2013年11月17日日曜日

■ベンゾジアゼピン系・非ベンゾジアゼピン系睡眠薬の等価換算

ゾルピデム(マイスリー)10mg
ゾピクロン(アモバン)7.5mg
≒トリアゾラム(ハルシオン)2.5mg
ロルメタゼパム(ロラメット・エバミール)1mg
≒リルマザホン(リスミー)2mg
≒ブロチゾラム(レンドルミン)0.25mg
≒エチゾラム(デパス)1.5mg
≒フルニトラゼパム(サイレース・ロヒプノール)1mg
≒ニトラゼパム(ベンザリン・ネルボン)5mg
≒エスタゾラム(ユーロジン)2mg
≒クアゼパム(ドラール)15mg
≒ハロキサゾラム(ソメリン)5mg
≒フルラゼパム(ベノジール・ダルメート)15mg
 
※作用時間などに違いがあるため、実際には薬剤間の力価の比較は困難である。
同作用時間の睡眠薬切り替えの目安にはなるかもしれない。


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2013年11月16日土曜日

■睡眠薬の種類

≪超短時間型≫
▽マイスリー
・特にω1受容体に選択的に結合し、催眠・鎮静作用を示す。
・筋弛緩作用が弱く、翌朝までの持ち越し効果が少ない。
・処方日数制限30日まで。

▽アモバン
・筋弛緩作用は弱く、夜間や翌日のふらつき、転倒が少ない。
・排泄される過程において、苦味を持つ代謝物が唾液中に分泌されるため、翌朝まで苦味が残ることがある。
・処方日数制限は、特にない。

▽ハルシオン
・効果発現が速やかで、入眠障害に有効。
・高力価で半減期が短いため、半跳性不眠を起こしやすい。
・薬物依存に対する注意が必要。
・一過性の記憶障害やもうろう状態を起こすことがある。
・併用禁忌薬剤もある。
・処方日数制限30日まで。

≪短時間型≫
▽エバミール
・入眠障害に有効。
・肝機能の低下している患者にも使用しやすい。
・レム睡眠の反跳や持ち越し効果は少ない。
・処方日数制限30日まで。

▽リスミー
・4種類の活性代謝物の半減期は10時間であり、適度に睡眠を持続させる。
・筋弛緩作用は弱いので、ふらつきは少ない。
・処方日数制限は、特にない。

▽レンドルミン
・効果発現が1530分と速やかであり、入眠障害に対して有効。
・作用持続時間が78時間であり、翌朝への持ち越し効果は少ないが、健忘の報告がある。
・処方日数制限30日まで。

▽デパス
・入眠障害に有効。
・抗うつ効果や抗不安効果もあるため、うつ病・神経・心身症などの睡眠障害に効果的である。
・高齢者への投与は、筋弛緩作用を併せ持つため、転倒・転落・骨折などの危険性に注意が必要。
・処方日数制限は、特にない。

≪中間型≫
▽サイレース・ロヒプノール
・熟眠障害に有効。
・入眠作用は強力で、夜間の覚醒回数も少ない。
・中程度の持ち越し効果がみられる。
・注射製剤もある。
・日本では第2種向精神薬に指定されており、米国への持ち込みは禁止されている。
・処方日数制限30日まで。

▽ユーロジン
・熟眠障害に有効。
・中途覚醒の少ない安定した睡眠が得られる。
・抗不安・筋弛緩・抗痙攣作用を併せ持つ。
・高齢者への投与は、転倒・転落・骨折などの危険性に注意が必要。
・処方日数制限30日まで。

▽ベンザリン・ネルボン
・日本で最初のベンゾジアゼピン系睡眠薬であり、国内の睡眠導入薬開発時の基準薬である。
・熟眠障害に有効。
・筋弛緩作用・抗けいれん作用が強く、抗てんかん薬としての適応も持っている。
・高齢者への投与は、転倒・転落・骨折などの危険性に注意が必要。
・処方日数制限90日まで。

≪長時間型≫
▽ドラール
・特にω1受容体に選択的に結合する。
・催眠鎮静作用に比べ、筋弛緩作用は弱い。
・半減期が長いため、熟眠障害や中途覚醒に有効。
・胃内容物の残留により、吸収が増大し、血中濃度が空腹時の23倍上昇するとの報告があるため、食後の服用は避ける。
・処方日数制限30日まで。

▽ソメリン
・半減期がきわめて長く、中途覚醒・早朝覚醒に有効である。
・処方日数制限30日まで。

▽ベノジール・ダルメート
・半減期が長く、2週間以上連続服用していると、代謝物が薬効の大部分を占めるようになる。そのため中途覚醒、早朝覚醒に対して効果を示す。
・日中不安を抑制する。
・処方日数制限30日まで。




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2013年11月15日金曜日

■第二世代抗ヒスタミン薬の中で初回投与時に速やかな効果発現が期待できる薬剤は!?


■第二世代抗ヒスタミン薬の中で初回投与時に速やかな効果発現が期待できる薬剤は!?
≪初回投与時に早くT-maxになるため効果発現が期待できる順≫

アゼプチン>アレロック>タリオン>ジルテック>アレジオン>アレグラ>クラリチン>セルテクト>ザジテン>レミカット・ダレン>エバステル>ゼスラン・ニポラジン
※効果の強さの順ではありません。


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2013年11月14日木曜日

■抗ヒスタミン薬の副作用:『眠気』と『自覚しにくい集中力・判断力の低下』について考えてみる。

■抗ヒスタミン薬の副作用:『眠気』と『自覚しにくい集中力・判断力の低下』について考えてみる。
≪眠気の副作用の強さ≫
花粉症の症状改善率をだいたい同等に見た場合での眠気発現率の強さ
アレグラ<ジルテック<アレロック

▽自覚しにくい集中力・判断力の低下(インペアード・パフォーマンス)の副作用は眠気の副作用と異なり、抗ヒスタミン薬の脳内受容体占拠率と相関する。
≪抗ヒスタミン薬の脳内H1受容体占拠率≫
アレグラ120mg<アレジオン20mg<エバステル10mg<アレロック5mg<ジルテック10mg<アゼプチン1mg<ゼスラン3mg<ジルテック20mg<ポララミン<セルテクト30mg<ザジテン1mg



2013年11月13日水曜日

■プロトンポンプ阻害薬(PPI)比較

■PPI比較
すべて腸溶性製剤である。タケプロンのみ経管投与できる。嚥下困難な患者、経管投与の症例においてタケプロンが有用である。パリエットは薬物相互作用が少ない。

▼酸分泌抑制効果
オメプラール<タケプロン<パリエット

▼薬物相互作用
オメプラール、タケプロンは、CYP2C19・CYP3A4により代謝されるが、パリエットは非酵素的に代謝される。
代謝がCYP2C19に依存度:オメプラール>タケプロン>パリエット
パリエットは、オメプラール・タケプロンに比べ、薬物相互作用は少ない。


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