある期間飲み続ける治療をした場合⇒25%

▽ピロリ菌除菌に成功した場合⇒2%

■ピロリ菌は胃がんにも関係あるの!?
最近、ピロリ菌と胃がんの関係について解明されつつあります。
ピロリ菌が陽性であると、胃がんのリスクが高まります。ピロリ菌、陽性例および陰性例に対して10年間の追跡調査を行った結果、ピロリ菌陽性例では2.9%(1246例中36例)に胃がんが発見され、陰性例では胃がんが認められなかったという研究発表もされています。

■ピロリ菌がいるかどうか どうやって調べるの!?
検査方法は内視鏡(胃カメラ)を必要とする方法と必要としない方法に大きく分けられます。現在もっとも使用されている内視鏡を必要としない検査法は尿素呼気試験法です。

■内視鏡を使わない方法
▼尿素呼気試験
呼気(吐き出した息)を採取して調べる方法です。ピロリ菌が分泌するウレアーゼの働きで作られる二酸化炭素(CO2)の量を調べます。

▼抗体、抗原測定法
尿や血液や糞便中のピロリ菌に対する抗体や抗原の有無を調べる方法です。

■内視鏡を使う方法
内視鏡で胃の組織の一部を取って、次のいずれかの方法で検査します。
▼培養法
ピロリ菌を培養する。

▼迅速ウレアーゼ法
ピロリ菌が分泌するウレアーゼの
働きで作られるアンモニア(NH3)
の有無を調べる。

▼組織鏡検法
顕微鏡でピロリ菌がいるかどうか調べる。

【尿素呼気試験法ってどんな試験!?】
ピロリ菌は、胃の中の尿素を二酸化炭素(CO2)とアンモニア(NH3)に分解します。この性質を利用した試験法です。簡便で20分程度で済み、患者さんの苦痛もなく、精度が高いため、検査法の主流となっています。

■尿素呼気試験の実施手順
▼標準的な13C-尿素呼気試験法(20分程度)
①検査薬服用前に呼気(口から吐く息)を採取します。
②検査薬をつぶしたりせず、空腹時に水100mlとともに噛まずに速やかに(5秒以内に)飲みこみます。
③5分間、左向きに寝た姿勢を保ちます。
④その後、15分間座った姿勢を保ちます(椅子に座ります)。
⑤検査薬服用20分後の呼気(口から吐く息)を採取します。

▼呼気中13CO2の測定(2,3分程度)
①呼気中13CO2の測定は、質量分析法または、それに準ずる性能を有する分析法で実施します。
②判定は、△13C:2.5 0/00以上をピロリ菌陽性と判定します。

■ピロリ菌の除菌治療はどうやって行うのですか!?
 2種類の抗生物質と胃酸の分泌を抑える薬を1週間飲むだけです(一次除菌療法)。これだけで約80%の方は除菌に成功する、つまり胃の中からピロリ菌は完全に消えていなくなります。
 残り20%の除菌不成功の方には、抗生物質の1種類を変更して、同様に3種類のお薬を1週間飲む二次除菌療法があります。これにより、一次除菌に失敗した方の約90%の方が除菌に成功します。
 10%程度の人に下痢や味覚異常などの副作用が起こることがありますが、それよりも除菌治療によって、再発を繰り返していた潰瘍が治る(ピロリ菌が除菌できる)ということの方が有用性は高いと思われます。





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■Immunonutrition:免疫賦活栄養

近年注目されている手術や外傷などの侵襲を受けた、あるいはこれから受けようとしている患者に対して、免疫量の増強による感染症の発生予防や創傷治癒の促進などにより予後を改善させることを目的とした栄養法をimmunonutrition(免疫賦活栄養)という。
Immunonutritionには、栄養ルートとしての経腸栄養、グルタミンやアルギニンといったアミノ酸、n-3系脂肪酸、核酸、タンパク同化ホルモンの成長やinsulin like growth gactor 1(IGF-1)などが含まれる。

各種immunonutritionの効果



経腸栄養

・腸管バリア機能の維持

bacterial translocationの防止

・タンパク代謝改善

・免疫能の増強

・サイトカイン産生のモジュレーション

グルタミン

・腸管バリア機能の維持

bacterial translocationの防止

・タンパク代謝改善

・免疫能の増強

アルギニン

・免疫能の増強

・成長ホルモンなど下垂体ホルモンの分泌増加

・NOの基質

-3系脂肪酸

PGE2産生抑制による免疫能の増強

中鎖脂肪酸(MCFA)

腸管萎縮の防止

核酸

細胞性免疫の増強

ビタミンC・E

抗酸化作用

タンパク同化ホルモン

タンパク代謝の改善

免疫能の増強

 

2015年8月6日木曜日

■脱水のチェックと対策

≪脱水チェック≫

▽この3日間食事を残さず食べられたか(1/4~半分残していたら要注意)

▽この3日間に下痢をしたか

▽この3日間に嘔吐があったか

▽トイレの回数、尿量が減っているか

▽立ち上がった時、普段の脈拍から30/分以上増加することがあるか

▽血圧が普段より低いか

▽わきの下が乾いているか

▽指で爪先を軽く押した時、2秒以内に赤みが戻るか

 


[評価方法:該当する項目の数]

・2つ:脱水気味、イオンを含む水分を積極的に摂る

・34つ:さらにイオンを多く摂るような水分補給を工夫する

・5つ以上:医療機関を受診





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■味覚障害の起こり方

≪味覚障害の起こり方≫
▼味蕾への外的障害
・炎症(舌炎・軟口蓋炎)
・火傷
▼味物質の到達障害➡8%
・味孔の閉鎖(舌苔・錯角化症)
・唾液減少(老化・シェーグレン症候群)
▼味蕾細胞の内的障害
・亜鉛欠乏症(食事性:31%、薬剤性:21%、全身疾患[肝不全、腎不全、糖尿病など]・胃腸術後:14%)➡約68%
・ビタミンA、ビタミンB2、ビタミンB12の各欠乏症
・貧血
▼味覚伝達路障害
・顔面神経麻痺、口蓋扁桃摘出術後、中耳手術、下顎抜歯伝達麻酔後
▼食物の味に関する他の感覚の障害
・嗅覚障害(風味障害)➡8%
・三叉神経Ⅱ・Ⅲ枝の障害(舌触り・舌触りの異常)
▼心因性➡13%
・仮面うつ病
・転換ヒステリー
▼老化


≪味覚障害の症状や訴えや合併症≫
▼症状
・食べ物の味が薄くなった➡味覚減退
・味が全くわからなくなった➡味覚消失
・口の中に何もないのに、いつも味がする➡自発性異常味覚(苦味・渋味・塩味)
▼特異な訴え
・ある特定の味質だけがわからない(特に甘味)➡解離性味覚障害
・ある食べ物や飲み物の味が、本来の味と異なる(醤油が苦いと感じるなど)➡異味症
・食べ物が、表現できない嫌な味になる➡悪味症
▼合併症
舌に何かしらの肉眼的所見がない状態で、
・舌(多くは舌先か舌縁)に灼熱感、ピリピリ、チリチリなどの違和感がある
・口内乾燥、舌の色調の変化、嗅覚異常などがある


味覚障害の約7割が亜鉛欠乏症によるものだと言われています。



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■7つの習慣+第8の習慣について勉強:フランクリン・コヴィー・ジャパン

▼真の成功は人格を育てることから始まる
▼『インサイド・アウト』で世界を見る

第1の習慣;主体的である
人間として自分の人生に対する責任を取ることで、他人や環境に流されることをやめ、自覚して自身の行動を選択すること。
・自分の選択を意識して行動する。
・自分の『影響の輪』を意識して行動する。

②第2の習慣:終わりを思い描くことから始める
自分自身にリーダーシップを発揮することで、人生の終わりを意識し、どんな人生を送るかの方向性をイメージし、それを実践すること。そのための『原則』を持つこと。
・生産的な全身のために『終わり』を設定する。
・迷った時は、『原則』に立ち替わって選択する。

③第3の習慣:最優先事項を優先する
ビジョンに基づく役割と目標を反映させた上でスケジュールを立て、緊急でないが重要な活動をもっと増やすように努力すること。時間をつくるために、仕事を人に任せる技術も必要となる。
・人間活動は4つの領域に分けられる。
・スケジュールは『役割』と『目標』で考える。

④第4の習慣:Win-Winを考える
Win-Win(自分も勝ち、相手も勝つ方法)を考えること。双方に利益をもたらすもっとも喜ばしい解決策を導き出し、信頼感を深めるようにすること。
・双方にメリットのある道が真の正解。
・『与える人』がもっとも豊かになれる。

⑤第5の習慣:まず理解に徹し、そして理解される
自分を理解してもらうために、自分の主張や相手の批判より先に、相手の考え方を理解することから始めること。相手の言葉に耳を傾け、相手の目線で世界を見るようにすること。
・『話す』ことより『聞くこと』がもっとも豊かになれる。
・4段階の聞き方で相手を深く理解する。

⑥第6の習慣:シナジーを作り出す
お互いの妥協点を探るのではなく、お互いの相違点を生かす発想を持つこと。お互いがよりよい状況へと改善できるよう努めること。
・お互いに納得できる『第3の案』は必ずある。
・シナジーをもたらすコミュニケーションとは。

⑦第7の習慣:刃を研ぐ
16の習慣の効果をさらに発揮させるために、自分への投資を日々続けること。自分自身の肉体、精神、知性、社会、情緒を再新再生(リニューアル)させること。
・日々自分の器を育てよう。

⑧第8の習慣:ボイスを発見する
7つの習慣に、質的な奥行きをもたらす力で、才能、情熱、満足、良心といったボイス(自分の内面・心の声)に従って、実行すること。また他人がボイスを発見できるように手伝うこと。







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